三浦按針の訪問ガイド:横須賀編

📍 三浦按針の遺産をたどる:横須賀ウォーキングツアー

イギリス人初の侍、ウィリアム・アダムスの足跡をたどってみませんか?
このセルフガイドのウォーキングツアーでは、三浦按針(ウィリアム・アダムス)が徳川幕府に仕え、横須賀に残した歴史的な足跡を巡ります。

旅の始まりは「按針塚駅」。そこから「按針塚碑」、「鹿島神社」、「浄土寺」を訪れます。道中、日本初の西洋人侍が日本史に刻んだ興味深い物語に触れながら、歴史の息吹を感じてみましょう。

🗺 ルート

按針塚駅(Anjinzuka Station) – ツアーのスタート地点

按針塚駅ホーム

🚉 アクセス
・東京駅ルート:約1時間
  東京駅から品川駅(JR)
  品川駅から按針塚駅(京急線)
・羽田空港ルート:約1時間
  羽田空港第1・第2ターミナル駅から京急蒲田駅(京急線)
  京急蒲田駅から按針塚駅(京急線)
🗺 住所〒237-0072 神奈川県横須賀市長浦町2丁目 
📍 なぜここからスタート?

「按針塚駅」という名前は、「按針の塚」を意味し、ウィリアム・アダムス(三浦按針)がこの地に深く関わっていたことを示しています。

駅から「按針塚碑」までは徒歩約20分です。

按針塚(三浦按針夫妻の墓)

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆☆
 体験的価値:☆☆

按針塚(三浦按針夫妻の墓)

「押し針」の名で知られる英国人航海士、ウィリアム・アダムス(三浦按針)は、1600年に漂着した後、徳川家康に信頼され、外交・造船・砲術の知識を伝えた功績で三浦郡逸見村に220~250石の領地を賜り武士となりました。彼の供養塔(宝筺印塔)は、塚山公園の中腹に位置し、右側は凝灰岩の按針自身、左側は安山岩で妻の墓とされています。1923年には国の史跡に指定されており、大正期以降、日英関係の橋渡しとして再評価。春には公園一帯が桜に包まれ、按針祭観桜会が開催されるなど、文化・歴史を感じるスポットです。公園からは横須賀港を眺望でき、按針が見たであろう江戸湾の風景を想像させます。

パノラマ写真

按針塚前

按針塚の階段前

築造年江戸時代初期(供養塔は1600年代後期以降)
築造者徳川家康の命により地元の手による建立
構造・特徴宝筺印塔2基(右:凝灰岩、左:安山岩)
改修・復元歴1906年に大修復、1923年に史跡指定後整備継続
現存状況良好。塚山公園内に保存
消滅・損壊なし
文化財指定国指定史跡(大正12年3月7日)
備考宝筺印塔は埋葬墓ではなく供養塔で、按針の遺言により江戸を望む地に建立されたと伝わる

🗺 住所:神奈川県横須賀市西逸見町3丁目 塚山公園内
🚶 アクセス
最寄り駅:京急本線「安針塚駅」から徒歩約20分(約1.0 km)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約30分

📍 見どころ

  • 宝筺印塔:按針と妻の供養塔。素材や位置に歴史的意義あり。
  • 眺望スポット:眼下に広がる横須賀港や房総半島、海上自衛隊の艦船を望める絶景。
  • 季節限定の楽しみ方:春は約1,000本の桜が咲く「さくら祭」。夜桜と提灯のライトアップが幽玄な雰囲気に。

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:宝筺印塔は埋葬ではなく、按針の希望により江戸を見下ろせる地点に建立された。
  • 知る人ぞ知る情報:駅名「安針塚」はこの供養塔に由来。1906年に英日同盟締結を背景に再整備された。
  • 著名人との関係:按針は日本初の西洋帆船を建造し、家康の外交・貿易方針に強く影響した国際人として知られています。

近くにある見晴台へ行くのもおすすめです。

鹿島神社(横須賀市西逸見町)

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆
 体験的価値:☆☆

鹿島神社(横須賀市西逸見町)

鹿島神社は、応永17年(1410年)に三浦遠江守によって常陸・鹿島神宮から勧請され、旧逸見村の守護神として創建されました(社殿の棟札にも「応永17年」と明記)。

築造年応永17年(1410年)
築造者三浦遠江守
構造・特徴神明造の社殿、彫刻は後藤喜三郎(後藤義光門人)
改修・復元歴天正2年(1574年)棟札あり、寛永13年(1636年)按針の子による再建、明治28年(1895年)現社地へ遷座再建
現存状況良好。明治期社殿として維持され彫刻保存
消滅・損壊明治24年(1891年)焼失(乞食の失火と伝承)
文化財指定指定村社、神奈川県登録社
備考逸見地域における三浦按針屋敷跡との強いゆかりが伝わる

🗺 住所:神奈川県横須賀市西逸見町2‑70
🚶 アクセス
按針塚から徒歩約16分(約1.1 km)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約20分

