荒子発・名古屋の戦国史跡を訪ねて:利家の初陣像から相応寺、徳川美術館へ(旅ログ)

⚔️ 加賀百万石の礎を築いた男へ――前田利家公の「聖地」を巡る戦国ロマン旅!

大河ドラマで前田利家公の生涯に魅せられて以来、いつか訪れたいと願っていたその「聖地」へ、ついに足を踏み入れました。

11月1日、名古屋の荒子(あらこ)から始まったこの旅は、利家公が若き日を過ごし、正室まつ様と愛を育んだ原点の地を辿ることからスタート。さらに、天下人・豊臣秀吉公ゆかりの場所、そして織田信長公が天下取りへの一歩を踏み出した清須まで、戦国時代の空気を感じながら駆け巡った、まさに歴史ロマン溢れる一日となりました。

荒子駅前で凛々しい利家公の初陣像と対面した瞬間、遥か400年以上前の熱い時代と繋がった感動は忘れられません。史跡巡りでは、まさかの「同名のお寺」のハプニングや、徳川美術館で再会した「前田家の石」へ再開、そして日暮れ迫る清須で捉えた信長公と濃姫の像など、エピソード満載です。

あなたがもし、戦国武将たちの足跡に心を躍らせる歴史好きなら、きっと共感していただけるはず。さあ、加賀百万石の礎が築かれた地と、尾張の雄・信長公のルーツを辿る、記憶に残る旅の記録をどうぞ!

1. 前田利家公のふるさと・荒子で旅の始まり

荒子駅
荒子駅
前田利家像
前田利家像

荒子駅前「前田利家とまつの銅像」駅前のロータリーで、凛々しい前田利家公の騎馬像と、それを見送るようにたたずむまつの方の像を発見!利家公は「槍の又左」と呼ばれる前の、初々しい初陣(稲生の戦い)の姿を模しているそうです(利家17歳、まつ9歳頃)。ローアングルで仰ぎ見ると、まさに「これから戦国を駆け抜けるぞ」という気迫が伝わってきて、旅への高揚感が一気に高まりました。徒歩で荒子公園「前田家の梅苑」へ。

前田家の梅苑
前田家の梅苑

荒子公園「前田家の梅苑」残念ながら11月なので梅は咲いていませんでしたが、加賀藩主の前田家の家紋は「梅鉢紋」。利家の名が付いた梅苑を自分の目で確認できただけで嬉しかったです。徒歩で冨士大権現天満天神宮へ。

冨士大権現天満天神宮
冨士大権現天満天神宮

荒子城跡・前田利家誕生の地(冨士大権現天満天神宮)利家公の父・利昌によって築かれた荒子城の跡地。利家公も城主となり、城の鎮守神として「冨士大権現」を勧請したと伝わります。

冨士大権現天満天神宮
冨士大権現天満天神宮

社号標は「冨士大権現 天満天神宮」とあり、権現造り(ごんげんづくり)という、この規模のお社では珍しい構造だったのが印象的でした。400年以上前の利家公の足跡が今も石碑として残り、それをこの目で確認できることに深い感動を覚えました。バスで前田速念寺へ。

利家ロード
利家ロード

前田速念寺へ向かうバスの中、Googleマップで「利家ロード」を見つけ急遽途中下車!利家公にまつわるストーリーが記載されていました。そのような場所があるだけでワクワクします。改めて徒歩で前田速念寺へ

前田速念寺
前田速念寺
前田速念寺
前田速念寺

前田城跡は、利家公生誕の地というもう一つの説がある場所。現在は前田速念寺(真宗大谷派)として整備されています。寺伝によると、利家公の叔父・利則(意休法師)が城跡に寺を建てたとのこと。綺麗に手入れされた境内に、前田家の歴史が静かに息づいているのを感じました。

💡旅の小さな後悔…荒子城跡のすぐ近くにある「荒子観音寺」を見過ごしてしまったのが心残りです。ここは尾張四観音の一つであり、利家公が修造し、円空仏約1,250体が安置されている国指定重要文化財の多宝塔もある、利家公ゆかりの重要スポットでした。次回は必ず訪れます!


2. 予期せぬ発見と歴史との遭遇

続いて最寄り駅の伏屋駅から烏森駅で下車。レンタルサイクルをかりて相應寺へ

烏森の相應寺
烏森の相應寺

烏森の相應寺(誤)での一幕御朱印をいただけないか尋ねたところ、「浄土真宗なので御朱印はない」との回答。事前に「お亀の方」の御朱印があるという情報を得ていたので尋ねると、住職さんが「それは同名の別のお寺ですよ」と丁寧に教えてくださいました。これも旅の醍醐味、親切な出会いに感謝です!皆さんも間違えないように、ご注意ください。気を改めて自転車で日之宮神社へ。

日之宮神社
日之宮神社
日之宮神社

日之宮神社公園の一角にある、無人の落ち着いた神社。参道がきちんと整備されており、ここで豊臣秀吉公のお母さんが秀吉公のことを思って参拝していたと知ると、一気に歴史との繋がりを感じ、胸が熱くなりました。自転車で中村公園駅まで行き自転車を返却。東山線の中村公園駅から栄駅まで行き、バスに乗り換え徳川美術館へ

