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皇居三の丸尚蔵館ガイド|予約・行き方と東御苑を回る半日コース

高い位置から見た皇居三の丸尚蔵館。白壁の建物と入口の階段、庇の下の列柱が見える
東京・皇居東御苑|美術館ガイド

皇居三の丸尚蔵館ガイド|予約・行き方と東御苑を回る半日コース

皇居東御苑の大手門を入ってすぐの美術館です。予約の取り方、大手門からの行き方、大手休憩所と江戸城跡を組み合わせた半日コース、開催中の特別展の見どころを、開館初日の訪問をもとにまとめました。

場所皇居東御苑内(大手門から約100m)
特別展2026年11月3日〜2027年1月24日
観覧料一般2,500円(日時指定制)
東御苑入園無料・予約不要

皇居三の丸尚蔵館は、皇居東御苑の大手門を入ってすぐのところにある美術館です。2026年11月3日にグランドオープンし、記念の特別展「皇室の至宝―美いづるところ」が始まりました。正倉院に伝わる螺鈿紫檀琵琶から、明治の名工が手がけた蒔絵の書棚まで、皇室ゆかりの名品が並びます。

その初日に行ってきました。予約サイトは完売で、一度は入館をあきらめています。それでも東御苑に入ってから予約画面を開き直すと14時30分の枠に空きがあり、そのまま入ることができました。この記事では、予約とチケット、大手門からの行き方、大手休憩所、江戸城跡まで歩く半日モデルコース、開催中と次回の特別展の見どころを順にまとめています。

この記事の目次

特別展「皇室の至宝―美いづるところ」の内容だけを知りたい方は、次のリンクから見どころへ進めます。

「皇室の至宝」展の見どころ

訪問前チェック|予約・開館時間・休館日・所要時間

予約日時指定制で、会場の当日券はない。予約不要なのは、障がい者手帳の人と付添者1名、小学生以下だけ
購入方法ART PASS、セブンチケット、セブン-イレブン店舗。クーポンや割引は見つからなかった(2026年11月3日時点)
観覧料特別展「皇室の至宝」は一般2,500円(2027年1月24日まで)
開館時間9:30〜17:00(最終入場16:30)。金・土曜は夜間開館で20:00まで(最終入場19:30)
休館日原則月曜。開館する月曜と、展示替え・年末年始の休館日は行き方の表を参照
皇居東御苑入園無料・予約不要。11〜2月は16:00閉園(最終入園15:30)。原則月曜・金曜休園(祝日は公開。詳しくは行き方の表)
所要時間館内は約80分(筆者の場合)。大手休憩所と江戸城跡も回るなら半日

三の丸尚蔵館とは|約6,300件を収める皇室ゆかりの美術館

皇居三の丸尚蔵館

来館者が行き交う広場の奥に立つ、白い外壁と緑がかった屋根の皇居三の丸尚蔵館
広場の奥に建つ三の丸尚蔵館(2026年11月3日)

皇室に受け継がれてきた絵画や書、工芸品を収める美術館です。始まりは1989年、上皇陛下と香淳皇后からこれらの品々が国に寄贈されたことでした。1993年に宮内庁の三の丸尚蔵館として東御苑内に開館し、2023年に運営が国立文化財機構へ移って同年11月に一部を開館。2026年11月のグランドオープンで、全館が開きました。

収蔵品は約6,300件で、うち国宝が10件、重要文化財が13件。グランドオープンで、展示室は旧来の約8倍の広さになりました。

館名の「三の丸」は、この場所が江戸城の三の丸にあたることに由来します。建物は新しく建てられたもので、江戸時代の建物が残っているわけではありません。

深い庇の下に柱とガラス面が並ぶ三の丸尚蔵館の入口側
大きな窓とベンチ、案内バナーが続くエントランスホール
第1〜第3会場と講堂、ショップの配置を示す館内図

写真をタップすると拡大できます

展示室は第1〜第3会場に分かれ、講堂とミュージアムショップがあります。入口には階段と並んで、手すり付きのスロープがあります。

三の丸尚蔵館の予約とチケット|会場販売なし・原則日時指定

「皇室の至宝」の観覧料は一般2,500円(税込)。一般券は日時指定で、会場での当日券販売はありません。空きがあれば当日も予約できます。購入方法はART PASS、セブンチケット、セブン-イレブン店舗の3つで、筆者が探した範囲では、クーポンや割引は見つかりませんでした(2026年11月3日時点)。障がい者手帳をお持ちの方と付添者1名、小学生以下の方は予約不要です。

