平戸 〜西洋人侍・按針が眠る街〜

西洋人侍・三浦按針が歩んだ平戸の地で、歴史と文化が交差する瞬間を辿る旅

『SHŌGUN(将軍)』の主人公モデルとして世界に知られる三浦按針(ウィリアム・アダムス)は、1600年に日本へ漂着し、徳川家康の外交顧問として重用された日本初の西洋人侍です。晩年を過ごした長崎県平戸には、彼の功績や生涯を伝える数々の史跡が今も色濃く残っています。按針の館、終焉の地碑、立像、墓、さらにはオランダ商館や松浦史料博物館まで、歴史好きにはたまらないスポットが点在。この記事では、和洋の文化が交差する平戸で三浦按針の足跡を辿る魅力的な観光ルートをご案内します。

🚉 平戸への行き方 電車

長崎空港からたびら平戸口駅まで約4時間
Fare: 2,7090 yen


按針の館(平戸蔦屋)

按針の館(平戸蔦屋)三浦按針(ウィリアム・アダムス)、日本初の西洋の侍の旧邸を復元した「按針の館(平戸蔦屋)」

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆☆
 体験的価値:☆☆☆

地元では按針が居住したとされ、木田弥次右衛門宅跡として知られる。当時の記録では按針が木田家に住んでいたとの伝承があるが、正確な居住時期は不詳。築約300年の木造建築を活かして再生され、現在は1階が平戸を代表する菓子舗「平戸蔦屋」として営業しています。按針が徳川家康から拝領した外交顧問・貿易推進者としての重責を終えた後、平戸での晩年を過ごしたこの地には、当時の国際貿易の息吹と和洋折衷の文化が今に伝わります。

築造年 推定17世紀初頭(約300年前)
築造者 不詳(当時の木田家など有力商家)
構造・特徴 木造和風町家建築、2階建、格子窓や梁見せ天井など伝統技法を継承
改修・復元歴 明治以降店舗化、近年改修・保存整備済み
現存状況 良好。1階で平戸銘菓を販売し、2階は休憩スペース
消滅・損壊 なし
文化財指定 指定なし(建物自体は対象外)
備考 看板には「按針の館」、平戸最古の菓子舗のひとつとして1502年創業とされる伝承あり

🗺 住所:長崎県平戸市木引田町431(英国商館通り)
🚶 アクセス
平戸港交流広場からバスで約22分(約1 km)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約20分(お土産・休憩含む)
じっくり観光するなら:約45分~1時間(店内の雰囲気や菓子購入も含む)

📍 見どころ

  • 古民家風建築:梁や格子窓、土間など、伝統的な町家構造が現代に蘇る雰囲気。
  • 平戸銘菓「カスドース」:伝統製法の自家製カステラ揚げ菓子。按針関連のデザインパッケージもあり。
  • 座敷:一階の和菓子屋さんでお菓子やコーヒーを買って、飲食できる日本の古風なスペースもおすすめ。

📌 トリビア

  • 平戸最古の菓子舗:文亀2年(1502年)創業と伝えられ、平戸藩主・松浦家の御用菓子司を400年以上務めた歴史がある 。ただし、当時按針滞在時から現在まで連続して営業されていたかは明確な史料がない。
  • 国際商館通りの一角:英国商館やオランダ商館跡が点在するこの通り一帯に、按針邸宅として由緒が残ります。

按針の館は、三浦按針の暮らしと当時の貿易文化が香る歴史の舞台。和洋折衷の趣ある建物で、菓子と歴史を同時に楽しめるスポットです。

三浦按針終焉の地碑

三浦按針終焉の地碑 日本初の西洋の侍、三浦按針(ウィリアム・アダムス)が平戸で亡くなった場所を示す記念碑

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆
 体験的価値:☆

この石碑は、三浦按針(ウィリアム・アダムス)が晩年を過ごし、1620年5月16日に没した彼の“終焉の地”を示す記念碑です。平戸市木引田町にあるピアノ教室の前に建立されています。碑文には「1620年(元和6年)5月16日 居宅であった此の地(木田弥次右ェ門宅)にて逝去す 当時57才」と刻まれており、平戸における彼の最期の瞬間を今に伝えています。

