盛岡城跡公園(岩手公園)は、岩手県盛岡市の中心部に広がる城跡公園です。かつて南部家の居城として約400年の歴史を刻んだ盛岡城は、現在は天守も城郭建物も残っていません。残っているのは、段々に積み上げられた花崗岩の石垣、本丸・二ノ丸・三ノ丸の曲輪跡、移築された蔵「彦蔵」、城下に時を告げた時鐘、そして伝承ある巨石・烏帽子岩です。
盛岡城跡から宮古街道を歩いた先には、南部家ゆかりの盛岡八幡宮があります。石垣が残る城跡と、今も信仰の場として続く神社を合わせて歩くことで、盛岡の城下町としての広がりを感じられます。
この記事では、盛岡城に何が残っているか、どう歩くか、もりおか歴史文化館の見どころ、御城印・御朱印の入手情報、城跡から盛岡八幡宮へのルート例を紹介します。
盛岡城跡公園・盛岡八幡宮 ひと目でわかるポイント
| 🏯 現存天守 | なし(石垣・曲輪跡のみ) |
| 🧱 石垣 | ◎ 花崗岩の石垣が各曲輪に残る |
| ⏱ 所要時間 | 城跡のみ約1時間 / 資料館込み2時間超 八幡宮まで含めると3時間超 |
| 🚃 盛岡駅から | 徒歩15〜20分 / ループバス約10分 |
| 📜 御城印 | あり(もりおか歴史文化館。2026/5/30販売確認) |
| 🅿 駐車場 | 地下駐車場あり(普通車93台) |
| 🏮 盛岡八幡宮 | 城跡から徒歩約20分。南部重信建立(1680年) |
| 👣 おすすめ | 歴史好き・城跡散策・スタンプラリー |
盛岡城跡公園の見どころ
盛岡城跡公園の最大の見どころは、花崗岩の石垣と、本丸・二ノ丸・三ノ丸が段々に連なる地形です。天守や城郭建物は残っていませんが、石垣の高低差や曲輪跡を歩くことで、かつての城の立体的な構造を感じられます。
特に、本丸跡から二ノ丸跡へつながる渡雲橋周辺は印象的です。橋の上から見下ろすと、二ノ丸跡の石垣が一段低い位置に広がり、城跡らしい奥行きのある景観を楽しめます。
アクセス
盛岡城跡公園の最寄り駅はJR盛岡駅です。東京方面からは東北新幹線・秋田新幹線の「はやぶさ」「こまち」などを利用し、盛岡駅まで約2時間15分前後が目安です。列車により所要時間は変動します。
最寄り駅
JR盛岡駅(東北新幹線・秋田新幹線・東北本線ほか)
徒歩時間
盛岡駅から約15〜20分(目安)。ほぼ平坦ですが夏は距離を感じやすいため、バス利用も便利です
推奨交通手段
盛岡駅→城跡は徒歩またはでんでんむしバスが便利。城内は徒歩のみ(車乗り入れ不可)
ループバス
でんでんむし(盛岡市内ループバス)で約10分。右回り15番乗り場・左回り16番乗り場(乗り場は事前に確認)
現地移動難易度
城跡公園内は石段・坂道が多く、歩きやすい靴が必須。雨天は足元が滑りやすい箇所あり。盛岡八幡宮まで宮古街道を歩く場合は平坦な街中のルートです
駐車場
盛岡城跡公園地下駐車場(普通車93台)入出庫7:00〜22:00
もりおか歴史文化館
バス停「県庁・市役所前」から徒歩約4分、「盛岡城跡公園」から徒歩約4分
盛岡駅のバス乗り場は複数あります。でんでんむしを利用する場合は、右回り・左回りと乗り場番号を確認してから乗車ください。城跡内は石段や坂道が続くため、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。
盛岡城跡公園(岩手公園)の位置
南部家と盛岡城—城下町の歴史
なぜ盛岡城はここに作られたのか
盛岡城は、南部家の居城として築かれた城です。南部家は陸奥・甲斐にルーツを持つ武将家で、戦国時代から江戸時代を通じて岩手・盛岡を治めました。南部信直は豊臣秀吉に従い、1597/1598年頃から新たな居城の築城を開始しました。その後、南部利直、南部重直の代にわたって整備が進められ、1633年頃に南部重直が入城し、城郭がほぼ完成したと伝えられています。