ART PASS(電子チケット)手数料なし。日時の変更は2回まで、キャンセルは不可
セブンチケット(紙チケット)セブン-イレブン店内のマルチコピー機か、セブンチケットのサイトで予約。サイトからだと1枚110円の手数料。セブン-イレブンで発券した紙のチケットが必要で、支払履歴やスクリーンショットでは入れない
割引・クーポン公式ページに記載はなく、筆者も見つけられなかった(2026年11月3日時点)
予約の締切各枠の入場開始1分前まで(空きがあれば)
販売開始中期は11月11日10時、後期は12月2日10時
払い戻し・再入館払い戻しと再発行は不可。同日なら展示室へは戻れるが、館の外に出ると再入館できない
  • 無料・ART PASSでの予約が必要:来館日時点で満23歳未満の人、大学生・高校生・中学生、無料観覧券を持っている人
  • 無料・予約不要:障がい者手帳を持っている人と付添者1名、小学生以下(保護者は予約が必要)。混雑時は入場を待つことがあります
  • 当日に必要なもの:無料の対象の人は、生年月日が分かる書類・学生証・障がい者手帳など、対象と確認できるものを持参します(小学生以下を除く)。無料観覧券は、ART PASSのQRチケットとの両方が必要です。確認できない場合や、対象外の人が無料枠を予約した場合は入場できず、差額を払っての入場や券種の変更もできません
  • 記念講演会やスライドトークに参加する場合は、上記の人も専用の聴講券が必要です
公式のチケット案内を見る

完売表示から、当日に空きが出た

初日の予約サイトは完売で、一度はあきらめていました。それでも東御苑に入ってから予約画面を何度か開き直すと、13時45分ごろ、ART PASSに14時30分の枠が出ています。急いでスマートフォンで手続きを済ませ、45分後には館内にいました。先に見ていたセブンチケットのほうには、空きは出ていませんでした。

三の丸尚蔵館の入口へ続く広い階段と手すり付きのスロープ。手前に14時30分の入場案内板が置かれている
入口へ続く階段とスロープ。手前は14時30分の入場案内(2026年11月3日)

入場は予約した時間の枠ごとです。館内に待機スペースがないため、公式は枠より早い来場を控えるよう案内しています。筆者が5分前に入口へ着いたときには、同じ枠の人の列がもうできていて、10分以上前から並んでいた人もいたようです。入口の案内板には、そのときも「本日予約完売」と出ていました。

空きが出た理由も、また出る時間帯も分かりません。たまたま運が良かっただけかもしれないので、行く日が決まっているなら、販売開始日に予約しておくのが安心です。
「日時指定予約制」「本日予約完売」「14:30」と表示された三の丸尚蔵館の案内板
館名看板と、旭日鳳凰図を使った中国語の展覧会案内
特別展「皇室の至宝―美いづるところ」の題字看板

写真をタップすると拡大できます(2026年11月3日撮影)

行き方と入口|大手門・平川門・北桔橋門の使い分け

美術館にいちばん近いのは大手門です。地下鉄なら大手町駅のC13a出口から約5分、JRなら東京駅の丸の内北口から約15分。門をくぐって約100m歩けば、もう館の前です。

ただし宮内庁は、開業直後と土日は大手門付近の混雑が予想されるとして、平川門や北桔橋門の利用も勧めています。どちらも東西線の竹橋駅から近い門ですが、東御苑の公開日・公開時間にしか使えません。東御苑が休園の日や閉園後に尚蔵館へ向かうなら、入れるのは大手門だけです。