築造年2009年(平成21年)建立
築造者平戸市(地域住民・観光協会協力)
構造・特徴縦型の石碑、「三浦按針終焉の地」と金字銘刻
改修・復元歴設置以後大きな改修無し、良好な維持
現存状況良好。碑前は石畳と街路空間として整備
消滅・損壊なし
文化財指定指定なし
備考按針の館(旧居宅跡)や英国商館跡など関連史跡が至近

🗺 住所:長崎県平戸市木引田町(白石ピアノ教室前)
🚶 アクセス
按針の館から徒歩1分以内と至近 。

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約5〜10分
じっくり観光するなら:約20分(周辺の按針ゆかりの史跡巡り含む)

📍 見どころ

  • 終焉の地碑:按針没日の記録が刻まれ、生涯の終わりを静かに伝える。
  • 按針の館(旧居宅跡):碑の近くにあり、彼の暮らしの場を身近に感じられる。
  • 英国商館跡碑:商館通り沿いにあり、昔の地図にこのあたりにあったと記載されている場所に跡碑あり。

📌 トリビア

  • 建立の背景:2009年に平戸市が終焉場所として標示し、地域と観光協会が記録保存を目的に建立。
  • 史跡巡りの起点:ここから按針の館→英国商館跡→三浦按針の墓へと徒歩ルートで巡ることができ、歴史散策の拠点に最適。

三浦按針終焉の地碑は、彼が日本での人生を終えた日と場所を今に伝える大切な史跡です。周辺には関連史跡が集中しており、歴史散策を好む旅人にとって最初に訪れるべきスポットです。

幸橋(オランダ橋)

幸橋(オランダ橋)平戸の幸橋(オランダ橋)、初期国際貿易に関連する歴史的な石造アーチ橋

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆☆
 体験的価値:☆☆☆

長崎県平戸市の鏡川に架かる「幸橋」は、1669年に松浦鎮信によって木橋が架けられたのを端緒とし、1702年に石造単アーチ橋へ架け替えられました。別名「オランダ橋」と呼ばれるのは、1600年頃に当地で活躍したオランダ商館の石造建築技法を取り入れた石工技術によるものです。なお、三浦按針(ウィリアム・アダムス)が存命の1620年以前にはこの橋は存在しておらず、彼が生きた時代に直接利用されたものではありませんが、按針や当時の南蛮貿易がもたらした技術・文化の影響が後の架橋に繋がったとされています。三浦按針が行った国際交流の延長線上に、この美しい石橋が誕生したとも言えます。

築造年1702年(元禄15年)
築造者松浦棟(第30代藩主)
構造・特徴石造単アーチ橋、扇状の石積み、美しい半円形アーチ
改修・復元歴1984年に全面的な解体修復と幸橋御門の復元
現存状況良好。国の重要文化財に指定
消滅・損壊なし
文化財指定国重要文化財
備考別名「オランダ橋」。2014年には「愛の聖地」として日本ロマンス遺産認定

🗺 住所:長崎県平戸市岩の上町1508-3
🚶 アクセス
三浦按針終焉の地碑から徒歩約2分(約120 m)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約20分

📍 見どころ

  • アーチ形状の石橋:オランダ由来の石積み技法が美しく、鏡川に映る半円が印象的です。
  • 幸橋御門:橋のたもとに復元された門。歴史空間に趣を添えます。
  • 英国商館遺址之碑とのセット散策:橋を渡り、門をくぐると碑があります。

📌 トリビア

  • 命名の由来:「城と城下を繋ぐ不便を解消し、“幸いな橋”として命名された」のが「幸橋」の由来です。
  • オランダ技術の粋:1600年頃オランダ商館建設に携わった石工から伝授された技術が橋に息づいています。

幸橋は、三浦按針が活動していた時代に始まった国際貿易の影響を背景に、その後の平戸の技術と文化交流の象徴として築かれた重要な史跡です。当時の商館跡や貿易の歴史を感じる散策ルートに組み込むのがおすすめです。

英国商館遺址之碑

 英国商館遺址之碑 三浦按針ゆかりの平戸にある、旧イギリス商館跡を示す記念碑

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆
 体験的価値:☆

平戸市街地、幸橋(通称オランダ橋)を渡り平戸市役所横に立つのが「英国商館遺址之碑」です。1927年(昭和2年)、在日英国人有志が1613年〜1623年に平戸で操業した英国商館の存在を記念し建立しました。碑は三浦按針が英国商館設立を支援した歴史と、当時の国際交流史を物語る貴重なモニュメントです。碑文には「Willian Adamus」(ウィリアム・アダムス)の英名も記載され、彼の功績を明確に伝えています。

