兼六園エリア
加賀百万石の面影をいまに伝える、金沢城・兼六園エリアの文化回廊。
藩祖・前田利家を祀る尾山神社、徳川家ゆかりの朱塗りが鮮やかな尾﨑神社、四季を映す名園・兼六園、藩主の母のために建てられた優美な成巽閣、そして明治の息吹を伝える赤レンガ博物館群——。
このエリアには、武家の美意識と近代建築の調和が息づいています。
本ページでは、それらの名所を360°写真でめぐりながら、建築の意匠や歴史的背景、見学のポイントを臨場感たっぷりに紹介します。金沢の“静かな格式”と“時を超える美”を、画面の中で体感してください。
兼六園エリアマップ
尾山神社(おやまじんじゃ)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆☆

加賀藩祖・前田利家と正室・お松の方を祀る尾山神社は、明治6年(1873年)に現在地へ遷座した“前田家の社”。戦国の猛将として天下取りの荒波をくぐった利家が、加賀百万石の礎を築いた物語はここから始まります。境内に一歩入ると目に飛び込むのが、和・漢・洋の意匠を大胆に融合した三層の神門(しんもん)。最下層は三連アーチ、上層には色ガラス(ギヤマン)がはめ込まれ、かつては海上を行き交う船の目印として灯がともされたと伝わります。屋根の避雷針は現存最古級。藩祖を偲ぶ静けさの中に、文明開化の息吹が響く——尾山神社は、戦国の記憶と近代の美意識が重なり合う、金沢らしい歴史舞台です。
パノラマ写真
| 築造年 | (前身)1599年(利家公逝去後)に卯辰山で創祀 もしくは 1599年(卯辰山での創建) とし、本文中で「利家公没後に創建」と補足する。 |
|---|---|
| 築造者 | 廃藩置県後、旧加賀藩士・氏子らの発起により創建・整備(神門は明治期の大工・石工による) |
| 構造・特徴 | 神門:三層楼門・和漢洋折衷、最下層は三連アーチ(木造骨組+外装石積)、上層に色ガラス(ギヤマン)、屋根頂部に避雷針 |
| 改修・復元歴 | 文化財として保存修理を随時実施(詳細は所管の保存修理記録による) |
| 現存状況 | 良好(神門は国の重要文化財として現存) |
| 消滅・損壊 | — |
| 文化財指定 | 神門:国指定重要文化財(昭和25年8月29日指定)/東神門:国登録有形文化財(平成15年7月1日登録) |
🌎ホームページ
🗺 住所:石川県金沢市尾山町11-1
🚶 アクセス
金沢城 鼠多門橋から徒歩分。金沢城巡りの途中で寄るのがよい。
⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約20分
じっくり観光するなら:約40分
📍 見どころ
- 神門(国重文):和・漢・洋を融合した唯一無二の門。色ガラスが日中は透過光、夜はライトアップで映えます。
- 東神門(登録有形文化財):旧金沢城二ノ丸御殿唐門の移築材を用いて、大正時代に改造・再建されたものと伝わる。(登録有形文化財で、1963年に現在地へ移築)
- 神苑「楽器の庭」:琵琶島や琴橋など、舞楽器の意匠を配した池泉回遊式庭園。静かな散策に最適。
- 季節限定の楽しみ方:春は境内の新緑~桜、秋は紅葉が水面に映える。神門は日没~22:00頃までライトアップ。
📌 トリビア
- 最古級の避雷針:神門屋根の避雷針は現存最古とされるもの。文明開化の象徴でもあります。
- “灯台”としての役割:三層目の色ガラス部に灯をともしたと伝わります。
- 戦国武将との縁:主祭神は前田利家とお松の方。夫婦和合・必勝祈願としても親しまれています。
尾﨑神社(おざきじんじゃ)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆

尾﨑神社(おざきじんじゃ)は、かつて「金沢東照宮」とも称され、徳川家康を祀る東照宮社殿として寛永年間に創建された歴史ある神社です。加賀藩4代藩主・前田光高が幕府の許可を得て、金沢城内北ノ丸に建立を進め、その後、明治期の神仏分離の流れで現在の社名に改められ、城外へ移設されました。朱塗りの社殿、透塀、中門など、旧来の東照宮建築様式を今に伝える優れた遺構を持つ神社で、金沢城ゆかりの建造物としても価値が高いです。
パノラマ写真
| 創建年 | 寛永20年(1643年) |
