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「豊臣兄弟!」展 江戸東京博物館レポート|後期の見どころ・混雑・グッズ・展示替え

江戸東京博物館入口方向を示す「豊臣兄弟!」展の駅前広告
東京・両国 江戸東京博物館 2026年特別展

「豊臣兄弟!」展 江戸東京博物館レポート|後期の見どころ・混雑・グッズ・展示替え

江戸東京博物館のリニューアル記念として開かれている、NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」の東京会場。前期の9月19日と後期の10月17日に鑑賞し、後期に登場した資料、荒木茶碗・破袋の見方、当日券の列、特設ショップの限定グッズ、大徳寺展との相互割引までまとめました。

会期2026年9月15日〜11月8日
会場江戸東京博物館 1階特別展示室
観覧料(一般)当日2,100円
筆者の鑑賞日9/19(前期)・10/17(後期)
✅2026年9月19日(土)の前期と、10月17日(土)の後期に現地で鑑賞しました。会期・開館時間・観覧料・アクセスは2026年9月20日に公式サイトで、大徳寺展との相互割引は10月17日に会場の掲示で確認しています。

江戸東京博物館で開催中の特別展「豊臣兄弟!」を、前期の2026年9月19日(土)と後期の10月17日(土)に見てきました。1回目は10時ごろに入場し、メモを取りながら特別展だけで約2時間20分。2回目は、後期に入れ替わった資料に絞って見ました。大河ドラマ『豊臣兄弟!』の主人公・豊臣秀長と、兄・秀吉にまつわる書状、屏風、甲冑、茶道具、刀剣が、全国の博物館・美術館・寺社から集められています。

大阪・名古屋に続く巡回展の東京会場で、秀吉所用の具足のように、今回の巡回では東京会場だけで公開された資料もあります(具足は前期で展示を終えました)。このページでは訪問前に知っておきたい会期・料金・展示替えに加え、実物を前にして「どこを見ると面白いか」を、出品番号とあわせて紹介します。これから行く方は、いま会場で見られる資料から読んでください。前期で展示を終えた資料は、ページの後半にまとめています。出品リスト(PDF)を開きながら読むと分かりやすいです。全130件を前期・後期や会場ごとに絞り込みたい方は、出品作品130件リストもあわせてどうぞ。

東京展の基本情報|会期・料金・撮影について

会期2026年9月15日(火)〜11月8日(日)
会場江戸東京博物館 1階特別展示室(東京都墨田区横網1-4-1)
開館時間9:30〜17:30(土曜日は19:30まで、11月6日は20:00まで)。入室は閉館の30分前まで
休館日月曜日(9月21日・10月12日・11月2日は開館)、9月24日、10月13日、11月4日
観覧料(当日)一般2,100円/65歳以上1,600円/大学・専門学校生1,300円/小・中・高校生と未就学児は無料(障害者手帳等をお持ちの方と付き添い2名までも無料)
常設展とのセット一般2,740円(当日)。常設展単独の通常料金(一般800円)と特別展(2,100円)を別々に買うより160円お得です。江戸東京博物館とそのオンラインチケットのみで販売。2,100円の特別展観覧券だけでは常設展には入れません
予約事前予約は不要。混雑時は入場を待つ場合があります。オンラインチケットは公式チケットページ(e+・チケットぴあ等、複数の販売サイトから選べます)から購入できます。アソビュー!でも当日券を購入できます(PR。詳しくは下の「入場時の注意点」をご覧ください)
割引東京国立博物館「大徳寺」展のチケット半券またはオンラインチケット画面の提示で、一般2,000円(100円引き)。詳しくは下記
撮影筆者の訪問時(9月19日・10月17日)、歴史資料の展示室内は撮影禁止でした

※2026年9月20日時点の公式情報です。前売券・ペア券は販売を終了しています。最新情報は江戸東京博物館の公式サイトでご確認ください。

割引チケットについて:会員でなくても使える割引は、東京国立博物館「大徳寺」展との相互割引です(2026年10月17日に会場の掲示で確認)。大徳寺展を先に見て半券を持っていれば、「豊臣兄弟!」展の一般券が2,100円から2,000円になります。このほか、2026年9月20日時点で筆者が調べた範囲では、「コープデリ」「ベネフィット・ワン(ベネワン)」「ゆとりちよだ」など、会員向けサービスや福利厚生を通じた割引がありました。勤務先の福利厚生で扱っている場合もあります。

東京国立博物館「大徳寺」展との相互割引
「大徳寺」展の半券で「豊臣兄弟!」展が割引

江戸東京博物館のチケット売り場で観覧料を払うときに、開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」のチケット半券またはオンラインチケット画面を見せると、次の料金になります。対象期間は2026年9月15日〜11月8日ですが、大徳寺展の会期は10月14日からなので、実際に使えるのは10月14日以降です。

特別展専用券一般 2,100円 → 2,000円/65歳以上 1,600円 → 1,500円/大学・専門学校生 1,300円 → 1,200円
特別展+常設展(セット券)一般 2,740円 → 2,640円/65歳以上 1,920円 → 1,820円/大学・専門学校生 1,680円 → 1,580円

※2026年10月17日に会場で掲示を確認。ほかの割引との併用不可、招待券は対象外、購入済みのチケットをさかのぼって割り引くことはできません。

江戸東京博物館に掲示された「豊臣兄弟!」展と「大徳寺」展の相互割引の案内
会場に掲示されていた相互割引の案内(2026年10月17日撮影)
「豊臣兄弟!」展の半券で「大徳寺」展が割引

「豊臣兄弟!」のチケット半券またはオンラインチケット画面を、東京国立博物館の特別展正面チケット売り場で提示すると、開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」(会期:2026年10月14日〜12月6日)の観覧料が割引になります。割引が使えるのは2026年10月14日〜12月6日で、ほかの割引との併用はできません。

一般2,300円 → 2,200円(税込)
大学生1,300円 → 1,200円(税込)
高校生900円 → 800円(税込)

実際に見て、大河ドラマを見ている人はもちろん、歴史好きで「教科書や図録で見た品を実物で見たい」人に向いた展覧会だと感じました。各地の所蔵先に分かれている書状・屏風・茶道具を一か所で見られるので、それぞれを訪ね歩く手間を考えると、2,100円の観覧料は安く感じました。

前期・後期の展示品の違い

東京展は前期が9月15日〜10月12日、後期が10月14日〜11月8日です。ただし、作品によっては全体と異なる展示期間が設けられていて、後期の中でも10月25日までと10月27日以降で入れ替わる資料があります。なお、出品番号は会場の展示順とは一致しません。出品リスト(PDF)で全点を確認できます。