アクセス・基本情報
住所東京都千代田区千代田1-8(皇居東御苑内)
地下鉄大手町駅 C13a出口から大手門まで徒歩約5分
JR・新幹線東京駅 丸の内北口から大手門まで徒歩約15分。東京駅には東海道・東北・上越・北陸などの新幹線が発着。名古屋・京都・新大阪などからの所要時間は列車によって違うため、乗換案内で要確認
大手門から館まで約100m
移動の難しさ駅から歩くだけ。館の入口には階段と、手すり付きのスロープがある
交通手段電車と徒歩。尚蔵館専用の駐車場・駐輪場はない(公式案内)
開館時間9:30〜17:00(最終入場16:30)。金・土曜は20:00まで(最終入場19:30)
休館日月曜(2026年11月23日と2027年1月11日は開館)。このほか2026年11月24〜25日、12月22日、12月28日〜2027年1月3日、1月12日が休館。臨時に休館することもある
東御苑の休園日原則月曜・金曜。天皇誕生日を除く祝日は公開し、月曜が祝日なら翌火曜が休園。12月28日〜1月3日や行事の日も休園。詳しくは宮内庁の休園日カレンダーで
注意点大手門で手荷物検査がある。予約の入場枠に遅れないよう余裕を持って向かい、早すぎる到着は控える(館内に待機スペースがないため)

大手門|美術館への入口

大手門の石垣と白壁の渡櫓門を通って皇居東御苑へ向かう人々
大手門の内側。渡櫓門を抜けて東御苑へ入ります(2026年11月3日)

江戸城の正門だった大手門が、いまは東御苑と美術館への主な入口です。

開館初日は、手荷物検査が大手門前の橋の上ではなく、枡形の奥の門で行われていました。枡形の中には待機用のレーンが長く設けられていて、筆者が通った昼すぎは、待っても10分ほどでした。

大手門の白い渡櫓と石垣の背後に並ぶ大手町の高層ビル
大手門の渡櫓と、背後に並ぶ大手町のビル群

竹橋駅(1a出口)からの徒歩時間は、尚蔵館の案内では平川門まで約10分、北桔橋門まで約15分です。宮内庁の東御苑の案内では、どちらの門も約5分とされており、公式の案内でも差があります。どちらから入っても、館までは東御苑の中を歩くことになるので、予約の時刻には余裕を持たせてください。大手門の歴史や見どころは、江戸城跡 大手門エリア完全ガイドで詳しく紹介しています。

地図:皇居三の丸尚蔵館

☕ このサイトは実地取材で制作しています。記事が参考になった方は、サポートいただけると励みになります。

大手休憩所|カフェ(猿田彦珈琲)・売店・展示と利用時間

大手休憩所

木の縦材の外壁とガラスの手すりのテラスがある大手休憩所の外観
大手休憩所の外観。木の縦材とガラスのテラスが並びます

美術館の近くに建つ大手休憩所も、尚蔵館と同じタイミングでオープンしました。美術館とは別の建物で、展示コーナーとベンチ、カフェ、売店があります。展示のテーマは「日本の四季」「日本の伝統文化」「日本の自然」「皇室と皇居」の四つです。

入ってまず感じたのは、木をふんだんに使った柔らかい雰囲気です。天井が高く、ガラス張りの面が多いので明るく開放的で、気持ちが落ち着きます。展示のディスプレイは壁や柱に埋め込まれていて、内装の邪魔をしません。皇居のことだけでなく、日本の良さを伝えようとしている、気持ちのいい施設でした。

筆者が行った開館初日、カフェには猿田彦珈琲が入っていました。長い列ができていて、20分ほど待ちそうだったので入りませんでした。持ち帰りもできるようです。開館初日の様子なので、ふだんはもっと空いているかもしれません。

ベンチと「日本の伝統文化」の展示面がある大手休憩所の屋内
桂離宮と修学院離宮の秋景色を映す、大手休憩所の縦長ディスプレー
紅葉と青空を映す大手休憩所の大型スクリーン
大手休憩所の窓辺に置かれた、文様入りの鉢の松の盆栽
木の棚に商品が並び、来場者でにぎわう大手休憩所の売店