|---|---|
| 創建者 | 前田光高(加賀藩4代藩主)による東照権現勧請 |
| 構造・特徴 | 本殿(三間社流造)、拝殿・幣殿(入母屋銅板葺)、中門(唐門)、朱塗り透塀を巡らす構成 |
| 改修・移転歴 | 延宝5年(1677年)、宝暦年間ほか修理/明治7年(1874年)に社名改称/明治11年(1878年)に城内から現在地に移築 |
| 現存状況 | 優良保存、複数の建造物が国の重要文化財に指定 |
| 文化財指定 | 本殿・拝殿・幣殿・中門・透塀:国指定重要文化財(昭和6年指定) |
| 備考 | 社殿には徳川の葵紋が随所に配され、「北陸の日光」とも称されることがある |
🗺 住所:石川県金沢市丸の内5-5
🚶 アクセス
金沢城 黒門から徒歩2分 140m
⏳ 見学の目安
見どころをざっと見るなら:15分
建物内部や細部をじっくり見るなら:40分
📍 見どころ
- 朱塗りの社殿群:拝殿・幣殿・本殿・中門・透塀が一致した朱塗りの格式高い建築群。
- 透塀(すきべい):本殿をぐるりと囲む朱色の透塀は目を引く意匠で、重要文化財指定の一要素。
- 中門(唐門形式):格式高い唐門造りの中門が本殿との間を区画。
- 建築意匠の細部:飾り金具、彫刻、櫛比の軒や彩色の意匠など、加賀藩の技術と意匠が反映されている。
- 季節の風景との調和:春の新緑、秋の紅葉などが朱塗り建築と近接する植栽とコントラストをつくる。
📌 トリビア
- 旧称「東照宮」:創建当初は東照三所大権現社と称し、徳川家康を中心として祀る神社だった。1874年の神仏分離令で「尾崎神社」に改称された。
- 金沢城最古の遺構:城内に建立された当時の建築が移築・保存されており、金沢城ゆかりの現存建造物としては最古級とされる。
- 葵の紋の装飾:社殿の彫刻や金具には、徳川家の葵の紋が散りばめられ、東照宮の特色を随所に残す。
- 御朱印・ご利益:立身出世・商売繁盛・縁結び等のご利益があるとされ、御朱印は社殿近くの授与所で拝受可能
兼六園(けんろくえん)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆☆

兼六園は、加賀百万石を誇った前田家が約200年にわたって造り上げた、日本三名園の一つに数えられる池泉回遊式庭園です。起源は17世紀後半、5代藩主・前田綱紀が金沢城の外郭に別邸「蓮池御殿」を築いたことに始まります。のちに歴代藩主が改修・拡張を重ね、12代藩主・前田斉広の代に、奥州白河藩主・松平定信が“六つの景観美”を兼ね備える理想の園として「兼六園」と命名しました。 「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望」の六つの美を兼ね備えるという名の通り、池・滝・築山・茶屋が織りなす風景は、四季折々に表情を変えます。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪吊り。日本的美意識と武家の静謐さが息づく庭園です。
パノラマ写真
| 築造年 | 17世紀後半(5代藩主・綱紀の時代)に起源を持ち、19世紀前半(12代藩主・斉広の時代)に現在の骨格が完成。 |
|---|---|
| 築造者 | 加賀藩5代藩主・前田綱紀(初期)/12代藩主・前田斉広(命名) |
| 構造・特徴 | 池泉回遊式庭園、築山・池・滝・茶亭・灯籠・橋などを配置、広大な地形変化を活かした構成 |
| 改修・復元歴 | 1759年の火災で焼失後、安永・天明年間に再整備。明治期以降も保存修理を継続。 |
| 現存状況 | 良好(石川県管理の特別名勝として公開) |
| 消滅・損壊 | 一部建物は失われたが庭園構成はほぼ当時のまま現存 |
| 文化財指定 | 国指定 特別名勝(昭和60年3月20日指定) |
| 備考 | 日本三名園(ほか偕楽園・後楽園)の一つ |
🗺 住所:石川県金沢市兼六町1
🚶 アクセス
金沢城 石川門から徒歩2分 120m
⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約20分
じっくり観光するなら:約60分
📍 見どころ
- 徽軫灯籠(ことじとうろう):琴の柱を模した形状で、兼六園の象徴。霞ヶ池の水面に映る姿が優雅。