次の表は一部の抜粋です:このページで紹介する資料を中心に、展示期間が分かりやすいものだけを抜き出しました。前期・後期・通期に展示される資料は、表に載せたもの以外にも多数あります。全出品資料と最新の展示期間は、江戸東京博物館の特別展ページにある「展示リスト」をクリックして開くPDFでご確認ください。当サイトでは、この出品リストを検索・絞り込みできる出品作品130件リストにまとめています。

前期のみ(9/15〜10/12)・展示終了No.122 銀伊予札白糸威胴丸具足(秀吉所用)、No.230 豊臣秀吉自筆遺言状案、No.2 豊臣秀吉像(京都・禅林寺蔵)
9/15〜10/4・展示終了No.41 羽柴秀吉書置 美濃守宛(前期の最終日までではありません)
後期のみ(10/14〜11/8)の例No.216 名物 南泉一文字、No.215 刀絵図(埋忠寿斎本)写、No.200 有馬湯山茶会記、No.4・6 豊臣秀長像(奈良・長谷寺蔵/春岳院蔵)、No.9 豊臣秀吉像、No.14 織田信長像、No.60 徳川家康像、No.221 羽柴秀長都状、No.165・167 能装束 など
後期の途中で交替No.95 福智長通書状案 島津兵庫頭宛は10/14〜10/25、同名のNo.96は10/27〜11/8。No.137 横浜一庵覚書案は10/6〜10/25
長久手合戦図屏風No.54(豊田市博物館蔵)は9/15〜10/25、No.56(徳川美術館蔵)は10/27〜11/8に交替
通期展示の例No.38 賤ヶ岳合戦図屏風、No.101 御所参内・聚楽第行幸図屏風、No.190 荒木、No.195 薬師院、No.204 破袋、No.232 鯰尾藤四郎 など

※2026年9月20日に確認した展示リストと、10月17日に会場で配布されていた出品目録からの抜粋です。展示期間は変更される場合があるため、訪問前に最新の展示リストをご確認ください。

筆者は前期と後期の両方を見ました。秀吉の具足(No.122)と自筆遺言状案(No.230)は10月12日で展示を終えています。これから行く場合に見られるのは後期の資料で、刀剣の南泉一文字(No.216)もそのひとつです。後期の中でも10月25日までと10月27日以降で一部が入れ替わります。

所要時間の目安

  • 特別展:筆者は展示を細かく見てメモを取りながら約2時間20分。会場の映像も含めた時間です。
  • ショップ:関連グッズが充実しているので、じっくり選ぶなら10〜15分ほどみておくと安心です。
  • 常設展:江戸と東京(近現代)のゾーンに分かれ、細かく見るなら2〜3時間はかかりそうです。筆者は時間がなく、江戸のゾーンだけを見学しました。

入場時の注意点

前期に訪れた9月19日(土)の朝は、当日券の売り場に長い列ができていました。筆者は列に並ばず、その場でオンラインチケットを購入しました。2026年9月19日に筆者が現地でオンラインチケットを購入した際は、購入直後に入口でQRコードを読み取るとエラーになり、係の方から少し待つよう案内されました。約3〜5分後には入場できましたが、エラーの原因は確認できていません。来館前に購入を済ませておけば、入口付近で購入の操作をせずに済みます。

2026年9月19日(土)10時ごろの訪問時は、展示室内全体に人が多く、順路の最初から見るとケースの前で待つ場面がありました。会場の案内に従いながら、空いている展示から先に見ていくと効率よく回れます。

後期に訪れた10月17日(土)は、11時ごろに着きました。このときも当日券の列は長く、筆者の見た限りでは、買えるまでに20〜30分ほどかかりそうでした。今回はオンラインチケットを事前に買っておいたので、入口ではすんなり入れました。土曜に行くなら、事前購入をおすすめします。

江戸東京博物館のロビーに延びる来館者の列
後期の10月17日(土)11時過ぎのロビー。誘導ロープに沿って列ができていました

PRこの項目には、アソビュー!の広告リンク(アフィリエイト)を含みます。リンク経由で購入されると、当サイトに紹介料が入ります。

筆者が訪れた土曜日(9月19日・10月17日)は、どちらも当日券売り場に長い列ができていました。オンラインチケットは、公式チケットページのほか、アソビュー!でも購入できます。料金は窓口の当日券と同じですが、アソビュー!で買うとポイントが付き、次の予約で使えます。そのぶん、窓口で払うよりお得です。

アソビュー!

【当日券】江戸東京博物館リニューアル記念・NHK大河ドラマ特別展「豊臣兄弟!」

一般2,100円/65歳以上1,600円/大学・専門学校生1,300円。日付を指定せずに購入でき、観覧する日に1回使えます。購入でアソビュー!ポイントが付きます。

アソビュー!で見る

お客様都合のキャンセル・返金・変更はできません。学生と65歳以上の方は、入場時に学生証や年齢を確認できるものが必要です。ポイントの付与率や条件は、アソビュー!の案内に従います。購入前にリンク先で内容をご確認ください。

おすすめのアプリ版音声ガイド

公式の音声ガイドは、会場で借りるレンタル版(700円、日本語)と、アプリ「聴く美術」で聴くアプリ版(800円、配信は2026年11月8日まで予定)があります。ナビゲーターは大河ドラマで豊臣秀長を演じる仲野太賀さんです。

筆者は名古屋展の際にアプリ版を購入しており、東京展に合わせて更新された音声を追加料金なしで聴けました。全部で17セクションあり、前期に訪れた時点で後期展示の資料の解説も聴けたので、後期にもう一度行くかどうかを考える材料になりました。解説では資料の来歴や描かれた内容にも触れているので、少しでも多く情報がほしい人におすすめです。このページでも、音声ガイドで聞いた解説の一部を各資料の紹介に取り入れています。

アプリ版は会場の外でも聴けます。家に帰ってから展示を振り返ったり、図録と合わせて聴き直したりできるのが便利でした。後期にもう一度行く予定がある人にも、アプリ版が向いています。配信期間や利用条件は公式案内でご確認ください。アプリ「聴く美術」自体の詳しい説明は、運営会社アコースティガイド・ジャパンの公式サイトで見られます。訪問前に聴いて予習することもできます。

英語の解説について:入口の案内には英語表記がありました。個々の資料の解説については、英語があった場所となかった場所があったように記憶していますが、範囲までは確認できていません。なお、音声ガイドは日本語版のみで、英語版はありません。

