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久能山東照宮の見どころと回り方|国宝社殿・家康の神廟と1,159段の表参道

久能山東照宮の国宝社殿を斜めから望む。軒下の彩色と朱色の高欄が一続きに見える
静岡県静岡市駿河区|国宝・史跡

久能山東照宮の見どころと回り方|国宝社殿・家康の神廟と1,159段の表参道

徳川家康が亡くなった1616年、その遺命によって最初に葬られたのが駿河湾に突き出す久能山でした。翌1617年に完成した御社殿は現在国宝に指定され、全国に広がった東照宮建築の原型になったと久能山東照宮は説明しています。久能山は家康が最初に葬られた場所で、境内の最奥には現在も家康を祀る神廟が残っています。2026年4月3日に日本平からロープウェイで上がり、参拝後に表参道1,159段を下って久能山下へ降りた記録をもとに、何が残っていて、どちらの入口から入るとよいのかをまとめます。

御社殿国宝(本殿・石の間・拝殿)
家康の墓所神廟(石造宝塔)
入口日本平ロープウェイ/表参道1,159段
拝観時間9:00〜17:00(受付は終了10分前まで)
社殿+博物館共通1,200円(大人・高校生)
✅ 2026年4月3日に現地を訪問し、東静岡駅から日本平へ向かい、ロープウェイで久能山へ上がって参拝したあと、表参道の石段を下って久能山下へ降りました。写真はすべて自分で撮影したものです。料金・時間・運行に関する情報は2026年9月26日に公式情報で確認しています。

久能山東照宮はどんな場所か:何が残り、誰に向くか

東照宮といえば日光を思い浮かべる人が多いと思います。では家康が眠っているのは日光かというと、話はそう単純ではありません。1616年に亡くなった家康は、遺言に従ってまず久能山に葬られ、翌1617年に、同じ遺言に沿って日光へ遷座しました。このとき遺骸まで日光へ移されたのかについては諸説あります。久能山東照宮は、今も神廟が遺骸を埋葬した場所に立つと説明しており、ここを全国の東照宮の創祀と位置づけています。

久能山の大きな特徴は、創建期の御社殿が現存していることです。1617年に完成した御社殿は現存していて、2010年12月に国宝に指定されました。楼門、神厩、鼓楼、日枝神社、唐門といった江戸時代初期の建物群も重要文化財として残っています。石垣と平坦面しか残らない城跡とは違い、久能山では創建期の建築そのものを見上げることができます。

久能山の表参道上部にある一ノ門の開口から、青い駿河湾を望む
表参道上部の一ノ門から駿河湾を望む。久能山東照宮は、海に向かって切り立つ標高216mの山の上にある。
1

向いている人

家康の足跡を順にたどっている人

家康が最初に葬られた場所です。日光より先にここを見ておくと、翌年の日光への遷座が何を意味したのかが分かりやすくなります。

2

向いている人

江戸初期の建築を間近で見たい人

国宝の御社殿は総漆塗りで、軒下には極彩色の彫刻が密に入ります。柵のすぐ外まで近づけるので、彫刻の一つひとつを見上げて確認できます。

3

向いている人

富士山と駿河湾の眺めも欲しい人

日本平からは清水港の向こうに富士山が見え、久能山側の一ノ門からは駿河湾が広がります。日本平では富士山、一ノ門では駿河湾を望めます。

4

注意したい人

階段を避けたい人

ロープウェイを使っても境内には石段が残ります。久能山東照宮は「御社殿まで行くには石段だけとなり、スロープ等の設備がございません」と案内し、車いすでの利用はできないとしています。

2026年4月3日の訪問時点での印象でいうと、規模は日光東照宮より小さいものの、参道から御社殿までの距離が短く、彫刻を見る時間をたっぷり取れました。御社殿・神廟・博物館を無理のない範囲で見て回れるのは、この規模ならではの利点です。

ロープウェイか、1,159段か|先に決めておく3つの回り方

久能山東照宮には自動車で直接乗り入れることができません。入口は山の北側と南側に1つずつあり、どちらから入るかで、所要時間も体力も、帰りのバス停も変わります。ルートは出発前に決めておくと安心です。

  • 北側の入口:日本平 → 日本平ロープウェイ → 久能山駅(山上)
  • 南側の入口:久能山下 → 表参道の石段1,159段 → 山上
回り方 体力と時間 景色・立ち寄りポイント 帰りの注意
ロープウェイ往復 石段の上り下りは境内分のみ。移動は片道約5分 日本平からの富士山と、ロープウェイからの駿河湾 入口と出口が同じ。日本平からのバスで静岡駅・東静岡駅へ戻れる
表参道の往復 1,159段を上って下る。公式は山下から石段約20分と案内 一ノ門からの駿河湾。石鳥居から山上までの参道をすべて歩ける 入口と出口が同じ。久能山下のバスで静岡駅方面へ戻る
ロープウェイ+表参道を下る
(今回のルート)
上りはロープウェイを利用。下りだけ1,159段を使う 富士山と駿河湾の眺望に加え、表参道も歩ける 入口と出口が別の場所になる。帰りは久能山下から乗ることになる

今回は3つめを選びました。上りをロープウェイに任せ、参拝を終えてから表参道を下るルートです。下りなので石段そのものはきつくありませんでした。ただし、近代的に整えられた階段ではなく、石を組み合わせて作られた段が続きます。段の高さも幅も一定ではないので、下りでも足元は見ながら歩いたほうがよく、逆にここを上る場合は相応の覚悟が要ります。

「ロープウェイを使えば階段なし」ではありません
山上に着いてからも石段が続く

ロープウェイで久能山駅に着いたあと、楼門をくぐり、御社殿へ、さらに神廟へと上がっていきます。想定の範囲内ではありましたが、階段に抵抗がある人にとっては、ここだけでも相応の負荷になります。久能山東照宮も、御社殿まではスロープ等の設備がなく石段だけであると案内しています。

石段は「組んだ石」でできている

表参道の石段は、コンクリートで均された近代の階段ではありません。石を組み合わせた段が17曲りで続きます。滑りやすい靴は避け、歩き慣れた靴で行ってください。

「日本平ロープウェイ」と書かれた駅舎の入口を駐車場側から見る
ロープウェイから久能山の木々に覆われた山頂部と背後の駿河湾を見る
麓から久能山の斜面と表参道の石段を見上げ、歩いている参拝者が写る

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アクセス|静岡駅・東静岡駅から日本平へ、または久能山下へ

起点はJR静岡駅が標準です。東海道新幹線が停まるので、東京方面からも名古屋・大阪方面からもそのまま入れます。今回はひとつ東側のJR東静岡駅から乗りました。日本平ロープウェイ行きのバスは東静岡駅も経由するため、宿や前後の予定によってはこちらのほうが動きやすいことがあります。

静岡はどのあたり? 東京・京都・大阪からの距離感

静岡は本州の太平洋側、東京と名古屋のほぼ中間にあります。東海道新幹線ひかりでの目安は、東京駅から静岡駅まで営業キロ180.2km・所要約1時間、京都駅からは約1時間20〜30分、新大阪駅からは約2時間です(最速列車のぞみは静岡駅を通過するため、停車するひかり・こだまでの所要時間)。感覚としては「東京〜新大阪のほぼ中間よりやや東京寄り」という位置になります。

駅を探す目印として、JR東海の在来線駅ナンバリングでは静岡駅が「CA-17」です(熱海駅の「CA-00」を起点に、名古屋方面へ向かって番号が増える方式、報道で確認)。隣のJR東静岡駅は「CA-16」とされていますが、これは駅ナンバリング一覧サイトの情報にもとづくもので、報道等での確認はできていません。新幹線の改札自体に番号表示はありませんが、在来線ホームの駅名標で見つけられます。