- 霞ヶ池(かすみがいけ):庭園の中心に広がる池。中島や橋を巡る回遊路が風情に満ちる。
- 根上松(ねあがりまつ):根が地上に露出する珍しい松。見事な造形と生命力の象徴。
- 時雨亭(しぐれてい):藩主の休息所を再建した茶室。抹茶をいただきながら四季の眺めを堪能できる。
- 季節限定の楽しみ方:冬の「雪吊り」、春の桜と梅、秋の紅葉ライトアップが特に人気。
📌 トリビア
- 命名の由来:「兼六」とは、庭園に理想的とされた六つの景観要素を兼ね備える意。
- 松平定信との関係:命名は寛政の改革で知られる定信が揮毫したと伝えられる。
- 防御的役割:金沢城外郭に隣接しており、城の防御・眺望の役割もあったとされる。
- 日本最古の噴水:動力を用いず、自然の水圧(高低差)を利用した噴水としては現存する日本最古のもの。
成巽閣(せいそんかく)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆☆

成巽閣は、幕末の1863年(文久3年)に、加賀藩第13代藩主・前田斉泰がその母・真龍院(隆子)ために建築した奥方御殿です。金沢城の東南、すなわち“巽(たつみ=辰巳、東南方向)”の方角に建てられたため、当初は「巽御殿」と呼ばれました。後に、兼六園の一般公開時に名称を「成巽閣」と改めました。
この建築は、武家書院造(1階)と数寄屋風書院造(2階)という異なる建築様式を一体化した構成をもち、幕末期の大名屋敷建築として類を見ない工夫が凝らされています。 特に「謁見の間」「群青の間」など、各室には加賀藩ならではの色彩・意匠が用いられ、花鳥文様や彩色障子、ギヤマン(西洋ガラス)などが贅沢に配されています。 建物に付随する庭園「飛鶴庭(ひかくてい)」は、主庭として敷地の中核をなす庭で、清香軒・中庭・水流などを備え、昭和4年(1929年)に国の名勝に指定されています。
| 築造年 | 文久3年(1863年) |
|---|---|
| 築造者 | 前田斉泰(13代加賀藩主) |
| 構造・特徴 | 二階建て、1階武家書院造・2階数寄屋風書院造、各室に創意ある彩色・意匠を配す |
| 改修・復元歴 | 明治期~近代にかけて増改築・整備、戦災の影響少、保存修理を継続 |
| 現存状況 | 良好、一般公開(旧国宝→国指定重要文化財) |
| 文化財指定 | 建物:国指定 重要文化財(昭和25年)/庭園(飛鶴庭):国指定 名勝(昭和4年) |
| 備考 | 兼六園とは別に入館料金が必要/屋敷の“赤門”や海鼠壁など建築要素も見どころ |
🗺 住所:石川県金沢市兼六町1-2
🚶 アクセス
兼六園の隣で、園内に入口あり。
⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約20分
じっくり観光するなら:約40分
📍 見どころ
- 謁見の間:正室御殿ゆえの格式と趣を併せ持つ広間。花鳥欄間など装飾が見事。
- 群青の間:外光が染まる群青色の壁面が印象的。加賀藩ゆかりの高貴色による演出。
- 書見の間・松の間などの小間:繊細な装飾、ギヤマンや障子細工が随所に見られる。
- 飛鶴庭(主庭):清香軒に面する美しい庭。水流、石橋、樹木配置などが調和。
- 中庭/万年青の縁庭園・つくしの縁庭園:主庭から分水され、緩やかな水流や築山で風趣を添える。
- 赤門・海鼠壁(なまこかべ)・門構え:女性のための御殿であることを示す赤門、格式ある壁構造も見どころ。
📌 トリビア
- 名称の由来:“巽御殿”を改称した「成巽閣」は、金沢城東南方向という“巽”と、成す・成就を意図した文字との組み合わせという説。
- 唯一性:大名正室の御殿として、武家書院造+数寄屋風書院造を兼ね備えた建造物は、国内で現存例が非常に稀。
- 庭の名勝指定範囲拡張:主庭の飛鶴庭は昭和4年に名勝指定。さらに中庭・前庭なども後年その範囲が拡張。
- 群青・ギヤマンの意匠:オランダから渡来したギヤマン(色ガラス)を障子や欄間に用いた箇所もあり、西洋の要素融合の証。
- 展示品・雛人形展:所蔵品展示室では前田家ゆかりの調度品・雛人形などが公開されることがある。