なぜ天守が消えたのか
城内でもっとも高い場所には三階の建物(三階櫓)が建てられており、天保13年(1842)以降は「天守」とも呼ばれるようになりました。この建物自体は現存していません。明治維新後の1874年(明治7年)、城内の建物のほとんどが取り壊されました。その後、1906年(明治39年)に「岩手公園」として市民に開放され、1937年(昭和12年)に国の史跡として指定されています。
なぜ盛岡八幡宮とセットで歩くのか
城下町の整備の一環として、南部重信は1680年(延宝8年)に盛岡八幡宮を建立しました。城の東側から宮古街道を通じて八幡宮へとつながるルートは、城と神社を一体として見られる道です。この道を歩くことで、かつての城下町の広がりを体感することができます。
もりおか歴史文化館で南部家を知る
もりおか歴史文化館では、南部家と盛岡城、城下町の歴史を展示資料や模型を通じて学ぶことができます。訪問時には「豊臣と南部」をテーマにした特別展が開催されており、豊臣政権・徳川政権との関係の中で南部家がどのように盛岡を治めたのかを知る手がかりになりました。
黒田官兵衛の合子形兜のレプリカなど、武具に関心がある人にも印象に残る展示がありました。展示内容は時期により変わります。
館内には甲冑・兜などの武具も展示されており、黒田官兵衛(孝高)の合子形兜(ごうすなりかぶと)のレプリカをはじめ、見どころのある品が並んでいました。武具に関心がある方にも十分楽しめる内容です。
訪問時の展示では、この合子形兜が盛岡に伝わった経緯が次のように説明されていました。
黒田官兵衛(孝高)はこの兜を、家臣の栗山利安に譲ります。利安の息子・栗山利章に引き継がれた後、1632年に黒田家との対立(黒田騒動)が起こります。幕府はこの騒動の責任を問い、栗山利章を盛岡藩に配流します。盛岡藩主・南部重直は利章を厚遇し、利章は盛岡で没しました。その後、子孫は盛岡藩士となり、やがて栗山家の子孫から南部家に贈られたのが、この兜のいわれとされています。
現地の展示に基づく説明です。
📜 盛岡城・盛岡八幡宮 年表(概要)
| 年代 | 出来事 |
|---|---|
| 1597/1598年頃 | 南部信直が新居城の築城を開始 |
| 1633年頃 | 南部重直が入城、城郭ほぼ完成 |
| 1680年 | 南部重信、盛岡八幡宮を建立 |
| 1842年(天保13) | 三階櫓を「天守」と呼ぶようになる |
| 1874年(明治7) | 城内建物の多くが取り壊される |
| 1906年(明治39) | 岩手公園として市民に開放 |
| 1937年(昭和12) | 国の史跡に指定 |
| 1997年 | 盛岡八幡宮現社殿が新八幡宮として建て直し |
※年代の一部は史料・表記により差がある場合があります。
🗡 盛岡城と主な南部家当主
- 南部信直(のぶなお):豊臣秀吉に従い、盛岡城の築城を開始
- 南部利直(としなお):盛岡城の整備を継続
- 南部重直(しげなお):1633年頃に入城、城郭ほぼ完成
- 南部重信(しげのぶ):盛岡八幡宮を建立(1680年)
- 南部利祥(としなが):明治期の南部家出身陸軍中尉。騎馬像台座ゆかりの人物
盛岡城に何が残っているか
| 残っているもの | 種別 | 説明 |
|---|---|---|
| 石垣 | 遺構 | 盛岡城で最も目立つ遺構。各曲輪を囲むように残る。 |
| 本丸・二ノ丸・三ノ丸跡 | 跡地 | 城の主要な曲輪跡。建物は現存せず |
| 三階櫓台 | 遺構 | かつて三階櫓があった場所。 |
| 彦蔵(ひこくら) | 現存建物(移築) | 盛岡城ゆかりの移築建物。 |
| 時鐘(じしょう) | 現存(移転) | 城下町に時を告げていた鐘。 |
