1階は無料で、発掘された戦国時代末期の道と石垣を見られます。2階の基本展示は一般600円。JR静岡駅北口から徒歩約15分です。2026年秋は3階が企画展の会場になっていて、基本展示を見られるのは2階だけです。
静岡市歴史博物館は、駿府城公園の東御門・巽櫓(たつみやぐら)と堀をはさんで向かい合う、静岡市の博物館です。JR静岡駅北口から徒歩約15分(公式案内)で、駅周辺の観光に組み込めます。館内の窓からは、堀ごしに復元された巽櫓が見えます。
1階は入館無料で、博物館の建設前に発掘された戦国時代末期の道と石垣が、そのまま展示されています。2階は有料の基本展示(一般600円)で、徳川家康の一生、家康が幼少期を過ごした駿府と今川氏、海外との交流を扱います。遺構だけを見るなら、1階で足ります。家康の生涯や海外交流の展示を見るなら、2階へ上がってください。
一般に「常設展」と呼ばれる展示を、この館では「基本展示」と呼びます。展示のテーマは変わりませんが、個別の資料は定期的に入れ替わります。このページの展示内容は、筆者が見た2026年10月11日時点のものです。
筆者が勧めたいのは、次のような人です。まず、1階の「道と石垣」を見たい人。当時の石垣が現代的な建物の中に取り込まれていて、一見の価値があります。次に、教科書で習った以上の、家康と海外とのやり取りを知りたい人。2階にはその紹介があります。書状などは筆者が見た範囲では複製が多めでしたが、展示の雰囲気は十分に伝わります。『どうする家康』で家康に関心を持った人は、ドラマで描かれた人物を史料と遺構で確かめる場所として使えます。ドラマと史実は分け、このページでは展示で確認できたことを中心に書きます。
3階の基本展示は2026年9月25日から12月12日まで休止です。12月13日から再開する予定と公式に告知されています。10月10日から11月29日までは、3階全体が企画展「徳川家康と豊臣政権」の会場です。この期間に基本展示を見られるのは、2階だけです。
企画展だけの券は一般600円、基本展示とあわせた券は1,200円です。企画展と関連講演のレポートは、別の記事で書きます。
静岡市歴史博物館で見られるもの
1階の道と石垣の遺構
博物館の建設前に発掘された、戦国時代末期の道と石垣

1階に露出展示されています。見学通路から、土の路面と低い石垣の列を、斜めや路面に近い目線で見られます。当時の石垣が現代的な建物に取り込まれている点は、筆者が実際に見て「一見の価値がある」と感じたところです。
解説板によると、道は幅2.7m、展示されている部分の長さは33mで、整備されたのは天正の後期と推測されています。CG復元図には、道の両側に石垣と塀が並ぶ景観が描かれています。
| 発見の経緯 | 博物館建設前の発掘調査 |
|---|---|
| 道の幅 | 2.7m |
| 展示部分の長さ | 33m |
| 整備時期 | 天正の後期と推測(解説板) |
| 保存の取り組み | ひび割れの修復、石膏と判明した白色物への対処、地下水位の計測(解説板) |