金澤神社(かなざわじんじゃ)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆

金澤神社は、兼六園の南隣、金城霊澤(きんじょうれいたく)のほとりに鎮座する神社で、学問の神・菅原道真公を主祭神とし、加えて白蛇龍神・稲荷大神・琴平大神を相殿として祀ります。寛政6年(1794)、加賀藩11代藩主・前田治脩(はるなが)が藩校・明倫堂の守護として建立。当初は竹沢御殿鎮守神としての性格を持っていましたが、明治7年(1874年)に「金澤神社」と改称され、現在は受験合格、学業成就、金運・災難除けの祈願でも訪れられています。
パノラマ写真
| 創建年 | 寛政6年(1794年/文政3年相当) |
|---|---|
| 創建者/設立趣旨 | 藩主 前田治脩/藩校明倫堂の守護神として |
| 構造・特徴 | 朱塗りの社殿、拝殿・本殿、境内入口鳥居、周囲の神池・社叢と調和 |
| 改修・変遷 | 明治7年に改称・郷社に列格、その後社殿修繕等維持管理 |
| 現存状況 | 良好、境内自由参拝(拝観は境内部分のみ) |
| 文化財指定 | 社殿は国指定保存文化財との記述あり(公式案内で言及) |
| 備考 | 金城霊澤にまつわる伝説、「芋掘藤五郎」伝承、白蛇信仰、御朱印に金箔印を用いる特色 |
🗺 住所:石川県金沢市兼六町1-3
🚶 アクセス
兼六園の随身坂口から徒歩1分40m
⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約20分
📍 見どころ
- 主祭神 菅原道真公:学問の神として知られ、受験シーズンには多くの絵馬が掲げられる神社
- 白蛇龍神ほか相殿神々:災難除け・金運の神として白蛇信仰と結びつく神祀が特徴
- 金城霊澤(霊水・伝説の沢):「芋掘藤五郎」がこの水で芋を洗ったところ砂金が出たという伝説。境内から汲めるとも伝わる
- いぼとり石・夢牛・慶賀の鳥居:境内にはこれらの伝説ゆかりの石・記念物が点在する
- 朱塗りの社殿と朱鳥居:訪れた人の目を引く鮮やかな朱色の構造。御社殿が保存文化財とされている点も見どころ
- 御朱印(きんぱく入り):金箔をあしらった御朱印が有るとの情報あり
📌 トリビア
- 藩校明倫堂との関係:創建時は藩校明倫堂の守護神社としての性格を持ち、一般参詣は例祭時に限られたと伝わる
- 改称と列格:当初は竹沢御殿鎮守「竹沢天神」と称され、明治期に金澤神社へ改称、村社・郷社として列格された歴史あり
- 兼六園との近接性:兼六園のすぐそばに位置し、観光ルート上でも立ち寄りやすい立地
- パワースポットとしての人気:学業向上・金運祈願の参拝者が多く、特に受験生にとって有名な神社
石川県立歴史博物館(いしかわ赤レンガミュージアム)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆
視覚的魅力:☆☆
体験的価値:☆☆

石川県立歴史博物館は、金沢市出羽町の本多の森公園に位置し、かつて陸軍兵器庫として使われていた赤レンガ造りの建築を博物館として再活用した施設です。通称「いしかわ赤レンガミュージアム」としても知られ、その外観自体が近代建築として重要視されています。館内では、石川の原始から近現代までの歴史や文化を、実物資料・ジオラマ・映像コンテンツを通じてわかりやすく紹介する展示が充実しています。
| 開館年 | 1986年10月25日(郷土資料館を移転・開館) |
|---|---|
| 建築由来 | 明治後期~大正期に旧陸軍兵器庫として建造された赤レンガ棟を復元再利用 |
| 構造・特徴 | 赤レンガ造り3棟を主構成とし、復元・改修を施しつつ現代的展示施設を併設 |
| 文化財指定 | 赤レンガ建築3棟が国の重要文化財に指定(平成2年=1990年) |
| 改修・リニューアル | 2015年に「赤レンガミュージアム」としてリニューアル、サロンなども増設 |
| 現存状況 | 良好、展示・保存施設として運用中 |
| 備考 | 展示替えや企画展も活発。歴史体験コーナー、祭礼体感シアターなども設置 |
🗺 住所:石川県金沢市出羽町3-1
🚶 アクセス
金沢神社から徒歩3分220m
⏳ 見学の目安
常設展示のみ:約40〜60分程度
企画展や体験展示を含めれば:約1時間30分〜2時間程度も見込めます