築造年1927年(昭和2年)
築造者在日英国人有志
構造・特徴花崗岩製縦型石碑、表面にレリーフ英章と碑文
改修・復元歴特記なし(建立後現地維持)
現存状況良好。周囲が石段と庭木で整備
消滅・損壊なし
文化財指定指定なし
備考平戸藩政下における英国商館跡の象徴碑であり、幸橋と共に海外交易の歴史を伝えるスポット

🗺 住所:長崎県平戸市岩の上町1508(平戸市役所横)
🚶 アクセス
幸橋から徒歩約1分。市役所敷地にある

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約5分
じっくり観光するなら:約15分

📍 見どころ

  • 英国商館遺址之碑:1927年建立。英章と碑文から英国商館の歴史を知ることができる。
  • 幸橋(オランダ橋):石橋は1702年架橋、オランダ商館と英国商館の建築技術が背景。

📌 トリビア

  • 建碑の目的:平戸英国商館創設400周年記念として建立され、碑文は英・日両言語で刻まれている。
  • 碑の位置事情:碑は当時の商館跡地ではなく、敷地が確保しやすい平戸市役所前に設置された。
  • 碑は2箇所:平戸市内には幸橋近くと木引田町の碑があり、両地点を巡ることで英国商館のスケール感を実感できる。

英国商館遺址之碑は、三浦按針やリチャード・コックスらが築いた初期の英日貿易を象徴する重要な史跡です。幸橋や英国商館跡と併せて散策すれば、大航海時代の息吹を感じる歴史旅が楽しめます。

三浦按針の立像(歴史の道)

三浦按針の立像(歴史の道)平戸の歴史の道に立つ三浦按針(ウィリアム・アダムス)の立像、日本初の西洋の侍

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆
 視覚的魅力:☆☆
 体験的価値:☆☆

長崎県平戸市の「歴史の道」沿いに設置された三浦按針(ウィリアム・アダムス)の立像は、2009年に整備されたモニュメント群の一部であり、平戸が海外貿易の拠点であった歴史と彼の功績を象徴しています。彫像の姿からは、航海士として、また家康に仕えた旗本・外交顧問としての威厳が感じられ、平戸の街並みに溶け込みながら通行人にもその存在を強く印象づけています。

築造年 2009年(平成21年)
築造者 長崎県・平戸市「歴史の道」整備事業
構造・特徴 青銅製立像、等身大。航海具と帽子、剣を携えたポーズ。
改修・復元歴 特記なし(設置後良好に維持)
現存状況 良好。街道沿いに設置され観光散策者にも親しまれている
消滅・損壊 なし
文化財指定 指定なし
備考 立像はモニュメント群の一つで、リチャード・コックス、ジャックス・スペックスら他4体と並ぶ

🗺 住所:長崎県平戸市崎方町(歴史の道沿い)
🚶 アクセス
英国商館遺址之碑より徒歩約7分。


⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約5分
じっくり観光するなら:約15分(モニュメント全5体巡り+周辺散策)

📍 見どころ

  • 三浦按針立像:等身大で、手には航海ロッドと帽子姿。彼の冒険と外交者としての顔を表現。
  • 周囲のモニュメント:リチャード・コックス、ジャックス・スペックス、フランシスコ・ザビエル、王直の立像と併せ、平戸が東西文化融合の交差点だったことを象徴。
  • 歴史の道散策:石畳の小道には案内板や足湯スポットもあり、文化と休憩を両立した魅力的な散歩ルート。

📌 トリビア

  • モニュメントの配置:「歴史の道」では通路沿いに5体が均等に並び、歩きながら歴史物語を辿る設計。
  • ミニチュアサイズ:像はやや小さめ(3〜4分の1スケール)で、親しみやすいと旅行者ブログで評判。
  • 歴史散歩の導入:「歴史の道」は平戸港から松浦史料博物館まで続き、歴史好きの入門コースとして人気 。

三浦按針の立像は、彼を中心に据えた歴史の物語を街並みの中で体感できるスポットです。短時間の散策にもぴったりで、歴史マニアだけでなく、家族連れやカップルにもおすすめです。

三浦按針墓(崎方公園)