Access — 久能山東照宮(まとめ)

所在地静岡県静岡市駿河区根古屋390
起点JR静岡駅(東海道新幹線ひかり・こだま停車)。JR東静岡駅も日本平ロープウェイ行きバスの経由駅
北側ルート(ロープウェイ)JR静岡駅からバス(日本平線・41系統)で終点「日本平ロープウェイ」へ約45分、そこからロープウェイ約5分
南側ルート(表参道)JR静岡駅からバス(石田街道線)で「東大谷」へ約40分、14系統に乗り換えて「久能山下」へ約15分。山下から石段は約20分
拝観時間・受付9:00〜17:00、年中無休。受付は終了10分前まで(2026年9月26日確認)
ロープウェイ日本平駅始発9:10/久能山駅最終17:00。往復は大人1,250円(2026年9月26日確認)
運休予定2026年12月1日(火)〜12月21日(月)はロープウェイが運休予定。この期間も表参道の石段から参拝できます
最寄り駅JR静岡駅(北側ルート・南側ルートいずれの起点にもなる)。JR東静岡駅は日本平ロープウェイ行きバスの経由駅
実用的な新幹線駅JR静岡駅(東海道新幹線ひかり・こだま停車)
主要都市からの目安日本平ロープウェイのパンフレットでは、静岡駅まで東京からひかりで約1時間、品川から約50分、名古屋から約1時間、新大阪から約2時間と案内されています。こだま利用時はさらに時間がかかります。列車により所要は変わるため、当日の時刻表で確認してください
北側ルート(ロープウェイ)JR静岡駅から、しずてつジャストライン(静岡鉄道グループが運行する路線バス)の日本平線・41系統で終点「日本平ロープウェイ」下車。久能山東照宮の案内では約45分、そこからロープウェイ約5分。日本平線は東静岡駅も経由します
南側ルート(表参道)JR静岡駅から、同じしずてつジャストラインの路線バス石田街道線で「東大谷」まで約40分、久能山下行きの14系統に乗り換えて約15分。石田街道線は経由地によって系統番号が11・12・14系統など複数に分かれるため、行き先表示で「東大谷」または「久能山下」を確認するのが確実です。久能山東照宮は直通便も複数あると案内しています。山下から石段は約20分の案内
ロープウェイ運行時間日本平駅始発9:10/久能山駅最終17:00(2026年9月26日確認)
ロープウェイ運賃大人(中学生以上)往復1,250円・片道700円/小人(4歳〜小学生)往復630円・片道350円(2026年9月26日確認)
推奨交通手段階段の負担を減らしたい人は日本平からロープウェイ。参道をすべて歩きたい人は久能山下から表参道
現地移動の難易度境内は石段のみ。表参道は17曲り1,159段。久能山東照宮は御社殿までスロープ等の設備がなく、車いすの利用はできないと案内しています
自動車久能山東照宮への直接の乗り入れはできません。北側は日本平山頂の駐車場(久能山東照宮の案内では無料200台)、南側は久能山下の民間駐車場を利用します
注意点ロープウェイは設備更新工事のため2026年12月1日(火)〜12月21日(月)に運休が予定されています。この期間も表参道の石段からは通常どおり参拝できます。荒天時や地震時の運休もあるため、当日の運行情報を確認してください

地図で見る:東静岡駅から日本平ロープウェイへ

JR東静岡駅から日本平ロープウェイまで(公共交通)

東静岡駅南口の屋根付きバス乗り場。日本平方面へ向かう路線の時刻案内を見る人が写る
東静岡駅南口の柱に取り付けられた路線バス案内
日本平ロープウェイの駅に隣接する駐車場と停車中の車

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日本平では、ロープウェイに乗る前に展望側へ寄っておくことをおすすめします。4月上旬は桜が咲いていて、清水港の向こうに富士山がはっきり見えました。同じ日に富士山と駿河湾の両方を見られるのは、この組み合わせならではです。

日本平の展望地から富士山と清水港を望み、手前の木々に春の花が咲く
日本平の桜の枝を前景に、雪をかぶった富士山を縦位置で撮影
日本平の展望地から、駿河湾を背にした木々に覆われた久能山を望む

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料金と所要時間|拝観料・セット券・ルート別の合計はいくらか

拝観料は「社殿」「博物館」「共通」の3種類に分かれています。家康の手回り品や歴代将軍の武具を見たいなら共通券、建築と神廟だけでよければ社殿券、という選び方になります。ロープウェイを使うなら、往復乗車券と拝観券がまとまったセット券もあります。ただし区分によって割引額が違い、金額の差がまったくない組み合わせもあるので、下で計算しました。

券種大人備考
拝観料:社殿700円小・中学生300円
拝観料:博物館600円小・中学生300円
拝観料:共通券(社殿+博物館)1,200円小・中学生500円
ロープウェイ往復1,250円小人(4歳〜小学生)630円。片道は大人700円・小人350円
2点セット券(往復乗車券+社殿)1,950円別々に買っても同額
3点セット券(往復乗車券+社殿+博物館)2,300円別々に買うより150円安い
静鉄バスのセット券(バス往復+ロープウェイ往復+共通券)3,000円小人1,450円。静岡駅前・新静岡発着

2026年9月26日確認。中学生・小学生の料金は、下の「区分別の料金一覧」にあります。

セット券は実際にいくら得か、ルート別の合計はいくらか

先に結論を書きます。2点セット券は、ロープウェイ往復券と社殿拝観券を別々に買った場合とまったく同額です。金額の差はなく、窓口で買う回数が1回で済むという違いだけです。一方、博物館まで見るなら3点セット券のほうが安くなります。大人で150円の差です。

東静岡駅から出発した場合の、大人1人の合計は次のとおりです(バス代込み)。

回り方(大人1人)合計
東静岡駅からロープウェイで往復(社殿のみ)3,090円
東静岡駅からロープウェイで往復(博物館も見る)3,440円
ロープウェイで上がり表参道を下る(社殿のみ・今回のルート)2,620円
ロープウェイで上がり表参道を下る(博物館も見る)3,120円

起点はJR東静岡駅。静岡駅発の場合は、バス代が往復で280円高くなります。内訳は下の「バス運賃と、回り方ごとの合計の内訳」にあります。

所要時間の目安は、表参道を上って博物館まで見る場合でおよそ1時間半〜2時間です。私は写真を撮りながら回り、ロープウェイで久能山に着いてから表参道を下りきるまで約2時間15分かかりました。最終受付は16時50分です。

区分社殿博物館共通
大人(高校生以上)700円600円1,200円
小人(小・中学生)300円300円500円

個人の拝観料。2026年9月26日に久能山東照宮の公式案内で確認。団体(15名以上)と障害者手帳をお持ちの方の料金は別に設定されています。

ロープウェイのセット券大人中学生小学生
2点セット券(往復乗車券+社殿拝観)1,950円1,550円930円
3点セット券(往復乗車券+社殿拝観+博物館)2,300円1,700円1,100円

日本平ロープウェイの案内による。2026年9月26日確認。表参道を下って片道だけロープウェイを使う場合は、往復前提のセット券が合わないことがあります。

区分 セット券 別々に買った場合 差額
2点セット券・大人1,950円1,950円(往復1,250円+社殿700円)差なし
2点セット券・中学生1,550円1,550円(往復1,250円+社殿300円)差なし
2点セット券・小学生930円930円(往復630円+社殿300円)差なし
3点セット券・大人2,300円2,450円(往復1,250円+共通1,200円)150円お得
3点セット券・中学生1,700円1,750円(往復1,250円+共通500円)50円お得
3点セット券・小学生1,100円1,130円(往復630円+共通500円)30円お得