両国駅からのアクセス

最寄りはJR総武線(駅番号:JB21)と都営大江戸線の両国駅です。筆者はJR両国駅の西口の北側(セブン-イレブンがある方)から出て、300mほど歩いて博物館の入口に着きました。駅前には展覧会の大きな広告が出ていて、博物館の方向も示されていました。筆者が2026年9月19日に歩いたJR両国駅西口北側からのルートには、屋根のない区間がありました。雨天時は傘などの雨具があると安心です。

江戸東京博物館へ向かうJR両国駅西口の案内表示
右方向の江戸東京博物館を示す「豊臣兄弟!」展の大型案内
江戸東京博物館周辺の街路灯に掲げられた特別展バナー

タップすると拡大できます

筆者が歩いたJR両国駅西口北側から博物館までのルート

東京の土地勘がない方へ|品川駅・東京駅からのアクセス

経路検索では、品川駅(JR横須賀線:JO17)や東京駅(JR横須賀線:JO19)から、横須賀線で錦糸町駅(JR横須賀線:JO22)まで行き、総武線各駅停車で1駅戻って両国駅(JB21)へ向かうルートが候補になる場合があります。最短ルートや所要時間は出発時刻によって変わるため、当日の経路検索で確認してください。下の地図は、品川駅から両国駅までのルート例です。

東京駅山手線 JY01(スリーレターコード:TYO)/京浜東北線 JK26/中央線快速 JC01/総武線快速 JO19/東海道線 JT01
品川駅山手線 JY25/京浜東北線 JK20/東海道線 JT03/横須賀線 JO17
錦糸町駅JR中央・総武線各駅停車 JB22/総武線快速 JO22
両国駅JR中央・総武線各駅停車 JB21

※本文に登場する駅の駅番号(駅ナンバリング)の参考情報です。

品川駅から両国駅までのルート例(横須賀線で錦糸町まで行き、1駅戻る行き方)

会場の江戸東京博物館

正面階段と赤いゲート越しに見た江戸東京博物館
正面側から見た江戸東京博物館。特別展の開催に合わせ、入口まで赤いゲートが続いていました

江戸東京博物館は1993年に開館した東京都の博物館で、開館から約30年で初めての大規模改修を経て、2026年3月31日にリニューアルオープンしました。「豊臣兄弟!」展はそのリニューアル記念の特別展です。会場は1階の特別展示室で、江戸と東京の歴史を扱う常設展示室とは別になっています。常設展もあわせて見る場合は、セット券を選んでください。

アクセス標準情報
住所東京都墨田区横網1-4-1 江戸東京博物館
JR総武線 両国駅(JB21)西口から徒歩3分、東口から徒歩7分(公式案内)
都営大江戸線 両国駅A3・A4出口から徒歩1分(公式案内)
筆者が使った道JR両国駅西口の北側(セブン-イレブン側)から約300m。屋根のない区間あり
会場1階特別展示室(常設展示室とは別)

※徒歩時間は博物館公式サイトの目安です(2026年9月20日確認)。約300mは筆者の体感による距離で、計測した値ではありません。

豊臣兄弟の歩み|天下統一と秀長の大和統治

尾張中村に生まれた秀吉と、その弟・秀長。秀吉が織田信長の家臣として頭角を現すと、秀長は兄を支えて各地を転戦し、のちに大和・紀伊などを治める大名になります。展覧会の公式解説では、秀長が大和で商人を移り住ませ、城下町を再編するなど、領国経営に力を入れたことが紹介されています。

秀長は天正19年(1591)に亡くなり、秀吉も慶長3年(1598)に世を去ります。展示はプロローグ、第1章から第5章、エピローグまでの構成で、兄弟の歩みと豊臣政権の文化を、書状・屏風・甲冑・茶道具などの実物でたどります。大河ドラマの描写と史実は分けて見るのがおすすめです。

音声ガイドでは、兄弟の死後に豊臣家がたどった道も語られます。秀頼と家康の会見、方広寺の鐘銘をめぐる対立を経て、大坂の陣に至るまでの流れです。展示では第5章「豊臣の落日」がこの時期にあたります。

以下の秀吉・秀長の肖像は、京都・禅林寺に伝わる資料をもとにAIで生成したイメージです。

AI生成イメージ:京都・禅林寺蔵の豊臣秀吉像を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ
AI生成イメージ:京都・禅林寺の資料を参考に制作した豊臣秀長のイメージ

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向かって左は出品作品No.2「豊臣秀吉像」(京都・禅林寺蔵、東京展は前期展示)を、右は同じく京都・禅林寺の資料写真を参考に制作した秀長のAI生成イメージです(特定の出品番号に対応するものではありません)。どちらもAI生成イメージであり、展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。肖像に描かれた人物部分は、目測で40×40cmほどの大きさでした。

会場の映像で知る秀長

会場では秀長を紹介する映像も流れていました。書状への丁寧な礼状、兄から判断を任される関係、寺社との関わりを含む領国経営、そして没後も地域で記憶され続けたことが紹介されています。展示資料を見る前後に見ておくと、秀長の人物像がつかめます。

展示の前に知っておきたい秀長の歩み

兄に比べると知られていない秀長の経歴を、展示資料とつながるポイントに絞って紹介します。

  • 名前の変化:はじめは「長秀」と名乗り、「秀長」に改めたのは天正12年(1584)、本能寺の変の後のことです。
  • 兄の代理として:天正2年(1574)には、越前の一向一揆に対していた秀吉の代わりに、伊勢長島の一向一揆攻めに出陣しています。
  • 交渉役としての働き:小牧・長久手の戦いでは秀吉の名代として織田信雄との講和交渉にあたり、九州攻めでは島津方との講和の窓口にもなりました。天正14年(1586)に大坂を訪れた大友宗麟は、「内々のことは千利休に、公のことは宰相(秀長)に」と書き残しています。音声ガイドでは、大名との連絡や交渉、接遇にも携わっていたと解説されていました。
  • 大和の統治:大和郡山城に入り、大和・紀伊などを治めました。展覧会公式サイトでは、商人を移り住ませて城下町を再編したことが紹介されています。長谷寺の釣灯籠(No.125)は、天正16年(1588)に秀長の娘が寄進したものです。
  • 療養中も政権の仕事を:天正18年(1590)の小田原攻めの頃は病気のため出陣できませんでしたが、届いた戦況を関係者に伝えるなど、療養しながら政権の仕事に関わっていたと音声ガイドで紹介されていました。同じ年の羽柴秀長都状(No.221・後期)は、病気の回復を願う祈祷文です。
  • 最期:天正19年(1591)1月22日、郡山城で亡くなりました。享年52とされます。秀吉は服喪を命じ、葬儀には多くの人が集まったといいます。
☕ このサイトは実地取材で制作しています。記事が参考になった方は、サポートいただけると励みになります。