三浦按針墓(崎方公園)平戸・崎方公園にある三浦按針(ウィリアム・アダムス)の墓、日本初の西洋の侍の終焉の地

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆
 体験的価値:☆

崎方公園の高台には、1954年に建立された「三浦按針之墓」と題された凝灰岩製の墓碑があり、平戸港を一望できる美しい景観が印象的です。これとは少し離れて、右隣りには1964年、按針の生誕400年を記念して設置された「夫婦塚」があります。夫婦塚には、イギリスに眠る妻マリー・ヒン・アダムスの墓地から持ち帰られた小石が象徴として納められており、二人が隣り合わせに祀られている風景は、まるで歴史を超えた〈夫婦の在り方〉を語りかけているかのようです。

この二つの碑はいずれも良好な状態で保存されており、墓地全体に流れる静寂と展望のひらけた空間が、歴史的なロマンをいっそう深く感じさせてくれます。

築造年 1954年(昭和29年)
築造者 平戸市(イギリス関係者協力含む)
構造・特徴 凝灰岩製墓碑計2基(中央に按針墓碑、右隣に夫婦塚)、さらに左隣には無縁塔が併設
改修・復元歴 1964年に妻の小石を合葬し夫婦塚に整備
現存状況 良好。公園内墓碑として現存
消滅・損壊 なし
文化財指定 指定無し
備考 2017–19年の発掘調査で骨片が確認され、2020年に科学的鑑定により安針の可能性が極めて高いと発表されている 。

🗺 住所:長崎県平戸市大久保町2529(崎方公園内)
🚶 アクセス
三浦按針の立像(歴史の道)から徒歩約14分(約750m)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約15分
じっくり観光するなら:約30分

📍 見どころ

  • 三浦按針墓碑:日本語で「三浦按針之墓」と刻まれ、侍としての彼の革新的な存在感を感じさせます。
  • 夫婦塚(妻の小石):イギリスの妻の墓から運ばれた小石が合葬されており、物理的な国際交流の証です。
  • 展望デッキ:平戸港や市街を望む高台にあり、ヒラドツツジ(5月)や桜の季節は特に風光明媚。

📌 トリビア

  • 発掘された骨片:平戸市が2017–19年に行った発掘で出土した西洋式墓地に埋葬された骨片が、按針本人の可能性が高く科学誌『Nature』に報告
  • イギリス貿易の立役者:按針は1613年に平戸に英商館設立を実現し、幕府の朱印船貿易も指導した功績があります。
  • 多拠点での供養:平戸と横須賀(逸見)に按針ゆかりの供養碑があり、彼の国内における足跡の広さが伺えます。

三浦按針墓は、日本初のイギリス出身侍が晩年を過ごした地かつ、国際交流史の象徴として魅力的なスポットです。歴史好きや美しい景観を求める旅人に特におすすめします。

平戸オランダ商館

平戸オランダ商館 日本初の西洋式石造倉庫を復元した平戸オランダ商館、現在は博物館として公開

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆☆
 体験的価値:☆☆☆

平戸オランダ商館は、慶長14年(1609年)に東インド会社(VOC)が設置した貿易拠点で、日本におけるオランダとの正式な交易の始まりを象徴します。ジャック・スペックスと三浦按針(ウィリアム・アダムス)らにより設立され、1639年に建設された石造倉庫は日本初の洋風石造建築とされました。鎖国政策により1641年に出島へ移転されるまで、平戸は33年間オランダ貿易の中心地でした。2011年に忠実に復元された倉庫は、現在は博物館として当時の交易品や資料を展示し、訪れる人に大航海時代の国際交流の息吹を伝えています。

築造年 1639年(慶長14年)
築造者 VOC(ジャック・スペックスら)、平戸藩松浦氏協力
構造・特徴 洋風石造倉庫(砂岩積み、日本初の西洋石造建築)
改修・復元歴 1987–2003年調査、2006–2011年に復元整備
現存状況 復元建物として良好な状態で博物館運営中
消滅・損壊 原建物は1640年破壊、現存しない
文化財指定 1922年 国の史跡「平戸和蘭商館跡」
備考 館内展示に1612年の古地図、交易資料、商館長執務室の再現などあり

🗺 住所:長崎県平戸市大久保町2477
🚶 アクセス
三浦按針墓(崎方公園)から徒歩約8分

⏳ 見学の目安
短時間:約30分(展示閲覧のみ)
じっくり:約1~1.5時間(展示+周辺散策含む)