日本平ロープウェイと久能山東照宮の公式案内に掲載された金額から計算。2026年9月26日確認。ロープウェイの運賃区分は中学生以上が大人、拝観料の区分は高校生以上が大人・小中学生が小人のため、中学生はロープウェイが大人料金・拝観料が小人料金になります。

ただし、ロープウェイを往復で使うなら、もっと安い買い方があります。静鉄バスが「静鉄バス(日本平線)+日本平ロープウェイ+久能山東照宮セット券」を売っていて、これが大人3,000円・小人1,450円です。内容は、静岡駅前・新静岡と日本平ロープウェイのあいだのバス往復、ロープウェイ往復、そして社殿と博物館の共通拝観券の3点です(静鉄バスの案内、2026年9月26日確認)。

静岡駅発・ロープウェイ往復・博物館まで見る場合(大人1人) 内訳 合計
静鉄バスのセット券 バス往復+ロープウェイ往復+共通拝観券がすべて込み 3,000円
ロープウェイの3点セット券+バス運賃 バス往復1,420円+3点セット券2,300円 3,720円
すべて個別に購入 バス往復1,420円+ロープウェイ往復1,250円+共通1,200円 3,870円

静鉄バス・日本平ロープウェイ・久能山東照宮の各公式案内の金額から計算。2026年9月26日確認。

個別に買うより870円、ロープウェイの3点セット券より720円安くなります。しかもこのセット券は3,000円で博物館まで含むので、社殿だけを見るつもりで個別に買った場合の合計3,370円より安いという逆転が起きています。静岡駅から往復するなら、まずこれを検討してください。発売は新静岡バス案内所と静岡駅前案内所の窓口のほか、RYDE PASSのデジタルチケットでも購入できると案内されています。利用日を指定した1日限りの有効期間です。

注意点は、このセット券のバス区間が静岡駅前・新静岡と日本平ロープウェイのあいだであることです。今回のようにJR東静岡駅から乗る場合や、表参道を下って海側のバス停から帰る場合は、復路が対象外になるため、素直に個別で買ったほうが安く収まります。

バス運賃も足すと、久能山東照宮の参拝にかかる金額が見えてきます。2026年4月3日の訪問時に支払った運賃は次のとおりでした。運賃は改定されることがあるので、当日の金額はしずてつジャストラインの案内で確認してください。

バス区間(片道)運賃
JR東静岡駅 → 日本平ロープウェイ570円
JR静岡駅 → 日本平ロープウェイ710円
久能局前(表参道を下りた海側) → JR静岡駅650円

2026年4月3日の訪問時に確認した金額。東静岡駅発のほうが静岡駅発より片道140円、往復では280円安くなります。

この運賃をもとに、大人1人ぶんの合計を2つの回り方で計算すると次のようになります。

回り方(大人1人) 内訳 合計
東静岡駅からロープウェイで往復(社殿のみ) バス往復1,140円+2点セット券1,950円 3,090円
東静岡駅からロープウェイで往復(博物館も見る) バス往復1,140円+3点セット券2,300円 3,440円
ロープウェイで上がり表参道を下る(社殿のみ)
(今回のルート)
バス570円+ロープウェイ片道700円+社殿700円+帰りのバス650円 2,620円
ロープウェイで上がり表参道を下る(博物館も見る) バス570円+ロープウェイ片道700円+共通1,200円+帰りのバス650円 3,120円

起点はJR東静岡駅。静岡駅発の場合はバス代が往復280円高くなります。

ロープウェイで上がって表参道を下りる回り方は、社殿のみなら470円、博物館まで見る場合は320円安くなります。帰りのバス停が日本平側ではなく海側になるかわりに、1,159段の石段も歩けるという計算です。ただし下りとはいえ段差の高さが揃わない石段を1,159段下ることになるので、金額だけで決める話ではありません。

片道だけロープウェイに乗るなら、セット券は買わない
セット券は往復乗車券が前提

2点セット券(大人1,950円)を買って片道しか乗らないと、ロープウェイ片道700円+社殿700円=1,400円で済むところを550円多く払うことになります。3点セット券(大人2,300円)でも、片道700円+共通1,200円=1,900円に対して400円の払い過ぎです。

窓口が分かれている

ロープウェイの乗車券とセット券は日本平のロープウェイ駅で、拝観券は山上の拝観受付で買います。セット券を使う場合は、久能山東照宮の社務所受付でセット券にスタンプを押してもらう手続きがあると日本平ロープウェイは案内しています。

所要時間は、久能山東照宮の案内が区間ごとに示しています。山下の石鳥居から社務所まで約30分、社務所から御社殿まで約10分、御社殿から神廟まで約5分、博物館は30〜40分。これを足すと、表参道を上って博物館まで見る場合はおよそ1時間半から2時間が目安になります。

参道入口近くに置かれた久能山東照宮の境内案内図。石段や社殿の配置を示す
表参道の入口近くに置かれた境内案内図。石段と社殿・神廟・博物館の位置関係が分かるので、区間ごとの所要時間と合わせて見ておくと回り方を決めやすい。

実際の滞在は、写真を撮りながら回ったこともあって、ロープウェイで久能山に着いてから表参道を下りきるまでに約2時間15分かかりました。うち博物館の見学が約20分です。彫刻を一つずつ見ていくと時間はいくらでも伸びるので、最終受付が16時50分であることだけは頭に入れておいてください。

久能山東照宮の拝観受付の屋内カウンターと「御拝受付」の表示(人物を加工した画像)
拝観受付。ここで社殿券・博物館券・共通券を選ぶ。博物館の入口は受付のすぐ近くにある。
☕ このサイトは実地取材で制作しています。記事が参考になった方は、サポートいただけると励みになります。

徳川家康はなぜ久能山に葬られたのか|1616年の遺命と1617年の御社殿

徳川家康は天文11年(1542)12月26日に三河の岡崎城で生まれ、元和2年(1616)4月17日に75歳で亡くなりました。久能山東照宮の案内によれば、家康は遺命により、その夜のうちに久能山へ葬られています。国内の広い範囲を移動して人生を送った人物が、最後に自分の体を置く場所として指定したのがこの山でした。

御社殿の造営は1616年5月に始まり、1617年12月までの約1年7か月で完成しました。設計と施工にあたったのは、江戸幕府の大工頭を務めた中井正清です。家康を「東照大権現」として祀るこの形式は権現造と呼ばれ、久能山東照宮は、これがその後全国に数多く創建された東照宮の原型になったと説明しています。

家康は3つの場所を名指しで指示していました。久能山東照宮が配布する案内によれば、金地院崇伝の『本光国師日記』には、元和2年(1616)に家康が「遺体は駿河の久能山に葬ること」「葬礼は江戸の増上寺で行うこと」「一周忌を過ぎたのち、下野の日光山に小堂を建てて祀り、関八州の鎮守とすること」を遺言したと伝わるとあります。久能山・増上寺・日光という役割分担は、はじめから設計されていたことになります。

ここで、資料によって説明が分かれる点があります。久能山東照宮は現在も、家康の遺骸が埋葬された場所に神廟が立つと説明しています。一方で、江戸東京博物館のレファレンス事例では、1617年に家康の霊柩が久能山から日光山へ移されたとする文献が紹介されています。どちらの資料も共通して伝えているのは、1616年に久能山に葬られたこと、そして翌1617年に日光への遷座が行われたことです。この記事はそこまでを事実として書きます。