いま会場で見られる資料|後期(10月14日〜11月8日)の見どころ

会期末の11月8日まで会場で見られる資料を、テーマ別に紹介します。後期(10月14日〜)に登場した資料は10月17日に、屏風や荒木・破袋など通期の資料は主に9月19日に見たときの記録です。見出しには展示期間を添えました。展示室内は撮影できないため、出品目録に書き込んだメモと、一部はAI生成イメージで紹介します。感想や推測も含みます。解説の内容は、会場で読んだ範囲のものです。

いま行くなら、ここを見る

2026年10月17日に見た範囲での筆者の判断です。展示期間は出品目録に基づきます。

まず見る
名物 南泉一文字(No.216)と刀絵図(No.215)

後期だけの展示です。刀の実物と、刃文まで描き込んだ絵図を続けて見られます。

次に見る
秀長・信長・家康の肖像画(No.4・6・14・60)

同じ人物でも、描かれた時代や所蔵先で顔立ちの印象がかなり違います。並べて見比べると面白い資料です。

あわせて
茶碗「荒木」と水指「破袋」(No.190・204)

通期の展示で、会期末まで見られます。筆者がこの展覧会でいちばん長く足を止めた茶道具です。

期間に注意
福智長通書状案(No.95)は10月25日まで

10月27日からは同じ名前のNo.96に替わります。長久手合戦図屏風も10月27日から徳川美術館本(No.56)になります。

① 肖像画|秀長・秀吉・信長・家康の顔を見比べる(後期)

AI生成イメージ:奈良・長谷寺蔵の豊臣秀長像(出品No.4)を参考に制作したイメージ
AI生成イメージ:奈良・春岳院蔵の豊臣秀長像(出品No.6)を参考に制作したイメージ

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AI生成イメージ 向かって左は出品作品No.4「豊臣秀長像」(奈良・長谷寺蔵)、右はNo.6「豊臣秀長像」(奈良・春岳院蔵)を参考に制作したイメージです。どちらも後期展示。展示品の実物写真や正確な復元図ではなく、顔立ちなどの細部は実物と異なります。

秀長の肖像は、奈良・長谷寺のNo.4と奈良・春岳院のNo.6を見比べられます。どちらも後期の展示です。No.4は足元の靴まで丁寧に描かれ、No.6はひげがなく、若々しい顔立ちに見えました。

後期に登場したNo.14 織田信長像も、ひげのない姿です。肌に艶があり、髪の生え際まで細かく描かれていました。No.60 徳川家康像には狛犬が描かれていて、東照大権現として祀られた姿なのかもしれません(筆者の推測です)。個人蔵の作品と知って驚きました。

音声ガイドでは、肖像画の衣服や座っている場所にも身分を示す意味があると解説していました。顔立ちとあわせて、装束や座っている場所も見てみてください。

No.4 豊臣秀長像後期・奈良・長谷寺蔵。靴が丁寧に描かれている
No.6 豊臣秀長像後期・奈良・春岳院蔵。ひげがなく、若々しく見える
No.9 豊臣秀吉像後期・大阪市立美術館蔵。若く見える。画中に「豊国大明神」の文字があり、狩野派の作品との解説
No.14 織田信長像後期。ひげがなく、肌の艶や髪の生え際まで細かく描写されている
No.60 徳川家康像後期・個人蔵。狛犬が描かれている
No.109 北条氏直像通期・神奈川・早雲寺蔵。装飾が細かく描かれている
No.145 桑山重晴像後期・大阪・理智院蔵。彫像で、丁寧に作られている
No.151 高山公画像後期。藤堂高虎の肖像。高虎は茶や能も好んだとの解説

② 書状と記録|長久手の戦い当日の家康書状、晩年の秀長(後期・通期)

No.63 徳川家康書状 平岩七之助・鳥居彦右衛門尉宛は、天正12年(1584)4月9日付。小牧・長久手の戦いのうち、長久手で戦いがあった日の書状です。会場の解説では、自分たちの側がうまくいったと大きく伝えて、味方の士気を上げる狙いがあったと説明されていました。

No.221 羽柴秀長都状は天正18年(1590)、病気の回復を願って書かれた祈祷文です。秀長本人が書いたとされる名前が残り、51歳である旨も記されていました。小田原攻めに出陣できなかった年にあたり、秀長はその翌年の1月に亡くなります。病を抱えながら政権を支えていた時期の資料です。

兄弟の関係を示すNo.64 羽柴秀吉書状 美濃守宛(通期)も引き続き見られます。小牧・長久手の戦いが続いていた天正12年(1584)6月18日付で、秀吉が弟の秀長に宛てた書状です。

No.15 信長公記(写本)後期。文字はほとんど読めず、分かったのは「信長」の名前だけだった
No.43 羽柴秀吉書状 遠山佐渡守宛後期・個人蔵。添えられた現代語訳がとても丁寧な言葉遣いだった。原文も同じように丁寧な調子なのかが気になった
No.63 徳川家康書状後期・愛知・徳川美術館蔵。天正12年(1584)4月9日付
No.64 羽柴秀吉書状 美濃守宛通期・長野・田中本家博物館蔵。天正12年(1584)6月18日付
No.70 総光寺中古縁起後期・和歌山・惣光寺蔵。太田城でも水攻めが行われたとの解説
No.95 福智長通書状案 島津兵庫頭宛10/14〜10/25・国宝。上と下で、文字が逆さまに書かれている
No.221 羽柴秀長都状後期・奈良国立博物館蔵。病気の回復を願う祈祷文。本人が書いたとされる名前が残り、秀長が51歳である旨の記載がある

大坂城の築城:会場の解説によると、大坂城の築城は本能寺の変の翌年に始まり、15年かかったとのことです。

③ 屏風と出土瓦|賤ヶ岳・聚楽第と城の姿(通期)

AI生成イメージ:聚楽第行幸図屏風を参考に制作したイメージ(左)
AI生成イメージ:聚楽第行幸図屏風を参考に制作したイメージ(右)
AI生成イメージ:賤ヶ岳合戦図屏風を参考に制作したイメージ

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上の3点は、No.101「御所参内・聚楽第行幸図屏風」とNo.38「賤ヶ岳合戦図屏風」を参考に制作したAI生成イメージです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

No.38「賤ヶ岳合戦図屏風」(通期)では、描かれた砦の違いに注目しました。秀長が守った田上山の砦は小さく、賤ヶ岳の砦は立派に描かれているように見えます。絵の大きさは実際の規模を示すものではありませんが、実際の砦跡を訪ねてみたくなる屏風です。屏風のサイズは目測で横350×縦170cmほどと大きく、見ごたえがあります。

