細川忠興の屋敷跡周辺
越中井(えっちゅうい)

⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆
体験的価値:☆
越中井は、細川忠興(越中守)が大坂城三の丸に構えた屋敷の台所跡に残る井戸で、1587年にキリシタンへ改宗したガラシャ夫人(明智光秀の娘・玉/洗礼名)が、関ヶ原の前哨戦ともいえる1600年、大坂城内で石田三成の人質要求を拒否。自ら屋敷に火を放ち、小笠原秀清に命じて胸を突かせ殉じた「壮絶な最期の地」とされています。屋敷跡には昭和9年(1934年)に記念碑が建てられ、1959年には地元住民の手で井戸が復元されました。石碑には彼女の辞世「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」が刻まれ、歴史と信仰の強さが息づくスポットです。
築造年 | 安土桃山時代(1600年頃) |
---|---|
築造者 | 細川忠興 |
構造・特徴 | 屋敷台所の井戸。その名は越中守の官位由来 |
改修・復元歴 | 1934年 記念碑建立、1959年 井戸復元 |
現存状況 | 石碑・復元井戸あり、史跡として保存 |
消滅・損壊 | 屋敷は消失、地形のみ現存 |
文化財指定 | 大阪府史跡 |
備考 | 周辺に玉造教会像や越中公園あり |
🗺 住所:大阪府大阪市中央区森ノ宮中央2丁目12
🚶 アクセス
最寄り駅:JR大阪環状線・大阪メトロ中央線/長堀鶴見緑地線「森ノ宮駅」から徒歩約11分(約800m)
大阪城公園の近くにあります。大阪城に行く際には近くなので寄ってはいかがでしょうか?
⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約30分
📍 見どころ
- 復元井戸:屋敷の台所井戸で、火事の跡を感じさせつつ当時の佇まいを今に伝えます。
- 記念碑と辞世の句:「散りぬべき…」の石碑はガラシャの強い信念と覚悟を今に語ります。
- 玉造教会・越中公園:すぐ隣の公園と教会には、ガラシャ像や高山右近像もあり、キリシタン史と史跡巡りが楽しめます(季節に関わらず見学可)。
- 季節限定の楽しみ方:春は公園の新緑、秋は落葉の中、しっとりとした雰囲気の中で訪れるのがおすすめ。
📌 トリビア
- 意外な歴史的背景:ガラシャはキリシタン信仰ゆえに自裁を避ける教えを守り、家臣に介錯を命じたとされています。
- 知る人ぞ知る情報:昭和54年の住居表示で「越中町」の地名は消えましたが、公園名や旧地名として今も息づいています。
- 著名人との関係:辞世の句は元首相・細川護熙氏が退陣時に引用したことでも知られますが、彼自身に血縁はないとの逸話があります。
近くのスポット
細川越中守忠興屋敷跡の石碑

⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆
体験的価値:☆
この石碑は、大阪城南方の三の丸エリアに江戸期以前から続く歴史を伝えるランドマークで、細川越中守忠興(細川忠興)の屋敷跡に建てられています。忠興の妻である細川ガラシャ夫人が、自ら命を絶った場所としても有名で、その壮絶な運命を象徴する“越中井”の井戸跡がすぐ隣に残っています。訪れることで、関ヶ原戦前夜の緊迫感と、キリスト教への信仰を貫いた彼女の強さを実感できます。
建立年 | 昭和期(詳細不明、婦人連合会などにより) |
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建立者 | おそらく地元有志・婦人連合会 |
構造・特徴 | 縦型の石碑。文字は徳富蘇峰揮毫の「越中井」「忠興屋敷跡」など。 |
改修・復元歴 | 越中井の復元が1959年。石碑は数十年前に設置。 |
現存状況 | 石碑、説明板、越中井・地蔵堂が現地に点在 |
文化財指定 | 大阪府史跡(忠興屋敷・越中井) |
備考 | 屋敷跡に遺構はほぼなく、史跡巡りの一部として訪問推奨 |
🗺 住所:大阪府大阪市中央区森ノ宮中央2丁目12‑8
🚶 アクセス
道路を挟んで越中井の反対側
⏳ 見学の目安
約5–7分
カトリック玉造教会 細川ガラシャ像

⭐おすすめ度
歴史的価値:☆☆☆
視覚的魅力:☆☆☆
体験的価値:☆☆
玉造にあるカトリック玉造教会(大阪カテドラル聖マリア大聖堂)は、もともと細川忠興の屋敷跡に建設され、戦国の悲劇のヒロイン・細川ガラシャ(明智光秀の娘)の慰霊の場としても知られています。教会正面右側には阿部政義氏による石像があり、その凛とした姿は彼女のキリスト教徒としての芯の強さと、殉教という運命を象徴しています。背景にはドモト印象による「最後の日のガラシャ」の壁画や、美しいステンドグラス、パイプオルガンの荘厳な音が調和し、歴史と信仰が交差する空間が生まれています。訪れる人の祈りや追想を深く誘うスポットです。
建立年 | 1963年再建(元は1894年設立、1945年焼失) |
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建立者 | カトリック大阪大司教区 |
構造・特徴 | 鉄筋コンクリート造・タイル張り外観。入口左右に石像あり。 |
改修・復元歴 | 1945年焼失→1963年再建。壁画・彫刻など芸術作品多数設置。 |
現存状況 | 聖堂・前庭・ステンドグラス・像群が良好に保存 |
文化財指定 | 大阪総教区主教座堂 |
備考 | 入口左には高山右近像、慰霊碑や壁画・ステンドグラス美術も見どころ |
🗺 住所:大阪市中央区玉造2-24-22
🚶 アクセス
越中井から徒歩約3分(約230m)
⏳ 見学の目安
ゆっくり参拝や芸術鑑賞:約30分~1時間
📍 見どころ
- 細川ガラシャ像:入口右側に立ち、そびえるような佇まいが印象的。彼女の信仰と殉教への決意を象徴。
- 高山右近像:左側に立つ石像との対比がドラマティック。キリシタン大名2人が並ぶ珍しい構図。
- ドモト印象の壁画:「最後の日のガラシャ」が描かれ、教会内で最も感動的なアート作品。
- ステンドグラス & パイプオルガン:約100枚のステンドグラスと2400本のパイプが織り成す礼拝堂の荘厳な雰囲気。
- 季節限定の楽しみ方:春や秋の柔らかな日差しがタイル外観とステンドグラスを照らし、美しい祈りの時間が流れます。
📌 トリビア
- 意外な芸術コラボ:壁画やステンドグラスには日本画家・堂本印象やヴェネチア絵具師による作品が多数あります。
- 慰霊塔建立年:ガラシャ没後350周年の1950年に建立された慰霊碑が境内にあります。
- 歴史の交差点:越中井(殉教地)から南へ約150m。城跡と教会、エリア一帯がガラシャゆかりの地としてまとまっています。
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