徳川家康像と「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし」の文を載せた東照宮遺訓の案内板
久能山東照宮の神廟近くに設置された「金の成る木」についての白い解説板
久能山東照宮の石灯籠に刻まれた三つ葉葵の紋

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神廟のそばには「金の成る木」と呼ばれる大きな楠があります。久能山東照宮の案内によれば、家康が家臣に「よろず程のよき」「慈悲ふかき」「志やうぢき」という三本の幹を描いて見せ、これを常に信じれば必ず富貴が得られると語ったという遺訓に由来するものです。参道の解説板を読んでから木を見上げると、この逸話を実感を持って眺められます。

久能山は東照宮以前に寺であり城だった|久能寺→久能城→東照宮

久能山東照宮が建つ前、この山には久能寺、久能城という異なる時代の歴史があります。訪問前に知っておくと、境内に残る石垣が久能城時代の歴史と結び付いていることが分かります。

久能寺の時代

久能山東照宮の案内によれば、久能山の歴史は7世紀初頭に久能忠仁が堂宇を建て「補陀落山久能寺」と称したことに始まります。平安時代末から鎌倉初期にかけて興隆し、大寺院になったと伝えられています。

久能城の時代

永禄11年(1568)、駿河に侵攻した武田信玄は、この山が要害であることから久能寺を近くの北矢部(現在の鉄舟寺)へ移し、城砦を築いて久能城と称しました。神社の境内に城郭のような石垣が残るのは、久能城時代の遺構が残るためです。

東照宮の時代

武田家が滅び駿河が徳川家のものとなると、久能山も徳川家に帰しました。久能山東照宮の案内は、家康が「久能山は駿府城の本丸と常に思召す」と榊原照久に語ったと伝わると記しています。1616年の埋葬を経て、この山は東照宮になりました。

久能山には、通常は立ち入れない禁足地があります。報道によれば、この区域には末社の愛宕神社のほか、久能城時代の土塁や堀が手つかずで残っているとされ、400年にわたって一般公開されてこなかったと紹介されています。また、とある資料によると織田信長と徳川家康が歩いたとされる道が今も残っていると報じられており、現在は神職が使う道になっているといいます。近年はJR東海の企画による期間限定の特別拝観が実施されたことが報じられていますが、常時入れる場所ではありません。実施の有無や条件は時期によって変わるため、関心がある場合は久能山東照宮やJR東海の最新の案内を確認してください(2026年9月26日時点)。

久能山には「勘助井戸」と呼ばれる井戸が知られています。ただし、武田氏の軍師として伝えられる山本勘助が自ら掘ったという由来については、久能山東照宮の主要な案内では確認できませんでした。地元の呼び名として紹介するにとどめます。

「久能寺」の見出しと千手観音像の写真が載った、日本平の歴史解説パネル
史跡久能山の歴史と遺構、地形図を掲載した大きな解説板
久能山東照宮の社殿の近くに立つ、久能山の史跡と遺構を解説した茶色の案内板
久能山の斜面にある石垣を上から見下ろし、背後の施設と木々を写す
久能山の山上に続く石垣を、ロープウェイ駅付近の高い場所から見下ろす
高い石垣と転落防止柵に沿って続く久能山の石段

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久能山と日光東照宮の関係|「最初の東照宮」と、翌年の日光

久能山と日光は、どちらが本物かという関係ではありません。順番と役割が違います。1616年に家康が亡くなり、遺命によって久能山に葬られ、翌1617年に日光への遷座が行われました。久能山東照宮は自らを全国の東照宮の創祀と位置づけ、権現造の御社殿がその原型になったと説明しています。

今の日光東照宮で多くの人が見上げる陽明門や、びっしりと彫刻で覆われた社殿群は、1636年の寛永の大造替によって整えられたものです。つまり、1617年の日光の初創と、1636年の大造替は別の出来事です。日光の1617年と1636年のどちらを起点にするかで答えが変わるため、「久能山は日光より何年古い」という数え方はしません。見るべきなのは年数の差ではなく、久能山の権現造という形式が先にあり、それが広がっていったという流れのほうです。

久能山東照宮の案内には、東照宮をめぐる三本のラインという図が載っています。御前崎から久能山東照宮、富士山、世良田東照宮を経て日光東照宮へ至る線、久能山東照宮から駿府城、鳳来山東照宮、岡崎城を経て京都へ至る線、そして江戸城から日光東照宮を経て北極星へ向かう線です。家康ゆかりの地が、意図をもって配置されていると考えられてきたことを示す図で、境内で実物を見ると、久能山が起点の側に置かれていることがよく分かります。

日光側をすでに歩いた人、あるいはこれから歩く人向けに、当サイトの日光東照宮の記事もあわせてご覧ください。日光東照宮を歩いてわかった家康神格化の構造は、久能山で見た「神として祀る」という発想が、日光でどのように拡張されたのかをたどった記事です。実際の回り方は日光東照宮をはじめて回る人のための攻略ガイドにまとめています。

現地に残るもの|見落としたくない8か所

ここからは、ロープウェイで上がって表参道を下るという、今回の順路に沿って紹介します。それぞれのカードを開くと、その場所の写真と補足、所要時間の目安をまとめてあります。現存する建物なのか、跡地なのかも一緒に示しました。

重要文化財現存

楼門(勅額御門)🎥 360°

「東照大権現」の扁額を掲げる、境内の正面

境内側から見た朱塗りの二層の楼門。門の下を人が歩いて出てくる
境内側から見た楼門。ロープウェイ側から入っても表参道から上っても、ここが境内の正面になる。

朱塗りの二層の門で、境内の入口にあたります。石段を上りきったところで急に視界が開け、正面に現れるので、最初に足が止まる場所でもあります。

上層に掲げられた「東照大権現」の扁額について、久能山東照宮の案内は、後水尾天皇が自ら命名して書かれたものであり、そのため勅額御門とも呼ばれると説明しています。門に近づくと、軒下の組物が朱・青・緑・金で塗り分けられているのが分かります。柱間には彩色された狛犬と獅子が納められていて、ここだけでも数分は使います。

ここで見ておきたいもの

  • 上層の「東照大権現」の扁額
  • 軒下の彩色された組物と獏の彫刻
  • 正面に掛かる大きな注連縄
  • 柱間に納められた狛犬と獅子の像
  • 境内側から見た二層の屋根(銅瓦葺き)
木々の間を上る石段の先に、朱塗りの久能山東照宮楼門が見える
楼門の上層にある「東照大権現」の扁額を近くから撮影
久能山東照宮の楼門に掲げられた大きな注連縄と、上部の彩色彫刻
楼門の軒の下を見上げ、朱色の梁と青・緑の組物を写す
朱塗りの楼門の中で、金色と青色に彩られた狛犬像を近くから撮影
久能山東照宮楼門の柱間に納められた金色の獅子像

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🎥 360° パノラマ 楼門前の石段

所要時間の目安

彫刻と扁額を見上げながらで、10分前後です。境内側へ抜けてから振り返ると屋根の形がよく見えます。

現況現存(重要文化財)
見どころ扁額、彩色の組物、注連縄、狛犬と獅子
足元石段。手すりのある区間あり

久能山東照宮の案内によれば、この扁額に書かれた「東照大権現」は、家康の神としての名前です。門の名前が示すとおり、ここから先が神域という切り替えの装置になっています。

重要文化財現存

神厩

白い神馬の木像が納められた小さな建物

久能山東照宮の神厩内に納められた白い神馬の木像と注連縄
神厩に納められた白い神馬の木像。楼門を抜けて参道を進むとすぐ右手にある。

楼門を抜けて少し進んだところにある、小ぶりな建物です。中をのぞくと白い神馬の木像が納められていて、注連縄が掛けられています。建物自体は重要文化財として案内されています。

