築城から400年、名古屋城に現存する門と櫓を巡って、歴史の息吹を感じよう
名古屋城の本丸南部には、戦災を免れた「表二之門」や、三重構造を持つ貴重な現存建築「東南隅櫓」、再建された「西南隅櫓」、そして今は石垣のみが残る「一之門跡」など、歴史のリアルを感じられる名所が点在しています。本記事では、それぞれの建築的特徴や見どころをわかりやすく解説します。
表二之門

🏛 概要
名古屋城の表二之門(おもてにのもん)は、本丸南側に位置する高麗門形式の城門で、1612年(慶長17年)に建造されました。この門は、厚い木材と鉄板を用いて頑丈に造られ、両側の土塀には鉄砲狭間(射撃孔)が設けられており、敵の侵入を防ぐ防御機能を備えています。第二次世界大戦の戦災を免れ、建設当初の門柱や冠木が現存している貴重な建造物で、国の重要文化財に指定されています。
🗺 住所
🚶 アクセス
清正公石曳きの像から徒歩約1分(約110m)
⏳ 見学の目安
- 短時間での見どころ:約5分
- じっくり観光するなら:約15分
📍 見どころ
- 表二之門:築城当初の姿を今に伝える高麗門で、歴史的価値が高い建造物です。
- 東南隅櫓:門の近くに位置し、同じく重要文化財に指定されている三重三階の櫓で、防御の要としての役割を果たしていました。
- 季節限定の楽しみ方:春には桜、秋には紅葉が周囲を彩り、歴史的建造物との美しいコントラストを楽しめます。
📌 トリビア
- 意外な歴史的背景:表二之門は、名古屋城本丸への主要な入口として機能し、その堅牢な造りから城の防御力を高める重要な役割を担っていました。
- 知る人ぞ知る情報:門の両側に設けられた鉄砲狭間は、敵の接近を効果的に防ぐための工夫であり、当時の戦術的設計を垣間見ることができます。
- 著名人との関係:名古屋城は徳川家康の命により築城され、表二之門もその一環として建造された歴史的建造物です。
東南隅櫓

🏛 概要
名古屋城の東南隅櫓(とうなんすみやぐら)は、本丸の南東隅に位置し、1612年(慶長17年)頃に建造された現存する隅櫓の一つです。この櫓は、外観は二重、内部は三階構造で、かつては辰巳隅櫓(たつみすみやぐら)とも呼ばれていました。鬼瓦などには徳川家の家紋である葵紋が施されており、歴史的価値が高い建造物です。
第二次世界大戦中の空襲で名古屋城の多くの建造物が焼失しましたが、東南隅櫓は戦災を免れ、当時の姿を現在に伝えています。
🗺 住所
🚶 アクセス
表二之門から徒歩約1分(約45m)
⏳ 見学の目安
- 短時間での見どころ:約5分
- じっくり観光するなら:約15分
📍 見どころ
- 東南隅櫓の外観:外観二重、内部三階の構造で、二階東面と南面には石落としが設けられています。
- 葵紋の装飾:鬼瓦などに施された徳川家の家紋である葵紋を観察できます。
- 季節限定の楽しみ方:春には桜、秋には紅葉が周囲を彩り、櫓との美しいコントラストを楽しめます。
📌 トリビア
- 意外な歴史的背景:東南隅櫓は、かつて辰巳隅櫓と呼ばれ、江戸時代から現存する貴重な建造物です。
- 知る人ぞ知る情報:東南隅櫓の三階東側の屋根の軒には、弓なりになった軒唐破風という格式の高い装飾が施されています。
- 著名人との関係:名古屋城は徳川家康の命により築城され、東南隅櫓もその一部として建造されました。
一之門跡

🏛 概要
名古屋城の一之門跡は、本丸の主要な出入口であった門の跡地です。この門は、外門である表二之門とともに枡形(ますがた)を形成し、城の防御上重要な役割を果たしていました。一之門は入母屋造(いりもやづくり)の二階建てで、門扉の上には石落としが設けられていましたが、1945年(昭和20年)の空襲により焼失し、現在は石垣のみが残っています。
🗺 住所
🚶 アクセス
東南隅櫓から徒歩約1分(約10m)
⏳ 見学の目安
- 短時間での見どころ:約3分
- じっくり観光するなら:約15分
📍 見どころ
- 石垣の遺構:一之門跡には、当時の枡形門の石垣が残されており、城郭の防御構造を間近で観察できます。
- 歴史的背景の説明板:現地には、一之門の歴史や構造についての説明板が設置されており、理解を深めることができます。
- 季節限定の楽しみ方:春には周囲の桜が美しく咲き、歴史的な石垣とのコントラストが楽しめます。
📌 トリビア
- 意外な歴史的背景:一之門は、外門である表二之門とともに枡形を形成し、敵の侵入を防ぐ重要な役割を果たしていました。
- 知る人ぞ知る情報:現在は石垣のみが残っていますが、その規模や構造から当時の門の壮大さを感じ取ることができます。
- 著名人との関係:名古屋城は徳川家康の命により築城され、一之門もその一部として重要な役割を担っていました。
西南隅櫓

🏛 概要
名古屋城の西南隅櫓(せいなんすみやぐら)は、本丸の南西隅に位置し、1612年(慶長17年)頃に建造されました。本丸未申隅櫓(ほんまるひつじさるすみやぐら)とも呼ばれています。この櫓は、外観は二重、内部は三階構造という珍しい形式を持ち、一階部分に屋根がないため、外からは二重櫓に見えますが、内部は三階建てとなっています。
建物の規模は、東西約11.8メートル、南北約13.5メートル、高さ約14.1メートルです。入母屋造(いりもやづくり)の屋根で、平瓦と丸瓦を組み合わせた本瓦葺きが特徴です。二階の西面と南面には、三角形の小型の屋根である千鳥破風(ちどりはふ)と、敵を攻撃するための石落としが設けられています。1921年(大正10年)に石垣の崩落によって倒壊しましたが、1923年(大正12年)に宮内省(現・宮内庁)によって再建され、その際に菊紋の鬼瓦や棟瓦が用いられました。
現在、西南隅櫓は重要文化財に指定されており、通常は非公開となっていますが、特別公開時には内部を見学することができます。
🗺 住所
🚶 アクセス
一之門跡から徒歩約3分(約100m)
⏳ 見学の目安
- 短時間での見どころ:約5分
- じっくり観光するなら:約15分
📍 見どころ
- 外観の特徴:一階部分に屋根がないため、外観は二重に見えるが、内部は三階構造という珍しい形式を持つ櫓です。
- 再建時の装飾:再建時に使用された菊紋の鬼瓦や棟瓦が見られます。
- 季節限定の楽しみ方:春には周囲の桜が美しく咲き誇り、櫓とのコントラストが見事です。
📌 トリビア
- 意外な歴史的背景:1921年の石垣崩落による倒壊後、宮内省によって再建された際に、皇室の象徴である菊紋が施された瓦が使用されました。
- 知る人ぞ知る情報:通常は非公開ですが、特別公開時には内部を見学することができ、櫓内部の構造や歴史を直接感じることができます。
- 著名人との関係:名古屋城は徳川家康の命により築城され、西南隅櫓もその一部として建造されました。
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