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2階の基本展示
家康の一生、今川氏と駿府、海外との交流

2階の公式テーマは「『首都』駿府と世界」「家康の一生」「家康を育んだ地 駿府」です。「首都」は展示のテーマを表す言葉で、駿府が国の正式な首都だったという意味ではありません。公式サイトによると、家康の生涯75年のうち25年を駿府で過ごしました。幼少期には今川氏のもとで駿府に暮らし、1605年に将軍職を子の秀忠に譲ったあと、1607年に駿府城へ入っています。
筆者の印象に残ったのは、家康の時代に献上された品々の復元と、家康と接点のあった外国人の紹介です。復元された望遠鏡と置時計が展示されていました。紹介されていたのはウィリアム・アダムス、ヤン・ヨーステン、セバスティアン・ビスカイノ、ジョン・セーリスの4人で、筆者はビスカイノとセーリスについて、今回初めて詳しく知りました。甲冑の復元模造も展示されていました。
2階の展示室は撮影できないため、このページに2階の写真はありません。
家康が入る前の駿府と今川氏
公式サイトでは、幼少期の家康を育てたのは、駿府を拠点にした今川氏だと説明しています。今川氏の文化は、いまの静岡にも影響を残しているとされます。紹介されている資料には、鎧を着た今川義元を描いた「桶狭間今川義元血戦」の絵画や、義元の花押(自筆のサイン)があります。家康(当時は元康)は17〜19歳のころ、義元の花押に似た形の花押を使ったと説明されています。「家康の一生」では、年齢によって形が変わる家康の花押や、死後に神としてまつられた姿の肖像画(東照大権現像)も紹介されています。
筆者が以前訪れたときは、家康が駿府に入る前の今川氏についても、詳しい説明があったと記憶しています。展示は入れ替わるため、上の資料が筆者の訪問日に並んでいたとは限りません。
海外の人物と贈り物
下の表は、筆者が2階で目にした内容と、その歴史的な背景です。展示替えがあるため、同じ資料がいつも並ぶとは限りません。人名の表記は、展示のラベルと異なる場合があります。
| 人物 | 内容 |
|---|---|
| ウィリアム・アダムス | イギリス人の航海士で、家康に仕えました。三浦按針(ウィリアム・アダムス)の生涯は別の記事でまとめています。 |
| ヤン・ヨーステン | オランダ人。家康の外交顧問・通訳として働き、朱印船貿易にも関わりました。 |
| セバスティアン・ビスカイノ | スペインの使節・探検家。スペイン国王フェリペ3世から家康への時計を届けました。国王の贈り物で、ビスカイノ個人の贈り物ではありません。難破したスペイン人一行を救助したことへの謝礼とされています。来日の目的には、伝説上の「金銀島」の探索と、日本沿岸の測量もありました。 |
| ジョン・セーリス | イギリス人。1613年に家康へ望遠鏡を献上しました。 |
そのほかに目に留まった展示
- 動く浮世絵。壁に投射されていました。
- ヨーロッパやアジアとの関係を示す壁面の展示。駿府と海外のつながりを見渡せます。
- 紅糸威腹巻(べにいとおどしはらまき)の復元模造。原品は静岡浅間神社に伝わり、家康の着初めの腹巻と伝えられています。展示されているのは復元模造で、原品ではありません。
- 丸山東照宮にかかわる扁額(へんがく)と食器。丸山東照宮は、静岡浅間神社の奥にある東雲神社の前身で、久能山東照宮とは別の神社です。場所は、この下の地図で確認できます。
丸山東照宮(東雲神社)の場所
2階の展示に出てくる丸山東照宮は、静岡浅間神社の奥にある東雲神社の前身です。静岡市葵区丸山町にあり、久能山東照宮とは別の神社です。駿府城内にあった東照宮を、静岡浅間神社(当時の府中浅間神社)の別当寺の境内に移したと伝えられています。
撮影できる置時計の複製は、駿府城公園の坤櫓にあります
2階の置時計は撮影できません。駿府城公園の坤櫓の中にも置時計の複製があり、こちらは撮影できます。次の2枚は、坤櫓の中で筆者が撮影した写真です(正面と横から)。坤櫓は、公園の有料施設の一つです。


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館内の窓から望む巽櫓
博物館から堀ごしに見える駿府城

館内の通路には大きな窓があり、堀ごしに巽櫓を眺められます。巽櫓は1989年に復元された建物で、家康の時代から残る櫓ではありません。展示で駿府城の姿を知ったあとで窓の外に目をやると、堀の向こうに復元された櫓が建っています。
東御門は1996年、巽櫓は1989年に復元された建物です。公園側では、東御門・巽櫓の修繕工事が2026年秋に行われていて、公式は通常どおり開館するとしています(2026年9月5日公表)。工事の囲いなどは、時期によって見え方が変わります。