参道の脇に控えめに建っているので、御社殿を目指して歩いていると通り過ぎてしまいがちです。案内板が出ているので、それを目印にすると見つけやすくなります。

ここで見ておきたいもの

  • 白い神馬の木像と、掛けられた注連縄
  • 「神厩」「重要文化財」と記された案内板
  • 参道脇に並ぶ木立と、境内の小さな社
久能山東照宮神厩の中に安置された白い神馬の木像を間近から写す
「神厩」「重要文化財」と書かれた久能山東照宮の案内板
久能山東照宮の木立の中に置かれた「家康梅」と記した樹名板と説明札

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所要時間の目安

立ち止まって中を見るだけなら3分ほどです。

現況現存(重要文化財)
中に見えるもの白い神馬の木像
見落とし対策参道右手の案内板を目印にする
重要文化財現存

鼓楼

石垣の上に建つ、朱塗りの二層

石段や石灯籠を手前に、石垣上の朱塗りの鼓楼を撮影(人物を加工した画像)
石垣の上に建つ鼓楼。御社殿へ上がる石段の途中で見上げる位置にある。

御社殿へ向かう石段の脇、一段高い石垣の上に建っています。朱塗りの二層で、見上げる角度になるため写真では奥行きが出にくいのですが、実際に立つと石垣の高さが加わって堂々とした印象になります。

周囲には石灯籠が並び、ソテツが茂っています。境内のこのあたりは平地の神社とは植生が違い、海に面した山の上であることを思い出させます。

ここで見ておきたいもの

  • 石垣の上に据えられた二層の構成
  • 石灯籠が並ぶ石段からの見上げ
  • 周囲に茂るソテツ
久能山東照宮の境内で、石垣の上に建つ朱色の二層の鼓楼(人物を加工した画像)

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所要時間の目安

石段の途中で見上げて撮るだけなら5分ほどです。

現況現存(重要文化財)
位置御社殿へ上がる石段の脇、石垣の上
撮影のコツ石灯籠を手前に入れると高さが伝わる
重要文化財境内社

日枝神社

神仏分離の歴史が形に残る境内社

朱色の壁と長い屋根を持つ日枝神社を、境内の木々越しに撮影
御社殿の手前に建つ日枝神社。久能山東照宮の境内案内で重要文化財として説明されている。

御社殿の手前、参道から少し外れた位置に建つ境内社です。朱色の壁に横長の屋根が載る落ち着いた建物で、正面の賽銭箱には三つ葉葵の紋が入っています。

久能山には東照宮の前に久能寺という寺がありました。境内にこうした社が残っていることは、明治の神仏分離を挟んで、この山の信仰の形が何度か書き換えられてきたことを示しています。御社殿の派手さに目を奪われて素通りしがちですが、東照宮以前から続く久能山の歴史を知るうえでも、日枝神社は見ておきたい建物です。

ここで見ておきたいもの

  • 朱色の壁と銅色の屋根の組み合わせ
  • 三つ葉葵の紋が入った賽銭箱
  • 「日枝神社」「重要文化財」と記された案内板
  • 高い位置から見下ろす側面と屋根
久能山東照宮境内の日枝神社の社殿。朱色の壁と銅色の屋根が見える
久能山東照宮の日枝神社の正面と、三つ葉葵の紋がある賽銭箱
「日枝神社」「重要文化財」と記された案内板
境内の高い場所から日枝神社の朱塗りの側面と屋根を撮影

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所要時間の目安

案内板を読んで参拝して5分ほどです。

現況現存(重要文化財)
位置御社殿の手前、参道からやや外れた位置
見落とし対策御社殿へ直行せず、案内板を探して一度足を止める
国宝最重要現存

御社殿(本殿・石の間・拝殿)🎥 360°

1617年完成。全国の東照宮の原型になった権現造

久能山東照宮の国宝社殿の拝殿。黒い扉と色鮮やかな軒下装飾が並ぶ正面の眺め
国宝・御社殿の拝殿正面。本殿と拝殿を床の低い「石の間」でつなぐ複合社殿で、この形式が権現造と呼ばれる。

久能山東照宮の中心です。久能山東照宮の案内によれば、本殿と拝殿を床の低い「石の間」でつなぐ形式の複合社殿で、総漆塗りに彫刻と錺金具を組み合わせて仕上げられています。家康を「東照大権現」と称することから権現造と呼ばれ、その後全国に建てられた東照宮の原型になったとされています。2010年12月に国宝に指定されました。

実際に立つと、正面の間口はそれほど広くありません。そのぶん柵のすぐ外まで近づけるので、軒下の組物や扉の彫刻を一つずつ見上げていけます。黒漆の建具に彩色の人物像が入り、その上に朱と青と金の組物が重なる。2026年4月3日の訪問では、柵の近くから軒下の組物や扉の彫刻まで細かく見ることができました。

もうひとつ、ここで知っておきたいのが御祭神です。久能山東照宮のご由緒によれば、主祭神は徳川家康公ですが、相殿神として豊臣秀吉公と織田信長公が祀られています。戦国の三人が同じ社殿に並んでいるわけで、家康だけを祀る場所だと思って来ると意外に思うかもしれません。

ここで見ておきたいもの

  • 拝殿正面の黒漆の扉と、その上の極彩色の彫刻
  • 張り出した軒を支える、彩色された組物
  • 黒い建具に描かれた人物像と動物図
  • 屋根の破風と、軒先に並ぶ金色の三つ葉葵
  • 社殿を囲む朱塗りの玉垣と、唐破風の小門
久能山東照宮の拝殿の軒を斜め下から写し、色鮮やかな組物と屋根の縁を見せる
黒漆の建具に人物像が描かれ、軒下が色鮮やかに彩られた久能山東照宮の社殿
久能山東照宮の国宝社殿を斜めから望む。黒い建具と朱色の高欄、彫刻が見える
久能山東照宮の社殿で、人物像を描いた黒い建具と赤い高欄
久能山東照宮の社殿の軒下に並ぶ葵の紋。建物を完成させないという意図で、一つだけ逆さに付けられた三つ葉葵がある
青空を背景に、久能山東照宮社殿の屋根の端と葵の紋を見上げた写真
久能山東照宮の社殿の板に施された、花と動物の多色の透かし彫り
社殿を囲む朱塗りの垣と唐破風の小門。背後に樹木と石垣が見える
楼門を過ぎた参道から、鳥居と石段の奥に見える朱色の社殿

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🎥 360° パノラマ 御社殿前の境内

所要時間の目安

参拝して彫刻を一周見るだけで20分から30分。細部を追い始めると、ここだけで1時間近く使えます。

現況現存(国宝・2010年12月指定)
御祭神主祭神:徳川家康公/相殿神:豊臣秀吉公・織田信長公(久能山東照宮のご由緒による)
国宝の範囲本殿・石の間・拝殿からなる御社殿
完成1616年5月着工、1617年12月完成(約1年7か月)
手がけた人物幕府の大工頭・中井正清

久能山東照宮の案内は、社殿の屋根にある葵の紋のうちに「逆さ」になっているものがあり、これは建物が未完成であることを表して、さらなる発展への願いが込められていると言われている、と紹介しています。また拝殿・幣殿部には「甕割りの彫刻」があり、中国の故事にちなんで、水甕に落ちた友を救うために高価な甕を割った少年の話から「命の大切さ」を表しているとされています。どちらも見上げる位置にあるので、探すつもりで来ないと気づきません。