写真をタップすると拡大できます

離宮と紅葉の写真は、館内のディスプレーに映る映像を撮ったもので、現地の風景ではありません。

利用できるのは、原則として東御苑の公開日・公開時間です。東御苑が休園の日や閉園後でも、三の丸尚蔵館が開いていれば、尚蔵館の来館者は利用できます。

皇居東御苑と回る半日モデルコースと所要時間

せっかく大手門から入るなら、美術館のあとに江戸城跡も歩いておきたいところです。東御苑が公開されている日に、午前の枠を予約した場合の、半日のモデルコースを紹介します。見学時間の合計は約3時間20分で、移動や待ち時間を含めて半日ほどです。東御苑が休園の日は城跡の散策や平川門からの退出ができないので、美術館と大手休憩所が中心になります。

大手門の石垣と白壁の渡櫓門 大手門から東御苑へ手荷物検査あり。開館初日の昼すぎは、待っても10分ほど
木の外壁とガラスのテラスがある大手休憩所 大手休憩所(約30分)四季や伝統文化の展示を見て、予約の時刻まで一息
広場の奥に立つ皇居三の丸尚蔵館 三の丸尚蔵館(約80分)予約した枠の時間内に入館。早すぎる到着は控える。一度館を出ると戻れない
平川門から出る二の丸庭園から近く、大手門まで戻らずに竹橋駅へ向かえる

城跡の歩き方と各スポットの見どころは、江戸城跡の見どころ7選:現在の皇居東御苑を90分で歩くにまとめています。館内と休憩所の時間は筆者の実際の滞在時間、城跡の約90分はこの記事の目安です。

午後の遅い枠なら、城跡を先に回る

11月から2月の東御苑は16時に閉まり、最終入園は15時30分です。筆者が予約した14時30分の枠では、館を出たのが15時50分で、城跡を歩く時間は残っていませんでした。午後に予約した場合は、先に城跡を回り、予約の時刻に合わせて館へ向かう順番に入れ替えてください。参考までに、筆者の当日の動きは次のとおりです。

13:40ごろ大手門から東御苑へ
13:45ごろART PASSで14:30の枠を購入
13:55〜14:25大手休憩所を見学
14:30〜15:50三の丸尚蔵館で特別展を鑑賞
15:50館を出て、そのまま帰路へ(閉園の10分前)

金・土曜の夜間開館の使い方

金・土曜は20時まで開館しています(最終入場19時30分)。ただし金曜は東御苑が原則休園で、土曜も夕方以降は閉園後です。閉園後に入れるのは大手門だけなので、夜の枠は美術館だけの訪問になります。仕事帰りに作品だけを見に行くのにも使えます。城跡も歩きたいなら、昼の枠を選びましょう。東御苑が閉まっていても、尚蔵館の来館者は大手休憩所を利用できます。

開館初日の混雑の様子

以下は2026年11月3日、開館初日の様子です。大手門の手荷物検査は待っても10分ほど。美術館の入口では、同じ枠の人が10分以上前から並んでいたようで、5分前に着いたときにはもう列ができていました。公式は、館内に待機スペースがないため枠より早い来場を控えるよう案内しているので、あくまで当日の様子として読んでください。

館内では、人気の作品の前に順番待ちの列ができていました。係員が「空いている展示から先に見て、あとで戻ってきてください」と案内していたので、その言葉どおり空いているところから回り、列が短くなってから戻りました。おかげで、時間を無駄にせずに済みました。

開催中の特別展「皇室の至宝―美いづるところ」の見どころ

グランドオープンを記念した特別展で、会期は2027年1月24日までです。前期・中期・後期の3期に分かれ、期が替わると展示作品はすべて入れ替わります。お目当ての作品があるなら、まずどの期に出るかを確かめておきましょう。