📍 見どころ

  • 1639年倉庫の復元建築:日本初の西洋石造建築。砂岩2万個超の積み上げ技術に驚き。
  • 館内展示:船模型、航海具、地図、和蘭商館長の書斎再現など国際貿易の息吹を体感。
  • オランダ塀・井戸・埠頭跡:史跡として現地に残る当時の遺構に触れる。
  • 季節の楽しみ:港沿いの散策道では海と復元建物を背景に写真映えし、春のヒラドツツジも美しい。

📌 トリビア

  • 西暦表示が破壊理由:「Anno Christi 1639」瓦(西暦)がキリスト教色とみなされ、1640年に幕府が破壊命令を出した一因。
  • 東シナ海の貿易拠点:平戸は1641年まで唯一のオランダ貿易港で、中国・ポルトガル排除後の西洋文化受け皿となった。
  • 地下にも遺構:1987年以降の発掘調査で石垣や埋め立て層、オランダ井戸の存在が確認された。

平戸オランダ商館は、巧みに復元された石造建築と豊富な展示を通じて、江戸前期の日本とオランダの交流史をダイレクトに感じられる貴重なスポットです。歴史好きや家族連れの観光にもおすすめです。

松浦史料博物館

松浦史料博物館 三浦按針と松浦家の資料を収蔵する平戸の松浦史料博物館

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆☆
 体験的価値:☆☆☆

松浦史料博物館は、明治26年(1893年)に第37代藩主・松浦詮によって建てられた洋館風の邸宅「鶴ヶ峯邸」を活用した歴史館で、1955年に松浦家当主から敷地とともに寄贈を受け、一般公開されました 。築130年を超える貴重な建築で、長崎県指定有形文化財に指定され、敷地内には国登録有形文化財の茶室「閑雲亭」や付属蔵もあり、建物自体が一級の展示物ともいえます 。

築造年 1893年(明治26年)
築造者 第37代藩主・松浦詮
構造・特徴 木造和風邸宅、高石垣の庭園・茶室「閑雲亭」併設
改修・復元歴 戦後ミュージアム転用(1955年開館)、定期的に保存整備実施
現存状況 良好。文化財指定建築として公開
消滅・損壊 なし
文化財指定 建物:長崎県指定有形文化財、蔵・茶室:国登録有形文化財
備考 所蔵約3万点、展示約200点。共通券でオランダ商館も見学可

🗺 住所:長崎県平戸市鏡川町12
🚶 アクセス
オランダ商館から徒歩約8分(約500 m)、平戸港交流広場や「歴史の道」散策ルート上に位置 。

⏳ 見学の目安
短時間:約30分(主展示閲覧+庭園散策)
じっくり:約1〜1.5時間(企画展・茶室体験を含む)

📍 見どころ

  • 南蛮貿易史料:ポルトガル・オランダ・イギリス交易の地図、航海記録、商館設置関連公文書など。
  • 按針関連資料:松浦家宛の朱印状、英国商館設立時の書簡、伝按針墓地の発掘資料 。
  • 邸宅建築と庭園:高石垣基礎の敷地、茶室「閑雲亭」で呈茶体験・復元菓子(烏羽玉・カスドース)も可能。
  • 展示ショップ:歴史にちなんだ書籍、古地図、オリジナル和菓子が充実。となりのオランダ商館との共通券がお得。

📌 トリビア

  • 旧邸宅を博物館へ:江戸期からの松浦家伝承品を同家住宅で展示し続ける唯一無二の施設 。
  • 共通券割引:オランダ商館とのセット券で歴史巡りが効率的。
  • 展望スポット:館内窓や庭園からは平戸城や港が一望でき、眺望も楽しめる立地 。

松浦史料博物館は、三浦按針が築いた国際交流の礎と松浦藩の歴史が詰まった文化の宝庫。歴史マニアはもちろん、庭園と茶のひとときを楽しみたい旅人にもおすすめの場所です。

おすすめ駐車場:平戸交流広場駐車場

車で訪問の方は、料金も良心的で、「平戸港交流広場駐車場」がおすすめです。
旅行案内所もあります。

住所:〒859-5104 長崎県平戸市崎方町776-6
料金:入庫後2時間無料、30分100円
収容台数:59台
営業時間:24時間

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