家康の墓所現存

廟所参道と神廟🎥 360°

石灯籠の並ぶ坂を上りきった先の、石造宝塔

久能山東照宮の神廟。家康の墓所にある石造宝塔と周囲の石灯籠(人物を加工した画像)
神廟の石造宝塔。久能山東照宮は、家康の遺骸が埋葬された場所に立つ廟であると説明している。

御社殿の脇から、石灯籠が両側に並ぶ廟所参道が続きます。距離は長くありませんが上り坂で、御社殿を離れると木立の中の参道となり、両側に石灯籠が並びます。久能山東照宮の案内では、御社殿から神廟まで約5分です。

上りきった先にあるのが神廟です。久能山東照宮によれば、元和2年(1616)の創建当初は木造・檜皮葺の宝塔でしたが、寛永17年(1640)に3代将軍徳川家光によって現在の石造宝塔へ造り替えられました。高さは5.5m、外廻りは約8mです。宝塔は家康の遺命により西を向いており、その西方には鳳来寺、大樹寺、家康生誕の地である岡崎城があり、その延長は京の都へ続くと久能山東照宮は説明しています。西向きである理由を知ると、宝塔の先に続く方角にも目が向きます。

ここで見ておきたいもの

  • 両側に石灯籠が並ぶ廟所参道
  • 石造宝塔と、その向いている方角
  • 神廟のそばの大楠(「金の成る木」)
  • 神廟の脇に立つ解説板
  • 宝塔前の石灯籠に施された彫刻
久能山東照宮の神廟の脇に立つ、「金の成る木」と呼ばれる大きな楠の幹
久能山東照宮の廟所参道を低い位置から撮影。左右の石灯籠の間に石段が続く
手前の灯籠越しに久能山東照宮の神廟の石造宝塔を見る(人物を加工した画像)
久能山東照宮の神廟周辺。苔むした石垣の前に立つ注意表示と柵
石造宝塔に面した神廟の広場。石灯籠と大きく枝を広げた木が見える
徳川家康の神廟の脇に立つ、神廟についての解説板

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🎥 360° パノラマ 神廟前の広場

所要時間の目安

御社殿から往復して、解説板を読む時間を含めて20分ほどです。

現況現存(石造宝塔)
規模高さ5.5m、外廻り約8m(久能山東照宮の案内による)
建立3代将軍・徳川家光による
向き西向き。岡崎・大坂の方向を望むとされる
道のり御社殿から約5分の上り坂

家康の遺骸が最終的にどこにあるのかについては、資料によって説明が食い違います。久能山東照宮は現在も、家康の遺骸が埋葬された場所に神廟が立つと説明しています。一方、江戸東京博物館のレファレンス事例では、1617年に霊柩が久能山から日光山へ移されたとする文献が紹介されています。確かなのは、1616年に久能山へ葬られ、翌年に日光への遷座が行われたことです。この記事はそこまでを事実として書き、現在どこにあるのかは言い切りません。

跡地

五重塔跡

建物が無いぶん、いちばん見落としやすい場所

久能山東照宮の境内で、石灯籠の間を上る石段沿いに茂るソテツ
石灯籠の間を上る石段沿いのソテツ。五重塔跡はこのあたりの茂みの中にあり、石段を上りながらだと素通りしやすい。

久能山東照宮の境内案内によれば、五重塔は1635年に着工して翌1636年に完成し、明治の神仏分離のときに撤去されました。今は礎などが残るのみで、建物はありません。

ここが、現地でいちばん見落としやすい場所だと感じました。跡地にはソテツが植えられていて、緑の茂みに見えてしまうためです。御社殿へ向かう気持ちで石段を上っていると、そのまま通り過ぎます。案内表示を探しながら歩くと、位置を確認できます。

ここで見ておきたいもの

  • 跡地に植えられたソテツの茂み
  • 周囲に立つ案内板と石灯籠
  • 現存する建物と「跡」の違いを境内で見比べること
久能山東照宮の案内板の近くに生えるソテツの葉を大きく写した
久能山東照宮の境内に茂るソテツと、手前の石灯籠
久能山東照宮の境内で、両側にソテツと石灯籠が並ぶ石段
久能山東照宮境内のソテツの葉と、その間に設置された白い案内板

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所要時間の目安

位置を確認して立ち止まるだけなら5分ほどです。

現況建物は現存しない(跡地・礎などが残る)
建立と撤去1635年着工・1636年完成。神仏分離の際に撤去
見落とし対策ソテツの茂みと案内表示を目印にする

五重塔があったということは、久能山東照宮がかつて神仏習合の姿をしていたことを意味します。日枝神社が境内に残っていることと合わせて読むと、この山の信仰が久能寺の時代から明治まで、何度も形を変えてきたことが一つの場所で確認できます。

史跡 久能山見学自由

表参道・一ノ門・山下の石鳥居

17曲り1,159段。ロープウェイ開通前は唯一の参拝路だった

表参道上部の一ノ門を通して、駿河湾と久能の街並みを見下ろす
表参道上部の一ノ門。門の開口が額縁になり、駿河湾と久能の集落が切り取られる。

久能山東照宮の案内によれば、山下の石鳥居から本殿前まで17曲り、1,159段あります。日本平ロープウェイが開通するまでは、この表参道が唯一の参拝路でした。昔の人は「いちいちごくろうさん」と洒落を言いながら登ったという話も、久能山東照宮の案内に紹介されています。

この日、いちばん印象に残った眺めは一ノ門からの駿河湾でした。門の四角い開口がそのまま額縁になり、海と海岸線が切り取られます。下りながら何度も振り返ることになる場所です。石段そのものは、下りだけならきつくはありません。ただし段は石を組み合わせて作られていて高さが揃わないので、足元を見ながら下りてください。上る場合は、公式の案内でも山下から約20分とされていますが、体感としては相応の負荷になります。

ここで見ておきたいもの

  • 一ノ門の開口から見える駿河湾
  • 石を組み合わせて作られた段と、17曲りの折り返し
  • 石垣に沿って続く長い石段
  • 春は参道沿いに咲く桜
  • 山下の石鳥居と「別格官幣社東照宮」の社号標
  • 途中で分かれる久能梅林への道
石垣と木製の手すりが続く久能山東照宮の表参道
桜が咲く久能山の表参道で、長い石垣と石段を写す
久能山の山上から、麓の街並みと駿河湾を広く望む
久能山東照宮の山麓に立つ石鳥居を正面から写した
久能山東照宮の山下の石鳥居と、参道脇の社号標
久能山の表参道にある久能梅林への案内板。石段から梅林へ続く道が分かれる
久能山の岩場に沿って延びる表参道と、斜面に茂る木々

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所要時間の目安

今回は、写真を撮りながら下って約30分でした。久能山東照宮は山下から石段を約20分と案内しています。上る場合は、石鳥居から社務所まで約30分という区間案内のほうが実感に近いと思います。

現況現存(史跡「久能山」の一部)
規模17曲り・1,159段(山下石鳥居から本殿前まで)
足元石を組み合わせた段。高さと幅が一定ではない
注意下りでも足元を見ながら。上りは時間に余裕を持つ
ロープウェイ運休時2026年12月1日〜21日の運休期間も、この表参道からは参拝できる

石鳥居のそばには「別格官幣社東照宮」と刻まれた社号標が立っています。別格官幣社は明治の社格制度による区分で、この石標自体が、久能山が近代に国家の制度のなかへ位置づけ直されたことを示す物証になっています。麓まで下りたらぜひ見てください。