📍 見どころ

  • 古棟札の伝承:寛永13年(1636年)、按針の子ジョゼフが社殿再建の棟札が記録に残る。
  • 彫刻装飾:後藤喜三郎による社殿の彫刻が、浦賀・西叶神社と同じ流派で見応えあり。
  • 浄土寺との巡礼路:社殿左隣の浄土寺は、按針の菩提寺で念持仏が安置されている(徒歩1分)。
  • 季節限定の楽しみ方:春と秋の「按針フェスタ」が境内・鹿島神社・浄土寺周辺で開催され、地元の祭囃子やマーケットなどが楽しめます。

📌 トリビア

  • 屋敷跡上の鎮守社:逸見地域の地誌にも「按針屋敷跡に鎮座」の記述あり。
  • 火災と再建:「乞食の失火」による焼失という地元伝承が残る]。
  • 御朱印に按針名記載:按針の名が記された御朱印が人気。

浄土寺(横須賀市西逸見町)

⭐おすすめ度
 歴史的価値:☆☆☆
 視覚的魅力:☆☆
 体験的価値:☆☆

浄土寺(横須賀市西逸見町)

浄土真宗本願寺派の浄土寺は、三浦按針(ウィリアム・アダムス)の 菩提寺 として知られ、徳川家康から領地を賜った逸見村の中心に建っています。本堂は1712年(正徳2年)に再建された木造建築で、境内には按針が持ち込んだとされる「銅造観音菩薩立像」や貝葉経(朱印船貿易で按針が東南アジアから持ち帰ったとされる経文)、さらに念持仏として伝わる観音像など、歴史的価値に富む寺宝を所蔵しています 。

築造年平安末期〜鎌倉初期(創建時期不詳)
築造者畠山重忠(伝承)
構造・特徴本堂:江戸中期建築(1712年)、木造平屋
改修・復元歴1688年火災→1712年再建、本堂耐震補強・基礎増強(昭和末)
現存状況良好
消滅・損壊1688年火災あり
文化財指定市指定重要文化財(念持仏観音像など)
備考三浦按針の菩提寺。境内に梵鐘や宝物あり。按針忌・フェスタなど年中行事

🗺 住所:神奈川県横須賀市西逸見町1‑11 浄土寺
🚶 アクセス
鹿島神社から徒歩約2分(130m)

⏳ 見学の目安
短時間での見どころ:約10分
じっくり観光するなら:約30分

📍 見どころ

  • 念持仏 観音像:按針が個人的に祀ったと伝わる銅造観音像。高さ30cmほど。市指定重要文化財。
  • 貝葉経(ばいようきょう):東南アジアから持ち帰られた、植物の葉に刻まれた仏典で、朱印船貿易の歴史を物語る品。
  • 梵鐘:戦後アメリカに持ち出されたが、「日米友好の証」として返還された逸話を持つ鐘 。

📌 トリビア

  • 日本初の外国人領主の菩提寺:按針が1615年に寺を領内の村人らに檀家にするよう命じた記録が本堂に残っており、日本史的にも稀有な例。
  • 按針忌 & フェスタ:春には法要、秋には音楽やマーケットなどの「按針フェスタ」が開かれ、地域活性化に貢献。
  • 梵鐘の返還:第二次大戦末期に供出→米軍が回収→アメリカから返還されたため「日米友好の証」として珍重される。

その他、付近のスポット紹介

必須ポイントではありませんが、石碑や按針と名前がついているスポット全て紹介します。

按針塚への道標①

JR横須賀駅の脇にある道標です。私が訪問した際には、前に自転車が駐輪してあり、また植物に覆われて隠れていたので、探す場合は注意してください。

按針塚への道標①
按針塚への道標①

按針塚への道標②

そこそこ大きな通りの脇にある道標です。こちらも意識しないと見逃してしまうのでご注意を。

按針塚への道標②

按針塚への道標③

こちらは、鹿島神社と按針塚の間にあります。近くに自動車が通れないトンネルがあるのでそれを目指すと階段の脇に道標があります。

按針塚への道標③
按針塚への道標③

安針台公園

按針という名前がついている公園ですが、特に三浦按針とゆかりのある場所では無さそうです。ただ、この公園の奥の見晴らし台からは、米軍基地に来ている船が見れます。

パノラマ写真

🔹 このツアーの魅力

『SHŌGUN 将軍』のモデルになったリアルな侍を知る
日本と西洋の文化交流の歴史を発見
のんびり歩きながら、伝統と歴史に触れる旅

📍 歴史の中へ一歩踏み出し、日本初のイギリス人侍の足跡をたどりましょう! 🇯🇵✨

📍 この旅の実際の雰囲気を知りたい?
この歴史ルートを歩いた旅行記や、美しい写真をチェックしてみてください! ⬇

🔗 エミー賞受賞のドラマ『SHŌGUN 将軍』のモデルとなった男――三浦按針ゆかりの地巡り

三浦按針の足跡を実際にたどった視点で、この旅を体験してみましょう!

紹介スポットマップ

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