前期
11/3〜11/23
聖武天皇ゆかりの正倉院宝物、狩野探幽の源氏絵、明治の蒔絵など
中期
11/26〜12/20
聖徳太子ゆかりの宝物と大正期の美術(伎楽面、竜首水瓶、富岡鉄斎の作品など)
後期
12/23〜1/24
《蒙古襲来絵詞》、ボンボニエール、狩野永徳・常信《唐獅子図屛風》など

筆者が見たのは前期です。館内の案内板によると、会場は「日本美術の精華」「正倉院宝物」「明治―帝室技芸員の誕生」の三つ。ここからは、前期に実際に見た作品を順に紹介します。

正倉院宝物|螺鈿紫檀琵琶と八角鏡

螺鈿紫檀琵琶の背面の装飾を表したAI生成の説明用イラスト
八角鏡 平螺鈿背の装飾面を表したAI生成の説明用イラスト

AI生成イメージ螺鈿紫檀琵琶(左)と八角鏡 平螺鈿背(右)の装飾を説明するAI生成イラストです。実物の記録写真・正確な復元図ではなく、細部や色は実物と異なります。タップで拡大できます。

前期でまず見ておきたいのが、奈良の正倉院に伝わる2点です。螺鈿紫檀琵琶は8世紀の四絃の琵琶で、聖武天皇の遺愛品を記した『国家珍宝帳』にも載っています。ヤコウガイの螺鈿に、タイマイや琥珀の象嵌を組み合わせて、宝相華唐草の文様を表したものです。

実物でいちばん印象に残ったのは、埋め込まれた夜光貝のきらめきでした。もう一点の八角鏡 平螺鈿背は、鏡の背面をトルコ石の細片と螺鈿、琥珀の宝相華文様が埋め尽くしていて、赤い装飾の細かさに見入りました。この2点は訪れた日は撮影できなかったため、ここではAIで描いたイメージ図を載せています。

螺鈿紫檀琵琶は正倉院宝物(北倉27)で、中国・唐時代または奈良時代(8世紀)の作です。八角鏡 平螺鈿背は正倉院宝物(北倉42-7)で、中国・唐時代(8世紀)の作です。実物の写真は、公式サイトの展覧会構成のページで見られます。

屛風・掛軸・絵巻|探幽、若冲、北斎

金雲の間に御殿や庭の場面が連なる狩野探幽《源氏物語図屛風》
狩野探幽《源氏物語図屛風》(1642年)

絵画で足を止めたいのは、狩野探幽の《源氏物語図屛風》です。金雲のあいだから御殿や庭の場面が次々と現れ、屛風の折れに沿って歩くと見える場面が変わっていきます。八条宮智忠親王に嫁いだ富姫(加賀藩主・前田利常の娘)の婚礼調度と考えられている作品で、上部の表装には三つ葉葵の文様もあしらわれています。絵だけでなく、縁まで見ておくと面白い一点です。

ほかにも、赤い朝日を背に二羽の鳳凰が尾羽を広げる伊藤若冲《旭日鳳凰図》、切った西瓜に白い紙と包丁を載せた葛飾北斎《西瓜図》、国宝の《雲紙本和漢朗詠集》《春日権現験記絵》などが並んでいました。

《源氏物語図屛風》の表装上部にある三つ葉葵と植物文様
赤い旭日と二羽の鳳凰、竹や波を描く伊藤若冲《旭日鳳凰図》
《浜松図屛風》と絵巻の展示ケースがある第1会場を歩く人々
日輪、垂れた枝、岩山と滝が見える《日月山水図屛風》
三日月と広い水面、松のある岸を描く《日月山水図屛風》
松と水面が横につながる海北友松《浜松図屛風》
長く垂らした西瓜の皮と、切った西瓜に載る包丁を描いた葛飾北斎《西瓜図》
《西瓜図》の赤い切り口、白い紙、斜めに載せた包丁
布に覆われて眠る幼児を描いた長沢芦雪《唐子睡眠図》
青い雲形の料紙に漢字と仮名が書かれた国宝《雲紙本和漢朗詠集》巻上
牛車、牛、門のまわりの人物を描く国宝《春日権現験記絵》巻五
鬼たちに囲まれた閻魔大王と小栗主従を描く《小栗判官絵巻》