久能山東照宮博物館|家康の実物資料と、撮影禁止の注意点

拝観受付のすぐ近くに博物館があります。久能山東照宮博物館の案内によれば、収蔵資料の総数は2,000点を超え、家康の日常品(手沢品)がまとまっていること、徳川歴代将軍の武器・武具が充実していることが特徴です。建築を見に来た人も、家康の手沢品や歴代将軍の武具まで見ておくと理解が深まります。

緑と桜を前景に、三つ葉葵の紋を掲げる久能山東照宮博物館の建物
久能山東照宮博物館。外壁の上部に大きな三つ葉葵の紋が掲げられている。館内は撮影禁止のため、写真は外観のみ。

2026年4月の訪問では、滞在は20分ほどでした。もっとも印象に残ったのは、金色の具足の実物です。大河ドラマ『どうする家康』で、家康が身に着けて登場した金色の甲冑を覚えている人も多いでしょう。あの具足は「金陀美具足」として紹介されており、これを所蔵しているのが久能山東照宮です。久能山東照宮博物館の案内でも、家康所用の金陀美具足を含む甲冑類が収蔵されていると紹介されています。ただし展示替えがあるため、訪問日にどの資料が展示されていたかまでは確認できていません。館内は撮影禁止のため写真はなく、最新の展示内容は行く前に公式サイトで確認してください。

博物館を見るなら、先に押さえておきたい3点
館内はすべて撮影禁止

久能山東照宮博物館は「館内は全て撮影禁止です」と案内しています。記録を残したい場合は、展示リストや図録を確認するかたちになります。

2026年12月1日から設備工事で休館予定

館内設備工事のため、2026年12月1日から12月21日まで休館が予定されています(2026年9月26日確認)。同じ期間は日本平ロープウェイも運休予定です。

入館は16時45分まで

開館は9:00〜17:00で、最終入館は16:45です。社殿の受付も17:00の10分前までなので、夕方に着く場合は博物館を先に見るか、どちらかに絞る判断が必要になります。

久能山東照宮博物館へ上がる階段と、建物前の館名を示す看板
久能山東照宮の拝観受付と、奥へ続く通路
咲いた桜の枝の向こうに、久能山東照宮博物館の外壁と葵の紋が見える

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御朱印|杉でできた「金の成る木」の朱印紙と、JR東海コラボの特別御朱印

久能山東照宮の御朱印は、社務所の参拝受付で受けられます。久能山東照宮の案内によれば、通常の御朱印は初穂料500円で御朱印帳への直書き、受付は午前9時から午後5時までです(2026年9月26日確認)。

目を引くのは、木でできた御朱印があることです。「金の成る木」の御朱印で、久能山東照宮は杉の木を利用した朱印紙で杉の香りも感じられると案内しています。初穂料は1,000円。紙ではなく木そのものなので、御朱印帳への直書きはできず、朱印紙のみの頒布になります。神廟のそばに立つ「金の成る木」と呼ばれる大きな楠、そして家康の遺訓にちなんだもので、廟所参道を歩いてから受けると意味がつながります。

久能山東照宮の「金の成る木」の御朱印。杉の木を用いた木製の朱印紙
「金の成る木」の御朱印。杉の木を使った朱印紙で、御朱印帳に直書きするのではなく、この一枚を受けるかたちになる。

もうひとつが、JR東海の商品とセットになった特別御朱印です。JR東海の案内では、新幹線をあしらった特別デザインの御守と、家康ゆかりの「一富士二鷹三茄子」をあしらった特別御朱印が、社殿と博物館の共通入館券とセットになって販売されています。「EX旅先予約」で事前に予約しておく仕組みで、現地でふらりと受けられるものではありません。内容や実施期間は変わるため、行く前にJR東海の最新の案内を確認してください(2026年9月26日時点)。

久能山東照宮とJR東海のコラボによる特別御朱印
JR東海の商品とセットで授与される特別御朱印。事前予約が前提のため、通常の参拝とは受け方が違う。
御朱印を目当てに行くなら
受付時間は拝観と同じ

社務所参拝受付で午前9時から午後5時まで。拝観の受付も終了10分前までなので、夕方に着く場合は御朱印と博物館のどちらを優先するか、先に決めておくことをお勧めします。

特別御朱印は当日その場では受けられない

JR東海とのコラボ御朱印は事前予約が前提の商品です。久能山に着いてから申し込めるものではないので、これが目的なら出発前に手配してください。

参拝の前後に:静岡で1日を組むなら

久能山東照宮の参拝は、半日あれば収まります。残りの時間の使い方として、この日に実際に組み合わせた行き先を3つ書いておきます。ひとつはロープウェイに乗る前に寄れる小さな祠、残り2つは歴史とは関係のない、静岡ならではの寄り道です。

日本平ホテル東照宮(分霊)。日本平ロープウェイ行きのバスを1つ手前の「日本平ホテル」バス停で降り、庭園にある小さな祠を見てから、あらためて次のバスでロープウェイ駅へ向かいました。

炭焼きレストランさわやか 新静岡セノバ店。2026年4月3日の訪問時に利用しました。静岡駅に近い商業施設に入っていて、混んでいたため、まず整理券を取り、待ち時間のあいだに駿府城公園を見学して戻りました。同じ静岡市内で家康ゆかりの場所を追うなら、この待ち時間の使い方は相性がいいと思います。

サウナしきじ。久能山下から路線バスを1回乗り継いで向かいました。1,159段を下りたあとにそのまま立ち寄りました。

現存

日本平ホテル東照宮(分霊)🎥 360°

ロープウェイ乗り場の一つ手前、日本平ホテルの庭園にある小さな社殿

日本平ホテルの芝生公園から日本平ホテル東照宮の社殿へ続く砂利敷きの小径
日本平ホテルの庭園(芝生公園)の東端へ続く小径。この先に小さな社殿が建っている。

日本平ロープウェイ行きのバス(日本平線・41系統)は、終点の一つ手前に「日本平ホテル」という停留所があります。ここで降りて日本平ホテルの庭園(芝生公園)に入ると、東端に石積みの台座の上に注連縄を張った木造の小さな社殿が建っています。地図データ上は「日本平ホテル東照宮(分霊)」という名称で登録されています。

現地の説明板(平成25年12月17日設置)によれば、この社殿は全国東照宮の創祀である久能山東照宮から御祭神・徳川家康公の御分霊を勧請し、芝生公園の東端に社殿を創建して分祀した「日本平ホテル東照宮」で、ホテル全域に御神慮と御加護をいただくことを願って建てられたと案内されています。説明板は、この名勝日本平を訪れる人にも御加護がありますようにとの願いが込められているとし、本社にあたる国宝・久能山東照宮への参拝もあわせて勧めています。

もう一点、説明板に書かれていて面白いのが敷地の縁石です。この社殿の敷地縁石は、静岡市葵区にある駿府城の外堀に使われていた石積みの一部を、補修工事の際に譲り受けて移設したものだと案内されています。家康が晩年を過ごした駿府城の石が、家康を祀る分霊の社殿の足元に使われているというのは、説明板を読まなければ気づかないつながりです。

日本平ホテルの庭園にある小さな社殿。石積みの台座の上に、注連縄を張った木造の社殿が載る
日本平ホテル東照宮の由緒を記した現地の説明板。平成25年12月17日の日付がある
日本平ホテルの芝生の小径から、樹木越しに説明板と社殿の一帯、遠くに広がる街並みを望む

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🎥 360° パノラマ 日本平ホテル東照宮の社殿前

日本平ホテル東照宮(分霊)