| 烏帽子岩 | 現存 | 城内で神聖視されたと伝わる巨石。 |
| 南部中尉騎馬像台座 | 近代遺構 | 本丸跡に残る台座。銅像本体は戦時中に供出され現存しません。 |
| 鶴ヶ池・亀ヶ池 | 公園景観 | 城跡公園の水辺景観。 |
| 馬場跡・淡路丸 | 跡地 | 馬に関する儀式・上覧の場だった跡地 |
| 車門跡 | 跡地 | 二ノ丸の正門跡 |
| 石丁場跡 | 遺構 | 石垣に使われた花崗岩を切り出した跡 |
天守(三階櫓):建物は1874年以前に消失しており、台座のみが残ります。
城郭の建物全般:明治期に撤去されました。
詳細スポットガイド
盛岡城跡公園 全体
盛岡城跡公園は、市の中心部に広がる史跡公園です。敷地内には本丸・二ノ丸・三ノ丸の段々に続く曲輪跡があり、花崗岩の石垣が各曲輪の縁を囲んでいます。坂道や石段が多く、歩きながら城跡の高低差を実感できます。
石垣
盛岡城で最も視覚的に分かりやすい遺構が石垣です。盛岡産の花崗岩を使い、各曲輪の縁に積み上げられた石垣は、城跡全体に残っています。1984年以降、継続的な調査・修復が進められており、一部は修復石垣です。石垣の高低差は写真からは伝わりにくく、現地に立つと改めて規模を感じます。
🧱 石垣と石丁場跡
盛岡城の石垣は、地元で産出した花崗岩(盛岡石)を使って積まれています。1984年以降、盛岡市は石垣の継続的な調査・修復を進めており、修復石垣と遺構の石垣が混在しています。
石丁場跡には、石材を切り出した際の加工跡が残っており、石垣の材料がどこでどのように調達されたかを実際に確認できます。
普請奉行銘石(石垣工事の担当奉行名が刻まれた石)については、現地のガイドマップをご参照ください。
三階櫓台
城内でもっとも高い場所に位置するのが三階櫓台です。盛岡城のガイドマップでは、ここにかつて三階建ての建物(三階櫓)があり、天保13年(1842)以降は「天守」とも呼ばれるようになったと説明されています。現在は建物がなく、台座となる石垣だけが残っています。
彦蔵
彦蔵は、盛岡城ゆかりの建物として現存する貴重な存在です。ガイドマップでは、盛岡城にかつて存在した建物のうち現存する唯一のものと説明されています。 本来の場所からは移されており、平成元年(1989年)に現在地へ移築されました。ルートから少し外れた場所にあるため、見落とさないよう事前に位置を確認しておくことをお勧めします。
時鐘
時鐘は、城下に時を知らせていた鐘です。ガイドマップでは、延宝7年(1679年)に三戸町に設置され、明治維新後に現在地へ移転したと説明されています。
烏帽子岩
烏帽子岩は、城跡の中でも特に記憶に残りやすい巨石です。烏帽子のような形をしていることからその名で呼ばれ、江戸時代には周辺に八幡社などが祀られていたと伝わります。 石垣や曲輪跡とは異なり、信仰や伝承の気配を感じさせる場所で、盛岡城が単なる軍事施設ではなく、祈りの場も含んだ空間だったことを想像させます。
本丸跡
本丸跡は盛岡城の中心にあった曲輪跡です。現在は建物のない広場になっており、三階櫓台と南部中尉騎馬像台座があります。
南部中尉騎馬像台座
本丸御殿跡に残る台座は、明治41年(1908年)に建立された南部利祥(南部家出身の陸軍中尉)の騎馬像を乗せていたものです。銅像本体は戦時中に供出されたため、現在は台座のみが残っています。
二ノ丸跡・渡雲橋・車門跡
二ノ丸跡は本丸跡の隣に位置する曲輪跡です。本丸・二ノ丸の間をつなぐ渡雲橋は、橋から見下ろす石垣の段差が印象に残ります。写真映えするスポットの一つです。
三ノ丸跡
鶴ヶ池・亀ヶ池
城跡公園内には鶴ヶ池と亀ヶ池があります。水辺の景観が城跡の雰囲気を和らげ、休憩がてら立ち寄りやすい場所です。
🌊 鶴ヶ池
🌊 亀ヶ池
🐴 馬場跡・淡路丸・冠木門跡