徳川美術館
徳川美術館
徳川美術館の門
徳川美術館の門

徳川美術館(特別展「尾張徳川家名品のすべて」)門構えからして凛々しく、風格のある徳川美術館。今回は「尾張徳川家名品のすべて」を目的に再訪しました。

徳川美術館 前田家の刻印石
徳川美術館

以前、大河ドラマを見る前は気にも留めなかったのですが、今回はなんと、建物に入る前の門と入口の間に「前田家の石」が置かれているのを発見!利家公への思い入れが強くなった今、この小さな発見が嬉しかったです。

徳川美術館 徳川家康肖像画
徳川美術館 徳川家康肖像画
千利休の茶道具
千利休の茶道具

展示では、徳川家康公が着用していた着物や有名な肖像画の原本、利休の茶道具など、一流の品々が今にまで保管されていることに感動!尾張徳川家初代・義直の甲冑なども見ることができ、戦国時代から江戸時代に受け継がれた大名文化の深さに触れることができました。続いて中央本線で大曾根駅から千種駅で東山線に乗り換え、覚王山駅下車、徒歩で寶亀山 相應寺へ

寶亀山 相應寺
寶亀山 相應寺

寶亀山 相應寺 山門
寶亀山 相應寺 山門
寶亀山 相應寺 瓦
寶亀山 相應寺 瓦

寶亀山 相應寺(相応寺・正解!)先ほどの住職の情報をもとに、本来の目的地へ。ここは、徳川家康公の側室で、尾張藩初代藩主・徳川義直公の生母である「お亀の方(相応院)」の菩提寺です。お寺は高い位置にあり、立派な山門と、そこへ続く階段の脇に手入れされた美しい庭が印象的でした。夜のイベント準備で関係者の方が出入りする中、御朱印をいただきました。さらに、イベントのために普段は展示していないという「金の屏風」も拝見でき、幸運に恵まれました!


3. 信長公のルーツ・清須へ、そして感動のラスト

旅の後半は、信長公のゆかりの地巡りへ。まずは、寶亀山 相應寺から徒歩で城山八幡宮へ

城山八幡宮
城山八幡宮
末森城跡
末森城跡
城山八幡宮
城山八幡宮

清須へ向かう途中、織田信長公の父・織田信秀が築城し、弟の信行が信長公と対立した末森城の跡地にある、城山八幡宮へ。よく手入れされた神社の境内に城跡が融合していることに驚きました。ここでは、お市の方や信長公など、信長好きが喜びそうな種類の御朱印が多く、選ぶのに迷いました!続いて東山線の覚王山から名古屋駅で、名鉄名古屋本線に乗り換え新清洲駅へ

新清洲駅前の信長像!若き信長公の勇ましい像が、天下取りの始まりの地へ来たことを実感させてくれます。次に徒歩で日吉神社へ

日吉神社
日吉神社
日吉神社
日吉神社
日吉神社
日吉神社

清須の日吉神社閉じる直前の15:50頃にギリギリ到着!ここも豊臣秀吉公ゆかりの神社で、秀吉公の母が安産祈願をし、幼名を「日吉丸」と名付けたと言われる由緒ある場所です。石橋や建物など見応えがあり、木製で切り抜き模様のある珍しい御朱印帳を見つけて購入できました!続いて徒歩で清州城へ

清須城
清州城
清須城門
清州城門
清須城石垣
清州城石垣

清州城時間が間に合わず、外から見物となりましたが、建物としての風格や見応えは十分。現在の天守閣は後世に再建されたものですが、尾張守護所として栄え、信長公が那古野城から移り、天下統一への足がかりを築いた清州城は、その庭や塀、川にかかる橋まで立派で、写真映えする素晴らしいスポットでした。続いて徒歩で織田信長公社へ。

織田信長公社
織田信長公社
清須公園の信長と濃姫像
清州公園の信長と濃姫像

織田信長を神と祀っている織田信長公社の周辺を散策し、線路を挟んで反対側にある清州公園の信長公と濃姫の像にご対面。信長公は桶狭間の方向を見据えているとのことで、当時の緊迫した空気が伝わってくるようでした。歩いて五条橋を渡り清須の前田利家とまつ説明板へ

清須の前田利家とまつ説明板跡
清須の前田利家とまつ説明板跡

「清須の前田利家とまつ説明板」の情報をGoogleマップで見つけ、探して回ったのですが見つからず…。インターネットで調べると、すでに撤去されていたことが判明。残念でしたが、Googleマップに情報を投稿し、旅の新たな任務を一つこなせました。改めて五条橋を渡ります。

五条橋
五条橋

五条橋を訪れ、案内板で豊臣秀吉公が小田原討伐の帰りにここを通り、上畠神社に寄進したという情報をゲット。ここで見つけた上畠神社へ徒歩で。

上畠神社
上畠神社

日も暮れていましたが、そのまま上畠神社へ。夜の神社はあまり良くないと聞くので、入口の写真を撮って参拝としました。旅先で新たな歴史の情報に触れられるのは、本当に旅の醍醐味です。最後にJR東海道線でホテルのある大垣へ。


4. 旅の終わりと次の目標

18時ごろ、大垣のホテル「くれたけイン」に無事到着。夕食はうどんをいただきました。

今回の旅で、利家公が戦国を駆け抜けたルーツの地を自分の足で巡り、大河ドラマで知った武将の聖地に少し近づけた感覚が、何よりも嬉しかったです。400年以上前にあった出来事の印が今も残され、それに触れられることに心から感謝!

次は、見過ごしてしまった荒子観音寺の円空仏に必ず会いに行きたいです。


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