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基本展示の所要時間と、駿府城公園との回り方
2階の基本展示だけなら、筆者は約20分でした。ただし、筆者はこれまでにも何度か訪れていて、全展示を細かく読んではいません。ウィリアム・アダムスの区画と、2026年9月に入れ替わった箇所を重点的に見た時間です。初めて全体を読む場合は、これより長くなります。1階の遺構は、5〜10分ほど見ておけば足ります。企画展と関連講演の時間は含みません。
筆者の当日の流れ(2026年10月11日)
静岡駅に着いて、そのまま博物館へ向かいました。1階の遺構と2階の基本展示を見ています。
おなかが空いたので、静岡おでんのお店「おがわ」に寄りました。そのあと、お土産のせんべいを葵煎餅本家で買いました。どちらも別のページで紹介する予定です。
公園の有料施設のうち、坤櫓と紅葉山庭園を見学しました。お茶も飲みました。
企画展にあわせた講演「家康と秀吉がいた静岡」を聞きました。内容は別の記事で書きます。
講演のあとは、東御門・巽櫓の門の中に入り、瑞龍寺へ向かいました。
公園と博物館、どちらを先にするか
JR静岡駅からも新静岡駅からも、歩くと博物館のほうが駿府城公園より手前にあります。順路としては、博物館を先に見るのがお勧めです。展示で家康と駿府の前提を知ってから、公園で城の空間を見られます。ただし、公園の有料施設は最終入場が16:00と早いため、午後から回る場合は公園を先にします。
| 順序 | 向く場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 博物館を先にする(お勧め) | 午前から回る場合。駅から歩いて、手前の博物館から入りたい場合。 | 博物館の最終入場は17:30です。公園の有料施設は16:00までなので、博物館に時間をかけすぎないようにします。 |
| 公園を先にする | 午後から回る場合。公園の共通券の半券を博物館の窓口で見せて、基本展示の割引を使いたい場合。 | 公園の有料施設は最終入場が16:00です。博物館で先に通常料金の券を買った場合に、あとから割引を受けられるかは、公式の案内に書かれていません。 |
料金・チケット・開館時間
必要な券は、どこまで見るかで決まります。次の表は、一般・個人1名が同じ日に見る場合の総額です(2026年10月12日に公式サイトで確認)。
| 見学範囲 | 総額 | 内訳・条件 |
|---|---|---|
| 博物館の1階だけ | 0円 | 観覧券は不要です。2階の基本展示は含みません。 |
| 博物館の基本展示 | 600円 | 2026年秋は2階のみ見学できます。 |
| 東御門・巽櫓+基本展示 | 800円 | 公園の施設券200円+基本展示600円。 |
| 公園の3施設+基本展示 | 860円 | 共通券360円+半券割引の基本展示500円。同じ日に利用した場合です。 |
| 同じ範囲を個別の券で買う場合 | 1,050円 | 200円+100円+150円+600円。860円との差は190円です。 |
| 企画展だけ(〜11月29日) | 600円 | 企画展と基本展示の両方を見る券は1,200円です。半券割引で1,100円になります。 |
| 筆者が購入したセット券(基本展示+企画展+公園3施設) | 1,300円 | 2026年10月11日に博物館の窓口で購入。個別に買うと、公園の共通券360円+基本展示と企画展の券1,200円で1,560円です。 |
800円と860円は、見学範囲が違います。公園で見るのが東御門・巽櫓だけなら、割引のために3施設の共通券を買う必要はありません。共通券には博物館の入場は含まれないので、博物館の券は別に買います。公園の3施設は、東御門・巽櫓、坤櫓(ひつじさるやぐら)、紅葉山庭園です。
基本展示の割引対象は、高校生・大学生と静岡市内に住む70歳以上が420円、小中学生が150円です。市内に住むか通う小中学生と未就学児は無料です。割引や無料の対象になる場合は、証明できるものを窓口で見せます。
筆者は2026年10月11日、窓口で、基本展示と企画展、駿府城公園の3施設(東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園)に入れる券を1,300円で購入しました。公園3施設の共通券は通常360円で、基本展示と企画展をあわせた券は1,200円なので、別々に買うと1,560円です(公園の半券割引を使っても1,460円)。このセット券は、博物館の料金表にも企画展のページにも載っていませんでした。いまも販売されているかは確認していないため、窓口で尋ねてください。公式のオンライン販売(e-tix)もあります。通常券はクレジットカードかd払いで買え、変更はできず、当日8時までならキャンセルできます。割引や無料の手続きは、当日の窓口で行います。
開館時間と休館日
| 博物館 | 9:00〜18:00。展示室への入場は閉館の30分前(17:30)までです。月曜が休館で、祝日・休日にあたる場合は開館し、翌平日が休みになります。年末年始は12月29日〜1月3日です。 |
|---|---|
| 駿府城公園の有料施設 | 9:00〜16:30。入場は16:00までです。月曜が休園で、月曜が祝日の場合は開園し、振替の休みはありません。 |