写真をタップすると拡大できます(2026年11月3日撮影)

蒔絵の文台・硯箱と香道具

蔦の葉と道具の意匠で覆われた《蔦細道蒔絵文台》
《蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来)》の文台(安土桃山時代)

工芸では、蒔絵の調度品も見逃せません。安土桃山時代の《蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来)》は、天板いっぱいに金銀の蔦の葉が重なり、硯箱の内側にまで蒔絵が続きます。江戸時代の《菊花散蒔絵十種香箱》は、香炉や札、香包といった小さな道具まで草花や鳥の絵で飾られていて、ひとつずつ見比べたくなります。

硯と筆を収めた硯箱の身と、蔦の蒔絵がある蓋
一対の香炉、草花模様の札、金色の包みなどが並ぶ十種香の道具
黒地に草花を金銀色で描いた札を小区画に並べた箱
「一」「二」「三」「客」の文字がある黒地の札と草花模様の札
鳥、花木、川、草花を描いた五つの彩色香包

写真をタップすると拡大できます

菊蒔絵螺鈿書棚と明治の工芸

高さの違う棚と二つの戸棚を組み合わせた菊蒔絵螺鈿書棚の全体
《菊蒔絵螺鈿書棚》(明治36年・重要文化財)

明治の蒔絵を代表する作品とされるのが、明治36年(1903)の《菊蒔絵螺鈿書棚》です。図案を六角紫水、蒔絵を川之邊一朝、金具彫刻を海野勝珉が手がけた重要文化財で、菊の花のあいだで小鳥が遊ぶ様子を、金の高蒔絵とたくさんの螺鈿で表しています。文様は棚の表裏や柱、内側まで途切れずに続いているそうです。

全体が金色に輝き、その中に夜光貝が埋め込まれています。近づくと、青や桃色に光る螺鈿の花びら、細い線で描き分けた小鳥、菊と桐をあしらった金具まで、どこを見ても手が込んでいました。同じ明治の工芸では、並河靖之の七宝の花瓶や、旭玉山が象牙で彫った《官女置物》も並んでいます。

書棚の戸の継ぎ目と蝶番付近で虹色に光る菊の螺鈿
金色の菊に囲まれて青く輝く螺鈿の花弁
菊花の間で右を向く小鳥と青緑色に光る螺鈿
金銀色の唐草や菊・桐の細工を施した書棚の中央金具
大きな金色の菊花、つぼみ、葉を表した書棚の高蒔絵
黒地に桜や草花、飛ぶ鳥を細密に表した並河靖之《七宝四季花鳥図花瓶》
檜扇と鏡を持つ官女を象牙で表した旭玉山《官女置物》の上半身
象牙彫刻《官女置物》の足元に重なる衣の裾と細かな文様

写真をタップすると拡大できます

《七宝四季花鳥図花瓶》(明治32年)は重要文化財、《官女置物》は明治34年の作です。

次の特別展「国宝 動植綵絵」と「日本の書の美1300年」

「皇室の至宝」のあとも、グランドオープン記念の特別展が続きます。特に注目したいのが、2027年2月から始まる伊藤若冲の《動植綵絵》の展覧会です。

国宝 動植綵絵
いろどりの世界
2027年2月4日〜3月14日。伊藤若冲の《動植綵絵》30幅を一斉に展示。一般3,000円、日時指定制。会期中に一部の作品の展示替えあり
日本の書の美
1300年
2027年3月25日〜5月16日。一般2,500円

《動植綵絵》は、18世紀の京都の絵師・伊藤若冲が描いた30幅の花鳥画です。30幅がそろって並ぶのは国内では約10年ぶりで、2021年に国宝に指定されてからは初めてになります。同じ時代に京都で描かれた花鳥画の名品もあわせて展示される予定です。

どちらもチケットはまだ受付前です(2026年11月3日時点)。「国宝 動植綵絵」は「皇室の至宝」と同じく日時指定制で、会場で当日券は売らないと案内されています。販売開始の発表が出たら、早めに予約しておきましょう。

