江戸城跡 皇居一般参観日記皇居一般参観 体験レポート ~江戸城跡を歩く~江戸城跡 皇居一般参観日記

2025年3月現在、江戸城跡である皇居では、無料の皇居一般参観が人数限定で実施されています。
ただし、人数制限がありますので整理券を取るために早朝から並びました。
詳細については、宮内庁の公式ウェブサイト「皇居一般参観」のページを参照してください。

整理券入手

地下鉄大手町駅から地上に出ると、いつもなら多くの観光客で賑わっていますが、早朝のため静まり返っていました。皇居一般参観の整理券配布場所である桔梗門には朝8時に到着しました。すでに30人ほどが並び、静かな朝の空気の中で待機しています。次々と人が増え、9時頃には長い列ができていました。皇居の一般公開ツアーの人気の高さを実感しました。

9時になると係員が現れ、入場整理券が配布されました。無事に整理券を受け取った後、ツアー開始まで時間があったため、朝食を求め大手町駅方面へ向かいました。

ツアー前のコーヒーブレイク

桔梗門から大手町駅へ少し戻った先にあるスターバックスに立ち寄りました。温かいカフェラテとともに、ティラミスマラサダを注文しました。ハワイ発祥の揚げパンはふわふわで、優しい甘さが朝の空腹を満たしてくれました。窓の外には皇居の木々が広がり、静かな時間が流れていました。

皇居の中へ:ツアーの始まり

9時45分、再び桔梗門へ戻り、首から下げる番号札を受け取りました。その後、桔梗門を潜り、大きな待機部屋へ案内されると、すでに500人ほどの参加者が集まっていました。整理券を渡し、ツアーパンフレットを受け取りました。しばらくすると、係員による注意事項の説明が始まりました。ツアーは日本語、英語、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語の6言語に対応しており、国際色豊かです。お土産屋もあり、購入するならツアー前に済ませるようにとの案内がありました。そして、いよいよツアーが開始されました。まずは日本語グループから移動を始めました。

① 富士見櫓(ふじみやぐら):江戸城の象徴

最初に訪れたのは、江戸城の面影を今に伝える「富士見櫓」です。皇居東御苑からも見ることができますが、間近でお堀の上に堂々とそびえ立つ姿を見るのは初めてで、その迫力に圧倒されました。「富士見櫓」という名前は、江戸時代にこの櫓から富士山が望めたことに由来しているそうです。白壁と黒瓦の鮮やかなコントラストが美しく、遠くからでもひときわ目を引く存在感を放っています。案内によると、この櫓は堀から高い位置に築かれているため湿気が少なく、現在は美術品の保管庫として利用されているとのことでした。かつて軍事的な役割を担った建物が、今では貴重な文化財を守る場所として使われていることに、歴史の面白さと価値を改めて感じました。

② 富士見多聞と蓮池濠(はすいけぼり)

次に訪れたのは、富士見多聞とその眼下に広がる蓮池濠です。富士見多聞は皇居東御苑の本丸跡の脇に位置し、普段は中に入ることができますが、外側からその姿を眺めるのは今回が初めてでした。江戸城の防御施設の一つであり、かつては武士たちが城の警護にあたっていた場所です。ここから見下ろす蓮池濠は、その名の通りかつて蓮の花が一面に咲き誇っていたとのことです。現在は蓮の花こそありませんが、昔ながらのお堀の形が残されており、江戸時代の情景を思い浮かべながら散策を楽しむことができました。

③ 宮内庁庁舎と宮殿東庭(とうてい)

ツアーは進み、宮内庁庁舎を横目に見ながら歩きます。ここは皇室関連の公務を執り行う場所で、一般人には立ち入りが許されていないエリアです。その先に広がるのは宮殿東庭です。ここは新年一般参賀や天皇誕生日の際に一般開放され、多くの人々が訪れる場所です。普段はなかなか立ち入る機会がないだけに、実際にその場に立つと特別な感慨がありました。

④ 二重橋とメガネ橋

皇居観光のハイライトとも言えるのが二重橋です。多くの観光写真に登場するこの橋には、興味深い由来があります。元々、この場所には一段の橋を建てることができなかったため、まず低い位置に橋を架け、その上にもう一段橋を重ねたことから「二重橋」と呼ばれるようになったそうです。現在の橋は作り直されており、一段構造になっていますが、その歴史を知ると見え方が変わります。その手前にあるのが、正門石橋(メガネ橋)です。この橋の名前の由来は、お堀の水面が波立っていないとき、橋の半円が水面に映り、ちょうどメガネのように見えることからきています。水面が静かな日には、幻想的な光景が広がるのでしょう。

⑤ 伏見櫓(ふしみやぐら):戦国の記憶

そして二重橋の上から見えるのが「伏見櫓」です。この櫓は元々京都の伏見城にあったもので、関ヶ原の戦いの後に江戸城へ移築されたという伝説が残っています。二層の櫓が堂々とした佇まいを見せており、現存する江戸城の櫓の中でも最も美しいと評判です。かつて防御拠点としての重要な役割を担ったその姿は、今なお歴史を伝える貴重な建築物として訪れる人々を魅了しています。

⑥ 山下通り(やましたどおり):かつて東照宮があった場所

伏見櫓の見学を終え、次に向かったのは山下通りです。皇居内でも特に静寂で情緒あふれる場所として知られるこの通りは、両側に緑豊かな木々が生い茂り、時間の流れを忘れさせるような穏やかな空間が広がっています。ガイドによると、この通りの脇に位置しているのが紅葉山とのことでした。全国津々浦々の東照宮を巡るのが好きな私にとっては、「ここが噂の紅葉山か」と感動し、その場に立てることに喜びを感じました。紅葉山は江戸城の西側に位置し、かつて東照宮や数多くの寺院が建ち並んでいたことで知られています。現在は山に入ることはできず、当時の寺院や神社も残っていないことは知っていますが、それでも心が躍りました。ちなみに、この地にあった東照宮の鳥居は、現在の上野東照宮に移設されたそうです。その歴史を偲ぶかのように、ゆったりと散策を楽しむ人々の姿が印象的でした。

ツアー終了後の感想

ツアーは約1時間半ほどで終了し、再び桔梗門前に戻ってきました。皇居の内部を歩きながら、日本の歴史と文化に触れる貴重な体験ができました。特に富士見櫓や二重橋など、日本の象徴的な建造物を間近で見ることができたのは感慨深いものでした。今回のツアーで皇居の一端を垣間見ることができましたが、まだまだ見てみたい場所がたくさんあります。次回は乾通一般公開にも足を運びたいと思います。それにしても、この貴重な体験を可能にしてくれた皇居の管理・運営に感謝したいです。皇居一般公開ツアーは、江戸時代の名残を感じながら歩くことができる、何とも贅沢なひとときでした。

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