📍 見どころ
- 赤レンガ建築:かつての兵器庫を復元した3棟が並ぶ重厚なレンガ造り。建築そのものも展示対象。
- 常設展示:歴史展示 & 民俗展示:石川県の原始・古代・中世・近世・近現代を時代ごとに追う展示と、祭りなど地域文化を紹介する展示。
- 歴史体験コーナー:衣装を着ての撮影、昔の暮らしを体験できる展示など、触れて学べる工夫あり。
- 祭礼体感シアター:地域の祭りを題材にした映像や演出展示、臨場感のある演出。
- 企画展・特別展:戦国・前田家関連企画展など、テーマを絞った展示も定期的に開催。
📌 トリビア
- 珍しいレンガ博物館転用例:旧陸軍兵器庫を博物館に転用した例は全国的にも希少で、保存と利活用の成功例とされる。
- 文化財指定と建築賞受賞:1990年に重要文化財指定、翌年に日本建築学会賞を受賞。
- 写真撮影のルール緩和:2019年4月より、常設展示資料の多くについて個人撮影が許可されるようになった。
- 赤レンガ3棟の由来:3棟はそれぞれ旧兵器庫、第5~第7号倉庫などとされる記録あり。
- 展示替えによる発見:定期的な展示替えで新資料が公開され、地元史研究にも貢献。
加賀本多博物館(かがほんだはくぶつかん)
⭐おすすめ度
歴史的価値:☆
視覚的魅力:☆☆
体験的価値:☆☆

加賀本多博物館は、加賀藩の筆頭家老を務めた本多家に伝わる武具・調度・古文書などを展示する武家文化博物館です。博物館は「いしかわ赤レンガミュージアム」の一部として整備され、石川県立歴史博物館と隣接、赤レンガ造りの建物を用いた展示空間で、金沢の城下町文化と武家の品格を伝えています。
| 開館年 | —(公式記録に開館年明記なし) |
|---|---|
| 運営主体 | 公益財団法人 藩老本多蔵品館 |
| 構造・特徴 | 赤レンガ造り建築の第3棟に位置、かつての武器庫棟を展示施設に再利用 |
| 展示内容 | 本多家伝来の鎧・兜・刀・槍・馬具、火事装束、古文書、前田家からの拝領品など |
| 入館料 | 一般 400円、大学生 300円、高校生以下無料(県立歴史博物館との共通券あり) |
| 開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 12月~2月の毎週木曜日、年末年始、展示替え期間 |
| 所在地 | 石川県金沢市出羽町3-1(いしかわ赤レンガミュージアム第3棟) |
| アクセス | 北陸鉄道バス「出羽町」停下車 徒歩約3分、または「広坂・21世紀美術館」停から徒歩約8分。駐車場 30台(県立歴史博物館と共用) |
| 備考 | 全国屈指の武家資料数を誇る、武具文化を通じて加賀藩重臣家の存在感を伝える博物館 |
🗺 住所:石川県金沢市出羽町3-1
🚶 アクセス
前のスポット(例:石川県立歴史博物館)から徒歩で連絡通路でつながりアクセスしやすい構成です。
⏳ 見学の目安
概要をざっと見るなら:約15分
展示をじっくり見るなら:約30分
📍 見どころ
- 本多家伝来の鎧・兜・馬具:先代から代々受け継がれた武具が体系的に展示されている点が特色です。
- 火事装束:本多家が使用した火事装束(火消し用衣装)が展示され、武家の日常・儀礼文化を知る材料となります。
- 村雨の壺:秘蔵とされる茶壺で、豊臣秀吉から名付けられたと伝わる逸品。
- 古文書・調度・拝領品:前田家からの贈物、領主間の交易記録など、背後の藩政史を物語る史料。
- 赤レンガ建築そのもの:武器庫棟を活用したレンガ造建築は展示空間としても見応えあり。
- 県立歴史博物館との連動展示:共通券制度もあり、合わせて訪れることで金沢・加賀の歴史を広く理解できます。
📌 トリビア
- 本多家初代・政重は徳川家康の近臣の子で、晩年に加賀藩に仕えたという経歴がある家柄です。
- 展示品は1000点を超えるとされ、武具や馬具の点数で全国的にも注目されるコレクションです。
- 博物館の建物は赤レンガ造の旧武器庫で、展示施設としての再利用がなされています。
- 石川県立歴史博物館との共通入館券(2館共通券)が用意されており、セットで巡ると割安になります。

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