No.101「御所参内・聚楽第行幸図屏風」(通期)は、建物だけでなく人々の装いにも目を向けてみてください。腰に虎の皮のようなものを巻いた人物や、細かな衣装の文様まで描き込まれています。こちらも目測で横350×縦170cmほどあります。どちらの屏風も江戸時代の作品で、合戦や行幸の場面をそのまま写したものではありません。

見どころ
  • 金箔瓦:大坂城関連の金箔瓦(No.47〜50)、聚楽第周辺の大名屋敷跡から出土した金箔瓦(No.100)、郡山・大坂の瓦(No.128〜130)など。出土地がそれぞれ違うので、キャプションを確認しながら見ると、豊臣政権の広がりが分かります。
  • 賤ヶ岳合戦図屏風:賤ヶ岳の戦い(天正11年・1583)は、信長亡き後の主導権をめぐって秀吉と柴田勝家が争った戦いです。秀吉方の武将たちの奮戦は「賤ヶ岳の七本槍」として知られます。
  • 聚楽第行幸図屏風:天正16年(1588)、後陽成天皇が秀吉の聚楽第を訪れた行幸は5日間にわたり、和歌の会も開かれました。秀吉の権勢を天下に示した行事です。
  • 金箔瓦の出土地:金箔瓦は大坂城だけでなく、秀長の郡山城などからも見つかっています。瓦を手がかりに、兄弟それぞれの城を見比べてみてください。
  • 大坂城の本丸図:豊臣期の大坂城は大坂夏の陣(1615年)で焼け落ち、いま地上に見える石垣や堀は徳川時代に築き直されたものです。豊臣期の城は地下に埋まっています。音声ガイドでは、No.46 豊臣時代大坂城指図(通期)から、堀と石垣に守られた城の構造や、秀吉の家族が暮らした場所と家臣の屋敷との位置関係が読み取れると紹介していました。
  • 長久手合戦図屏風:No.54(豊田市博物館蔵)が9/15〜10/25、No.56(徳川美術館蔵)が10/27〜11/8。全体の前期・後期とは切り替え日が異なります。

屏風に描かれた場所を歩くなら、秀長が守った砦を知る田上山砦跡と木之本地蔵院に加え、実際の合戦地を歩く賤ヶ岳観光ガイド、御所参内・行幸図屏風の舞台となった聚楽第跡を歩く、大和郡山・秀長ガイド、地下に眠る豊臣期の石垣を見られる大阪城 豊臣石垣館もあわせてどうぞ。

出土した金箔瓦そのものをもっと見たい方には、京都市考古資料館 訪問ガイドもおすすめです。秀吉の京都改造をテーマにした展示があり、聚楽第・伏見城から出土した金箔瓦や飾り瓦などの画像を紹介しています。

④ 甲冑・能装束・調度|保存状態のよい腹巻と豊臣家の紋(後期)

AI生成イメージ:色々威腹巻(出品No.112)を参考に制作したイメージ
AI生成イメージ:鉄黒漆阿古陀形五十八間総覆輪筋兜(出品No.111)を参考に制作したイメージ

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AI生成イメージ 向かって左は出品作品No.112「色々威腹巻」、右はNo.111「鉄黒漆阿古陀形五十八間総覆輪筋兜」を参考に制作したイメージです。どちらも後期展示。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

岡山・林原美術館のNo.112 色々威腹巻(後期)は保存状態がよく、背面が大きく開いた形がよく分かりました。能装束は、緑地のNo.165と白地のNo.167が後期の展示です。No.167は絹のような光沢に見えました(見た目の印象で、素材を確かめたわけではありません)。

岡山・木下家資料の調度品も後期に並びます。整髪の器を置く台というNo.183 泔坏台には豊臣家の紋が入っていましたが、No.182 洗足桶には紋がありませんでした。

音声ガイドでは、北条家に伝わった鎧について、素材や細工から身につけた人物の格式を考えられると解説していました。武具は実用品であると同時に、家の権威を示すものでもあったようです。

No.111 鉄黒漆阿古陀形五十八間総覆輪筋兜

長い名前を読み解くと、形が見えてきます。「阿古陀形」は、阿古陀瓜のように鉢が丸く膨らんだ形のこと。「五十八間」は鉢を58枚の鉄板で組んでいること、「総覆輪」はその筋のすべてに金属の縁取りを施していることを表します。岡山・林原美術館蔵で、後期の展示です。

能装束 No.165・No.167
AI生成イメージ:萌葱地雪持柳桐菊藤梅文片身替唐織(出品No.165)を参考に制作したイメージ
AI生成イメージ:白地桐鳳凰芦桜雪持竹文肩裾縫箔(出品No.167)を参考に制作したイメージ

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AI生成イメージ 向かって左は出品作品No.165「萌葱地雪持柳桐菊藤梅文片身替唐織」、右はNo.167「白地桐鳳凰芦桜雪持竹文肩裾縫箔」を参考に制作したイメージです。どちらも後期展示。No.165の「片身替」は、左右で異なる文様を組み合わせる仕立てです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

No.111 鉄黒漆阿古陀形五十八間総覆輪筋兜後期・岡山県指定重要文化財・岡山・林原美術館蔵
No.112 色々威腹巻後期・岡山・林原美術館蔵。保存状態がよく、背面が大きく開いている
No.165 萌葱地雪持柳桐菊藤梅文片身替唐織後期・東京国立博物館蔵。緑地の能装束
No.167 白地桐鳳凰芦桜雪持竹文肩裾縫箔後期・重要文化財・東京国立博物館蔵。白地の能装束
No.182 洗足桶後期・木下家資料。家紋はない
No.183 泔坏台後期・木下家資料。整髪の器を置く台との解説。豊臣家の紋がある

⑤ 茶道具|荒木・破袋・薬師院(通期)

AI生成イメージ:大名物の染付唐草文茶碗「荒木」(出品No.190)を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ
AI生成イメージ:重要文化財の伊賀耳付水指「破袋」(出品No.204)を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ

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左は出品作品No.190「染付唐草文茶碗 銘 荒木」、右は出品作品No.204「伊賀耳付水指 銘 破袋」を参考に制作したAI生成イメージです。どちらも展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

筆者がこの展覧会で最も長く足を止めたのが、No.190「染付唐草文茶碗 銘 荒木 大名物」(愛知・徳川美術館蔵、通期)です。中国・明時代16世紀の染付の茶碗で、所蔵館によれば、荒木村重が所持したと伝わり、のちに徳川家康、尾張徳川家へと伝わりました。サイズは目測で横18×縦8cmほどで、一般的な茶碗と同じくらいの大きさでした。