淡路丸(腰曲輪)の内部に馬場跡があります。江戸時代に馬に関する儀式・上覧の場として使われていた跡地です。
もりおか歴史文化館
もりおか歴史文化館は、盛岡城跡公園近くにある市立博物館です。城跡だけでは分かりにくい南部家や城下町の背景を補えるため、歴史に関心がある方は城跡散策と合わせて訪れるのがおすすめです。
館内の展示説明は日本語主体となっています。
| 開館時間・休館日・入場料 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 開館時間 |
4月〜10月:9:00〜19:00(2階展示室への入場受付は18:30まで) 11月〜3月:9:00〜18:00(2階展示室への入場受付は17:30まで) |
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| 休館日 |
毎月第3火曜日(祝・休日の場合は翌日) 年末年始(12月31日〜1月1日) |
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| 入場料 (1階) |
無料 | ||||||||||||
| 入場料 (2階展示室) |
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もりおか歴史文化館の位置
近隣スポット:櫻山神社
盛岡城跡公園の近くに、南部家ゆかりの櫻山神社があります。盛岡八幡宮とは異なる神社ですのでご注意ください。城跡公園を歩く際の参拝候補として覚えておくとよいでしょう。
受付時間
9:00〜17:00(変更される場合があります。)
盛岡八幡宮
盛岡八幡宮は、盛岡城跡公園から宮古街道を徒歩約20分の場所にある神社です。盛岡城の城内ではありません。南部重信が1680年(延宝8年)に建立した神社で、現在の社殿は1997年(平成9年)12月に建て直されています。
大鳥居から拝殿へと続く参道は手入れが行き届いており、現役の神社の雰囲気を感じさせます。城跡の石と土の空間とは対照的な、生きた境内の雰囲気があります。参拝の所要時間は約20分が目安です。
⛩ 盛岡八幡宮 境内ギャラリー
盛岡八幡宮の位置
盛岡八幡宮の御朱印
盛岡八幡宮では、2026年5月30日の訪問時に境内で御朱印を受けることができました。
御朱印受付時間
午前9時〜午後5時(変更される場合があります)
推奨散策ルート
盛岡駅を起点にする場合、次の二つの順番が考えられます。
パターンA:盛岡八幡宮→盛岡城跡公園
盛岡八幡宮をでんでんむしバスで先に訪れ、参拝後に宮古街道を歩いて盛岡城跡公園へ向かうルートです。城跡で締めくくる形になります。
パターンB:盛岡城跡公園→盛岡八幡宮
駅からバスまたは徒歩で盛岡城跡公園へ先に向かい、城跡を歩いた後に宮古街道を歩いて盛岡八幡宮へ向かうルートです。城跡から神社で締めくくる形です。
どちらの順でも、宮古街道を歩く区間(城跡↔八幡宮)は徒歩約20分が目安です。途中、道沿いに店が点在しています。
盛岡城跡公園↔盛岡八幡宮 推奨ルートマップ(宮古街道沿い)
御城印・御朱印の紹介
盛岡城を訪れた際、盛岡城の御城印は「もりおか歴史文化館」で入手できました。御朱印は盛岡八幡宮の境内で受けることができました。また御城印帳も販売されております。
よくある質問
関連サイト
※開館時間、受付時間、御城印・御朱印の授与状況、交通情報、駐車場料金は変更される場合があります。訪問前に、下記の公式サイトで最新情報を確認ください。Following the Shogunの取材・記事制作を応援してくださる方はこちらから。
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