三の丸尚蔵館の前後に泊まるなら

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東京に泊まって訪れる人のために、目的別に三つのエリア・宿を挙げます。すでに都内に宿があるなら、そこから向かえば十分です。東京駅から大手門までは徒歩約15分、大手町駅からは約5分。料金は日程や部屋で大きく変わるため、比較はしていません。

01

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東京駅周辺

丸の内北口から大手門まで徒歩約15分

朝の入館枠を取った方や、東御苑を歩いて回る旅程に向いています。

アゴダの東京駅エリアには、丸の内側と八重洲側の宿が含まれ、大手門までの距離は宿によって変わります。大手町駅周辺はアゴダにエリア指定がないため、東京駅エリアで代用しています。

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02

移動に便利

品川駅周辺

東海道新幹線が停車する駅

翌日に東海道新幹線で京都・大阪方面へ向かう旅程の選択肢です。

品川から東御苑へは電車で移動します。アゴダの品川エリアには、駅から離れた宿も含まれます。

アゴダで品川駅周辺の宿を探す
03

上質に泊まる

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東京駅丸の内駅舎内(千代田区丸の内1-9-1)

1915年開業のホテルで、重要文化財の東京駅丸の内駅舎の中にあります。歴史ある建物での滞在を旅の目的に加えたい方向けです。

ホテルの入口から大手門までの徒歩時間は計測していません。

アゴダで空室・料金を見る

リンク先では日付と人数が初期値になっています。予約前に、宿泊日・料金・キャンセル条件を画面で確認してください。

よくある質問

一般券は日時指定の予約が必要で、会場での当日券販売はありません。ART PASSかセブンチケットで買え、空きがあれば各枠の入場開始1分前まで予約できます。障がい者手帳をお持ちの方と付添者1名、小学生以下の方は予約不要です(小学生以下は、予約した保護者の同伴が必要)。満23歳未満の方や中学生・高校生・大学生など、ほかの無料対象の方は、原則として予約が必要です。クーポンや割引は、2026年11月3日時点で見つかりませんでした。

あとから空きが出ることはあります。筆者は11月3日、完売表示を見たあとに予約画面を開き直し、13時45分ごろに14時30分の枠をART PASSで買えました。ただ、空きが出る理由や時間帯は分からず、必ず取れる方法ではありません。日程が決まっているなら、販売開始日に予約しておくのが安心です。

筆者の場合、館内は約80分、大手休憩所は約30分でした。東御苑が公開されている日に江戸城跡(約90分の目安)も歩くなら、見学時間の合計は約3時間20分、移動や待ち時間を含めて半日ほどを見ておくと安心です。

あります。筆者が行った開館初日は猿田彦珈琲が入っていて、長い列ができ、20分ほど待ちそうでした。持ち帰りもできるようです。売店と展示コーナーもあります。利用できるのは原則として東御苑の公開日・公開時間ですが、東御苑が閉まっていても、尚蔵館が開いていれば尚蔵館の来館者は利用できます。

尚蔵館が開館している日なら、東御苑の休園日や閉園後も、大手門から入館できます。金曜は東御苑が原則休園ですが、尚蔵館は開館しています。ただし年末年始など、両方が閉まる日もあります。城跡の散策はできないので、訪問日の開館情報を公式サイトで確認してください。

見られません。「皇室の至宝」は前期・中期・後期で展示作品がすべて入れ替わります。お目当ての作品がある場合は、どの期に出るかを公式サイトで確認してから予約してください。

別のものです。三の丸尚蔵館は日時指定・有料の美術館で、皇居一般参観とは入口も受付も違います。参観については皇居一般参観 完全ガイドで紹介しています。

同じ日なら展示室へは戻れますが、館の外へ出ると再入館はできません。休憩や城跡の散策は、入館前か見学後に回しましょう。

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参考情報

料金・開館時間・予約条件・アクセス・展示内容は、2026年11月3日時点の公式情報です。変わることもあるので、出かける前に公式サイトで確かめてください。

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