見てほしいのは外側だけではありません。上部の帯、下部の絵、ひびのような模様に加えて、内側の線と、内側の底に描かれた絵まで見えます。いまなら器は簡単に手に入りますが、当時の人がこの茶碗をどれほど大切にしたのか、眺めながら考えてしまいました。

No.204 伊賀耳付水指 銘 破袋(重要文化財・通期)

東京・五島美術館が所蔵する伊賀焼の水指で、高さ21.4cm、胴径23.7cm。所蔵館の解説によると、厚く掛かった緑色のビードロ釉は焼成中の灰が溶けたもので、背面は赤く焼き締まり、焼成時に底が焼台にめり込むように変形しています。古田織部が「今後これほどのものはない」という趣旨を書き送ったと伝わる名品です。実物は目測で25×30cmほどに見え、思っていたより大きく感じました。

実物は、下部の凹凸や裂けたような形、耳、横に走る線が目を引きます。正面だけでなく、ケースの周りを少しずつ移動しながら見てください。見る角度によって形の印象が大きく変わります。

ほかに注目したい資料
  • No.195「肩衝茶入 銘 薬師院」(兵庫・香雪美術館蔵、通期):秀長の所持品として明らかになっている唯一の茶入とされ、天正15年(1587)1月に秀長自らが点前をした茶会で使われました。大河ドラマの主人公・秀長ゆかりの品として見ておきたい一点です。
  • 千利休と秀長:大友宗麟の「内々のことは利休、公のことは秀長」という言葉のとおり、2人は政権の取次役でした。秀長が亡くなった翌月、利休は秀吉の命で切腹しています。
  • No.185 重要文化財「唐物茶壺 銘 松花 大名物」(愛知・徳川美術館蔵、通期):権力者の茶の湯を伝える大型の茶壺。
  • 能装束:No.164・169は前期、No.165・167は後期に展示されます。
  • 茶の湯の記録:No.203 古田織部茶之伝書は前期、No.200 有馬湯山茶会記は後期です。

⑥ 茶会記と刀剣|利休筆と伝わる茶会記と南泉一文字(後期)

AI生成イメージ:刀絵図(埋忠寿斎本)写(出品No.215)を参考に制作したイメージ
AI生成イメージ 出品作品No.215「刀絵図(埋忠寿斎本)写」(後期展示)を参考に制作したイメージです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

No.216 名物 南泉一文字は、刀身に曇りがなく、澄んだ状態に見えました。音声ガイドによると、足利将軍家から豊臣家に伝わり、のちに秀頼から家康へ贈られた刀です。後期にはNo.215 刀絵図(埋忠寿斎本)写も並び、刃文の模様まで細かく描かれた絵図の中に、南泉一文字も含まれています。

茶の湯では、No.200 有馬湯山茶会記が後期の展示です。天正18年(1590)に有馬の阿弥陀寺で開かれた茶会の記録で、千利休の筆と伝わります。No.207 小堀遠州茶入之次第は、47種類の茶道具の名前と特徴を記したものです。

No.200 有馬湯山茶会記後期・東京・三井記念美術館蔵。有馬の阿弥陀寺での茶会の記録。伝千利休筆
No.204 伊賀耳付水指 銘 破袋通期・重要文化財。改めて見ると、艶がある
No.207 小堀遠州茶入之次第後期・愛知・徳川美術館蔵。47種類の茶道具の名前と特徴を記載
No.215 刀絵図(埋忠寿斎本)写後期・個人蔵。刃文の模様まで細かく描かれ、南泉一文字も含まれる
No.216 刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字後期・重要文化財・愛知・徳川美術館蔵。曇りのない状態に見えた

⑦ エピローグの豊臣秀長公像|奈良・壷阪寺で見た像と再会(通期)

桐紋の幟に囲まれて安置された豊臣秀長公像
筆者が以前、奈良・壷阪寺を訪れた際に撮影した豊臣秀長公像(展示会場での撮影ではありません)

展示の最後、エピローグに置かれているのがNo.238 豊臣秀長公像(奈良・壷阪寺蔵、寛永7年・1630、通期)です。筆者は以前、奈良・壷阪寺を訪れた際にこの像を拝観し、写真に収めていました。お寺で桐紋の幟に囲まれて座っていた像と、展示ケースの中で向き合うと、同じ像でも受ける印象が変わります。

秀長が治めた大和郡山の史跡は、大和郡山・秀長ガイドで紹介しています。

正面から見た豊臣秀長公像

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漫画・ゲームで知った名物を実物で|『へうげもの』と『刀剣乱舞』

漫画『へうげもの』で戦国の茶の湯に親しんだ人なら、荒木村重の所持と伝わる茶碗「荒木」(No.190)と、古田織部が高く評価したと伝わる水指「破袋」(No.204)は実物を見ておきたいところです。作中の描写と実物の来歴は別のものなので、会場では所蔵館の解説もあわせて読んでみてください。どちらも通期展示です。

『刀剣乱舞』のファンには、刀剣男士のモデルになった実在の名物刀が2口出品されています。後期だけの展示もあるので日程に注意してください。『刀剣乱舞』『へうげもの』『どうする家康』などにゆかりのある24件は、出品作品130件リストのメディア関連フィルタでまとめて確認できます。

No.232 名物 鯰尾藤四郎通期・愛知・徳川美術館蔵。薙刀を脇指に直した姿が鯰の尾に似ることが名の由来。秀吉から秀頼へ伝わった豊臣家の名物で、大坂落城で焼け、徳川家康のもとで初代越前康継が焼き直したと所蔵館は説明しています。刃長は目測で60cmほどでした。
No.216 名物 南泉一文字後期(10/14〜11/8)のみ・重要文化財・愛知・徳川美術館蔵。鎌倉時代の無銘の刀です。音声ガイドによると、足利将軍家から豊臣家に伝わり、のちに秀頼から家康へ贈られました。10月17日に実物を見ると、刀身に曇りがなく、澄んだ状態に見えました。後期にはこの刀を描いたNo.215 刀絵図も並びます。
AI生成イメージ:名物・鯰尾藤四郎(出品No.232)を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ
AI生成イメージ 出品作品No.232「脇指 銘 吉光 名物 鯰尾藤四郎」を参考に制作したイメージです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。
AI生成イメージ:名物「南泉一文字」(出品No.216・後期展示)を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ
AI生成イメージ 出品作品No.216「刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字」(後期展示)を参考に制作したイメージです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