博物館は、展示替えなどで臨時に休館する日があります。年末年始は、購入サイトの表記が公式より1日ずつ広いため、年末に行く場合は公式の年間カレンダーで確認してください。公式情報は 静岡市歴史博物館の利用案内、駿府城公園の入場料・開館時間、オンライン販売です。
JR静岡駅・新静岡駅からのアクセス
| 住所 | 静岡県静岡市葵区追手町4-16 |
|---|---|
| JR静岡駅から | 北口から徒歩約15分(公式案内) |
| 新静岡駅から | 徒歩約8分(公式案内) |
| バス | 「県庁・静岡市役所葵区役所前」下車、徒歩約6分(公式案内) |
| 東京から | 東海道新幹線で静岡駅へ。JR東海の案内では、ひかりが約1時間、こだまが約1時間20分です。 |
| 京都から | 東海道新幹線で静岡駅へ。ひかりで約1時間40分、こだまで約2時間15分が目安です。 |
| 駅ナンバリング | JR静岡駅は東海道本線の「CA17」、新静岡駅は静岡鉄道の「S01」です。 |
新幹線や東海道線で来る場合は、JR静岡駅の北口に出るのが基本です。JR静岡駅から歩く場合に、徒歩を短くするためだけに静岡鉄道へ乗り換える必要はありません。静岡鉄道で来る場合は、新静岡駅から歩きます。徒歩の時間は公式の案内値で、信号待ちや駅構内の移動は含まれません。下の地図は、各駅からの徒歩ルートです。所要時間は、公式の案内値を目安にしてください。
東京・京都から静岡駅まで
静岡市は、東海道新幹線で東京と名古屋のあいだにあります。東京からも京都からも、静岡駅で降りれば博物館まで歩けます。乗る列車は「ひかり」か「こだま」で、「のぞみ」は静岡駅に停まりません。ひかりも全部が停車するわけではなく、静岡に停まる便は1時間に1本ほどです。時刻表で停車駅を確かめてから乗ってください。
| 出発 | ひかり | こだま | 出典・備考 |
|---|---|---|---|
| 東京駅から | 約1時間 | 約1時間20分 | JR東海の案内値 |
| 京都駅から | 約1時間40分 | 約2時間15分 | 乗換案内サイトの掲載値をもとにした概数 |
JR静岡駅北口から歩く
JR静岡駅の北口を出ると、駅前に徳川家康と、幼名の竹千代の像があります。ここから博物館へ歩きます。
新静岡駅から歩く
筆者は静岡駅に着いて、そのまま博物館へ向かいました。帰りは、JR静岡駅の北口へ戻るのが基本です。バスは、しずてつジャストライン「県庁・静岡市役所葵区役所前」で降りると、徒歩約6分です。のりば・便・料金は、利用する日を指定して しずてつジャストラインの案内で確認してください。10月25日にダイヤ改定が公表されています。駿府浪漫バスは2025年9月30日に運行を終えているため、古い案内にある「浪漫バスで直行」はできません。
駿府城公園と家康ゆかりの地を組み合わせる
駿府城公園は博物館のすぐそばで、同じ日に回せます。静岡浅間神社と久能山東照宮は別の場所にあり、公園と同じ感覚で足を延ばせる距離ではありません。
| 場所 | 博物館との組み合わせ方 |
|---|---|
| 駿府城公園 | 東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園の3施設が有料です。博物館の展示と城の空間を、同じ日に組み合わせられます。 |
| 静岡浅間神社 | 家康にゆかりのある神社として、静岡市の観光公式が紹介しています。別の場所(葵区宮ヶ崎町)にあり、一部の社殿は改修中です。駅からは安倍線などのバスで赤鳥居下車と案内されています。奥には、東雲神社(丸山東照宮)があります。 |
| 久能山東照宮 | 静岡駅から日本平線のバスで約45分、さらにロープウェイ約5分と公式が案内しています。博物館や公園とは別の行程として考えます。 |
撮影・荷物・展示解説アプリ
2階の展示室は、一切撮影できません。公式は「展示室内は一部を除き撮影禁止」と案内しているので、そのほかの場所は館内の掲示で確認してください。このページの博物館の写真は、1階の遺構、館内の窓からの眺め、外観です。1階には、100円で戻ってくるコインロッカーが70台あります。入らない大きな荷物は、1階のインフォメーションに相談します。
無料のアプリ「ポケット学芸員」では、展示の解説や音声を聞けます。日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語に対応し、iOSとAndroidで使えます。筆者はこのアプリを使っていないので、使い勝手は確認していません。
よくある質問
はい。1階は入館無料で、道と石垣の遺構を見られます。2階の基本展示は有料です。
別の券です。2026年10月の企画展には、企画展だけの券(一般600円)と、基本展示とあわせた券(1,200円)があります。基本展示も見るなら、後者を選びます。
東御門・巽櫓、坤櫓、紅葉山庭園の共通券の半券を、同じ日に博物館の窓口で見せると、基本展示が一般500円になります。割引の手続きは窓口で行います。
博物館は祝日・休日の月曜も開館し、翌平日が休館になります。駿府城公園は月曜が祝日なら開園し、振替の休みはありません。休みの考え方が違うので、連休は特に日付を確認してください。

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