ロープウェイに乗る前でも、下りて日本平側に戻ってきたあとでも、同じ日本平線のバスで寄れる位置にあります。滞在は5分もあれば足ります。

静岡県内限定筆者のおすすめ

炭焼きレストランさわやか

静岡県内だけで展開する、げんこつハンバーグの人気チェーン

炭焼きレストランさわやかで撮影した写真
炭焼きレストランさわやか。静岡県内だけで展開しているため、県外から来た人にとっては久能山とあわせて寄る価値のある一軒。

炭焼きレストランさわやかは、静岡県内でのみ展開しているハンバーグのチェーンです。公式サイトの店舗一覧に載っている店舗はすべて静岡県内にあり、県外には出店していません(2026年9月26日確認)。つまり、静岡に来なければ食べられません。看板メニューの「げんこつハンバーグ」は250g・1,540円(公式メニュー、2026年9月26日確認)。休日は待ち時間が長くなるため、店頭の整理券のほかスマートフォンからも順番を取れる仕組みが案内されています。

訪問時に利用した新静岡セノバ店は2026年5月13日に閉店し、同年7月10日に商業施設マークイズ静岡にマークイズ静岡店がオープンしました。最寄りはJR東静岡駅で、久能山からの帰りに寄るなら今はこちらが候補になります。日本平ロープウェイ行きのバスも東静岡駅を経由するので、北側ルートで往復する人とは動線が合います。

げんこつハンバーグは、運ばれてきたら食べる直前に自分でハンバーグを半分に割り、断面を熱した鉄板に押しつけて中まで火を通すという食べ方が名物です。ハンバーグ好きで、ハングリータイガーやブロンコビリーといった全国チェーンが好きな人なら、このさわやかもきっと気に入ると思います。いつも行列ができていますが、時間に余裕があるときは必ず立ち寄っています。

炭焼きレストランさわやか マークイズ静岡店(最寄りはJR東静岡駅)

24時間営業筆者のおすすめ

サウナしきじ

全国から愛好家が訪れる「サウナの聖地」

静岡市駿河区敷地にある「サウナしきじ」の建物と駐車場を道路側から見る
サウナしきじ。久能山下からバスを乗り継いで向かった。建物の屋上に施設名の看板が出ている。

サウナしきじは、静岡市駿河区敷地にある施設です。静岡県公式観光ガイドは、全国から愛好家が訪れる「サウナの聖地」として知られていると紹介しています。フィンランド式サウナと、当帰や薄荷などを配合した蒸気の韓国式薬草サウナがあり、水風呂には地下から湧く天然水が使われていて飲むこともできると案内されています。営業は24時間・無休、入浴料は男性が平日1,700円・休日1,900円、女性は1,200円からと案内されています(静岡県公式観光ガイド、2026年9月26日確認)。料金や営業時間は変わることがあるので、行く前に確認してください。

サウナが目的で静岡に来る人にとっては、久能山東照宮のほうが「ついで」になり得る場所です。表参道1,159段を下ったあとに向かうと、脚に来た状態で水風呂に入ることになります。この順番は、狙ってやる価値があると思いました。

建物や浴室の雰囲気は、最新のスーパー銭湯のようなきらびやかさではなく、昔ながらの銭湯に近い落ち着いた造りです。それでも「聖地」と呼ばれるだけあって、サウナの中身は良かったです。特に韓国式の薬草蒸気サウナは蒸気の量がとにかく多く、体全体が熱気に包まれる感覚があり、体感温度は普通のドライサウナより高く感じました。そのあとの水風呂もしっかり冷たく、天然水の質のためかどうかは分かりませんが、上がったあとの「ととのう」感覚がとても気持ちよかったです。

サウナしきじ(静岡市駿河区敷地)

現地を歩いた判断:時間がないならどう回るか

2026年4月3日の訪問にもとづく、筆者個人の優先順位です。久能山東照宮の推奨順ではありません。

最優先
国宝・御社殿

1617年完成の建物がそのまま残っています。柵のすぐ外まで近づけるので、彫刻と組物を近距離で見られるのはここだけです。

最優先
廟所参道と神廟

御社殿からさらに進んだ先に、家康を祀る神廟があります。御社殿から約5分。家康と久能山の関係を現地でたどるなら、神廟まで足を延ばしたいところです。

できれば
久能山東照宮博物館

建築だけでは分からない、家康の手沢品や歴代将軍ゆかりの武具を見ることができます。ただし最終入館16:45、館内は撮影禁止です。

できれば
一ノ門(表参道上部)

この日いちばん印象に残った眺めでした。表参道を下らない場合でも、一ノ門まで少し降りると駿河湾が広がります。

後回し可
鼓楼

重要文化財ですが、石段の途中で見上げる位置にあり、参道沿いにあるため御社殿へ向かう途中で外観を確認できます。

よくある質問

資料によって説明が分かれます。久能山東照宮は現在も、家康の遺骸が埋葬された場所に神廟が立つと説明しています。一方、江戸東京博物館のレファレンス事例では、1617年に霊柩が久能山から日光山へ移されたとする文献が紹介されています。確実に言えるのは、1616年に遺命によって久能山に葬られたこと、そして翌1617年に日光への遷座が行われたことです。この記事は、現在の所在までは言い切りません。

できません。ロープウェイで久能山駅に着いたあとも、楼門、御社殿、神廟へと石段が続きます。久能山東照宮も「御社殿まで行くには石段だけとなり、スロープ等の設備がございません」と案内し、車いすでの利用はできないとしています。階段の量は表参道1,159段よりはるかに少ないものの、ゼロではありません。

2026年4月3日に下ったときは、写真を撮りながらで約30分、体力的にきついとは感じませんでした。ただし、コンクリートで均された近代の階段ではなく、石を組み合わせて作られた段が17曲りで続きます。段の高さと幅が一定ではないので、下りでも足元を見ながら歩いたほうがよく、上る場合は相応の負荷になります。久能山東照宮は山下から石段を約20分、石鳥居から社務所までを約30分と案内しています。

できます。今回もロープウェイで上がり、表参道を下りました。注意したいのは、入口と出口が別の場所になることです。日本平側に戻らないため、帰りは久能山下のバス停から静岡駅方面へ向かうことになります。また、ロープウェイの2点・3点セット券は往復乗車券が前提です。片道しか乗らないのにセット券を買うと、大人の場合は2点セット券で550円、3点セット券で400円多く払うことになるので、片道運賃(大人700円)と拝観券を別々に買ってください。

久能山東照宮の区間案内では、石鳥居から社務所まで約30分、社務所から御社殿まで約10分、御社殿から神廟まで約5分、博物館は30〜40分とされています。2026年4月3日の実際の滞在は、ロープウェイで久能山に着いてから表参道を下りきるまでで約2時間15分、うち博物館が約20分でした。社殿と神廟だけに絞れば1時間ほどでも回れます。

久能山東照宮への直接の乗り入れはできません。車の場合は、日本平山頂の駐車場に停めてロープウェイに乗り換えるか、久能山下の民間駐車場に停めて表参道を上ることになります。久能山東照宮の案内では、日本平山頂の駐車場は無料で200台とされています。

日本平ロープウェイは設備更新工事のため、2026年12月1日(火)から12月21日(月)まで運休が予定されています。ロープウェイの案内では、この期間も表参道の石段を利用して通常どおり参拝できるとされています。あわせて久能山東照宮博物館も同じ期間、館内設備工事のため休館が予定されています。この時期に行く場合は、表参道を上る前提で、博物館は別の日に回す計画にしてください(いずれも2026年9月26日確認)。

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参考情報

Official sources

料金・時間・運行日などは変わることがあります。本記事は2026年9月26日時点の公式情報にもとづいています。訪問前に各公式ページで最新の情報を確認してください。

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