千成瓢簞(No.44・通期):秀吉の馬印として知られ、戦に勝つたびに瓢簞を増やしたと伝えられます。展示されているのは江戸時代の品です。

館内でもう少し楽しむ|ドラマ展示・ショップ・コラボ御膳・家康像

歴史資料の展示室は撮影禁止ですが、館内には大河ドラマ関連の展示やフォトスポット、特設ショップ、コラボメニューもあります。あわせて立ち寄ってみてください。

大河ドラマの美術展示とフォトスポット

豊臣秀吉と秀長の肖像を配した「豊臣兄弟!」展のフォトパネル
秀吉と秀長の肖像を大きく配した記念撮影用パネル

館内の通路には、秀吉と秀長の肖像を配した大型パネルや、ドラマの主要人物の等身大パネルが置かれ、来館記念の撮影スポットになっていました。

大河ドラマ「豊臣兄弟!」のデザインとバーチャルプロダクションを紹介するパネル
大河ドラマ「豊臣兄弟!」の美術制作を紹介する館内の展示パネル

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館内には、大河ドラマ『豊臣兄弟!』の美術制作を紹介する展示があります。リアルなセットとCG・VFX、バーチャルプロダクションを組み合わせた撮影の仕組みが、パネルと大型画面で紹介されていました。

ここは撮影OK|長浜城内を再現したエリア

長浜城の城内を再現した実物大の展示空間と大型映像
長浜城の内部を再現した実物大の空間と、あわせて流れる大型映像

館内には、秀吉が初めて城持ち大名となった長浜城の内部を再現した実物大の空間があり、大型の映像と組み合わせて紹介されていました。歴史資料の展示室内は撮影禁止でしたが、このエリアは撮影が可能です。記念に一枚残しておきたいスポットです。

特設ショップ|図録と豊臣グッズ

「豊臣兄弟!展限定オリジナル」と書かれた特設ショップの案内
赤い枠の値札が付いた商品が、展覧会限定のオリジナルグッズ(2026年10月17日撮影)

特設ショップには、図録や豊臣政権・城郭に関する書籍のほか、文具、布製品、器、菓子などが並んでいます。会場の出口を出てすぐの場所にあるので、展示を見終えたら自然に立ち寄れます。

赤い枠の値札が付いた商品は「豊臣兄弟!」展の限定オリジナルで、店頭の案内には「ここしか売ってない」と書かれていました。案内に挙がっていたのは、A4クリアファイル、ポストカード、ステッカー、アクリルマグネット、折りたたみ定規、Tシャツ、てぬぐい、しおり、ステンレスサーモボトル、一澤信三郎のトートバッグ、ネックピローなどです。南泉一文字の図柄を入れた布製品や、ロゴ入りの湯呑、瓢箪形の徳利とぐい呑みのセットもありました。

絵はがきの棚には「東京展」「大阪展」「名古屋展」「三館共通」の札が付いていて、会場ごとの図柄を見比べられます。10月17日の値札では、ポストカードが1枚200円、しおりが400円でした。価格や在庫は変わることがあります。

特設ショップの入口
特別展に関連する書籍や図録が並ぶショップの棚
豊臣家の意匠を使った文具や雑貨が並ぶ商品台
特設ショップの商品棚の様子
特設ショップに並ぶ限定グッズ
特設ショップのオリジナルグッズ

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布製品・バッグ
桐紋や書の意匠を使ったトートバッグ類
南泉一文字の図柄と家紋柄の布製品
展覧会オリジナルの布製品と小物
書や家紋を配した白いポーチ
器・酒器
展覧会ロゴ入りの湯呑とグラス
瓢箪形の徳利と兄弟ぐい呑みのセット
木目模様のトレーとコースター、富士山柄のしおり
小物・文具
金色のポーチと書の缶バッジ
金色の飾りを使ったストラップ類
桐紋のステッカーと縦長の記念品
クリスタルガラス製の記念グッズ
キーホルダーとイラスト入りの缶ケース
紙もの・書籍・食品
展示物の絵ハガキ
展覧会の図録と桐紋のケース
家紋柄の箱など菓子の土産売り場
大河ドラマの人物写真を使ったグッズ

タップすると拡大できます。商品・価格は撮影時点のものです

コラボ御膳「2色せいろ飯 兄弟御膳」|和ダイニング こよみ

真上から撮影した「豊臣兄弟!」展コラボの2色せいろ飯 兄弟御膳
「2色せいろ飯 兄弟御膳」(2026年9月19日撮影)

館内のレストラン「和ダイニング こよみ」では、特別展とのコラボメニュー「2色せいろ飯 兄弟御膳」を食べました。ひとつのせいろの中で、海老天・錦糸卵・わらび餅が兄・秀吉を、鶏の照り焼き・栗とさつまいも・柿なますが弟・秀長を表しています。筆者が注文した日の価格は2,800円で、限定20食と案内されていました。公式ページは和ダイニング こよみで確認できます。

海老天と鶏の照り焼きを盛り合わせた2色せいろ飯の接写
抹茶色のわらび餅にきな粉を添えた甘味

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金色に見えるのは金粉ではなくきな粉で、わらび餅自体も抹茶わらび餅でした。抹茶のほろ苦さと、きな粉のくどくない優しい甘さが合わさって、なかなかおいしい組み合わせです。せいろのご飯には栗とさつまいもも入っており、その自然な甘みが、海老天や鶏の照り焼きの塩気とのよい対比になっていました。

卓上の案内では、提供期間は9月15日から11月8日までの予定で、揚げ野菜は仕入れにより変わる場合があるとのことでした。価格や提供状況は変わることがあるので、当日お店でご確認ください。

混雑と、お店の場所

筆者が訪れたのは14時ごろでしたが、すでに列ができており、席に着けたのは14時30分。店員の方からは、この限定メニューは残り2食とのことでした。食べたい方は早めに行くのがおすすめです。お店の場所はやや分かりにくく、博物館の線路側から見て奥になります。下の地図を参考にしてください。

「和ダイニング こよみ」の場所

博物館北側の徳川家康像

亀の台座上に立つ鷹狩姿の徳川家康像
亀の台座の上に立つ鷹狩姿の家康像

博物館の北側の緑地には、笠をかぶり、左手に鷹を掲げた鷹狩姿の徳川家康像が立っています。豊臣兄弟の時代のあとに江戸を開いた人物の像なので、展覧会の帰りに寄ってみてください。

徳川家康像の建立経緯を記した金属製銘板
鷹狩姿の徳川家康像を別角度から撮影した写真
徳川家康像の周辺を撮影した写真

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台座の銘板には、江戸消防記念会による建立の趣旨と像の構成が記されています。像は高い石柱の上に立ち、足元を大きな亀の造形が支えています。

家康が築いた江戸の城跡を歩くなら、江戸城跡(皇居)完全ガイドもどうぞ。

前期に展示された資料|9月19日の鑑賞記録(展示終了)

ここからは、前期(9月15日〜10月12日)だけ展示され、すでに展示を終えた資料です。会期中にもう見ることはできませんが、2026年9月19日に見たときの記録として残しています。会場で見られる資料はいま会場で見られる資料をご覧ください。

① 書状と人物|秀吉自筆の遺言状案と、秀長に宛てた書置(前期で終了)

AI生成イメージ:豊臣秀吉自筆遺言状案(出品No.230)を参考に制作した色鉛筆画調のイメージ
AI生成イメージ 出品作品No.230「豊臣秀吉自筆遺言状案」を参考に制作したイメージです。展示品の実物写真や正確な復元図ではありません。

前期の目玉のひとつだったのが、No.230 重要文化財「豊臣秀吉自筆遺言状案 いへやすほか宛」(山口・毛利博物館蔵)です(10月12日で展示終了)。慶長3年(1598)8月5日付で、徳川家康ら宛の遺言状の「案」にあたります。実物を見ると、ひらがなが多いことに気づきます。筆者は、後を託す相手を頼りにする気持ちが伝わってくるように感じました。実物のサイズは目測で横60×縦40cmほどでした。

兄弟の関係を示す資料としては、弟・秀長(美濃守)に宛てたNo.41「羽柴秀吉書置 美濃守宛」とNo.64「羽柴秀吉書状 美濃守宛」が並んでいました。No.41は10月4日で展示を終え、No.64は通期で見られます。

見どころ
  • 遺言状案の文字:漢字より、ひらがなの多さに目が行きます。これは正式に送られた最終版ではなく、下書きとのことです。
  • 秀長宛の2点:No.41は書置、No.64は書状。書式の違う2点から、秀吉が弟にどう接していたかがうかがえます。
  • 肖像画:前期には京都・禅林寺蔵の豊臣秀吉像(No.2)も展示されていました。
  • No.64の日付:天正12年(1584)6月18日付で、小牧・長久手の戦いが続いていた時期の書状です。
No.230 遺言状案前期(9/15〜10/12)・重要文化財・毛利博物館蔵
No.41 書置9/15〜10/4・長浜城歴史博物館蔵
No.64 書状通期・田中本家博物館蔵

② 具足|東京会場だけで公開された秀吉所用の甲冑(前期で終了)

No.122 重要文化財「銀伊予札白糸威胴丸具足」(宮城・仙台市博物館蔵)は、豊臣秀吉所用と伝わる甲冑です。展覧会の案内では、秀吉から伊達政宗に与えられた品で、今回の巡回展では東京会場のみの公開と紹介されています。展示は前期のみで、10月12日に終了しました。

全体の華やかさだけでなく、上から下までゆっくり見てみてください。筆者は、足元の布の部分、兜に付いた動物の毛のように見える部分、金色の扇形の飾りが印象に残りました。

  • 豪華な仕立て:銀箔を押した伊予札を白糸で威し、金具には菊と桐の紋が蒔絵であしらわれています。
  • 熊毛の兜:筆者が「動物の毛のよう」と感じた兜は、熊の毛を植えたものです。桃山時代らしい大胆な意匠です。
  • 金色の扇形:前後に付いた金色の扇形の飾りも、実物ではよく目立ちます。
  • 背景:天正18年(1590)、小田原の北条氏を滅ぼした秀吉から伊達政宗に与えられたと伝わります。

展示からゆかりの地へ|関連記事

大阪展・名古屋展の記事は、それぞれの会場で開かれた展示の訪問記録です。会場ごとに出品資料や撮影の条件が異なるため、東京展の情報はこのページでご確認ください。名古屋展・大阪展で見た作品と東京展の差分は、出品作品130件リストの会場フィルタで確認できます。

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よくある質問

2026年9月15日(火)から11月8日(日)まで、江戸東京博物館1階特別展示室で開催されます。休館日は月曜日(9月21日・10月12日・11月2日は開館)と、9月24日・10月13日・11月4日です。

筆者はメモを取りながら細かく見て、特別展だけで約2時間20分かかりました。ショップに10〜15分、常設展もあわせて見るならさらに2〜3時間ほどみておくと安心です。

筆者が訪れた2026年9月19日と10月17日は、どちらも歴史資料の展示室内は撮影禁止でした。館内のドラマ関連展示やフォトスポット、長浜城内を再現したエリアでは記念撮影ができました。

事前予約は不要です。ただし筆者が訪れた9月19日・10月17日(どちらも土曜)は、当日券売り場に長い列ができていました。10月17日は、見た限りで購入まで20〜30分ほどかかりそうでしたが、事前にオンラインチケットを買っていたので入口ではすんなり入れました。来館前に購入しておくのがおすすめです。

前期は10月12日で終わり、秀吉所用の具足(No.122)と秀吉自筆遺言状案(No.230)の展示も終了しました。後期(10月14日〜11月8日)には名物 南泉一文字(No.216)や刀絵図(No.215)、秀長・信長・家康の肖像画などが並びます。後期の中でも、No.95 福智長通書状案と長久手合戦図屏風(No.54)は10月25日まで、10月27日からはNo.96とNo.56に替わります。荒木・破袋・鯰尾藤四郎などは通期で展示されます。全体の入れ替わりは出品作品130件リストで確認できます。

特別展の観覧券(一般2,100円)だけでは常設展には入れません。両方見る場合は、特別展と常設展のセット券(一般2,740円、江戸東京博物館とそのオンラインチケットで販売)が用意されています。

筆者が訪れた2026年9月19日(土)10時ごろは、当日券の売り場に長い列ができ、展示室内も全体に人が多く、順路の最初ではケースの前で待つ場面がありました。後期の10月17日(土)11時ごろも当日券の列は長く、購入まで20〜30分ほどかかりそうでした。混雑は日や時間帯によって変わるため、オンラインチケットを事前に購入し、空いている展示から見ていくのがおすすめです。

東京国立博物館の特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」との相互割引があります。大徳寺展のチケット半券またはオンラインチケット画面を江戸東京博物館のチケット売り場で見せると、特別展専用券の一般が2,100円から2,000円、セット券の一般が2,740円から2,640円になります(2026年10月17日に会場の掲示で確認。ほかの割引との併用不可、招待券は対象外)。このほか、コープデリやベネフィット・ワンなど、会員向けサービスや福利厚生を通じた割引もあります(2026年9月20日時点)。

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