江戸城跡 皇居東御苑【第3回】本丸エリア

富士見櫓エリアを抜け、本丸エリアへ足を踏み入れると、そこはまさに江戸城の心臓部。かつて徳川幕府の中枢が置かれた場所であり、江戸時代の栄華を今に伝える貴重な史跡が点在しています。本丸跡や天守台跡、現存する唯一の多聞である富士見多聞など、歴史的価値の高い見どころが満載です。将軍がかつて歩いた場所に立ち、江戸時代の面影を感じながら、往時の壮大なスケールを想像してみませんか?本記事では、そんな本丸エリアの魅力を詳しくご紹介します。

本丸エリア

富士見多聞

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆
 体験的価値:​☆☆☆

富士見多聞(ふじみたもん)は、江戸城本丸の西側に位置する防御施設で、現存する唯一の多聞(長屋造りの武器庫)です。​多聞は城郭の石垣上に建てられ、防御と装飾を兼ね備えた長屋造りの建物で、武器や道具の収蔵庫としても使用されていました。 ​富士見多聞は、明暦3年(1657年)の大火で焼失した後、万治2年(1659年)に再建されました。​その後、大正12年(1923年)の関東大震災で損壊し、大正14年(1925年)に復旧されています。​昭和43年(1968年)には解体修理が行われ、現在の姿となりました。 ​この多聞からは、かつて将軍が富士山や品川の海を眺めたと伝えられています。

🗺 住所: 東京都千代田区千代田1-1

🚶 アクセス

松の大廊下跡から徒歩約1分(約100m)​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約15分​
  • じっくり観光するなら:約30分​

📍 見どころ

  • 富士見多聞:​江戸城に現存する唯一の多聞で、内部には武器や道具が収蔵されていました。​
  • 石垣:​多聞の下に広がる高さ約19メートルの石垣は、壮観で見応えがあります。
  • 季節限定の楽しみ方:​春には周囲の桜が咲き誇り、美しい景観を楽しめます。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​富士見多聞は、明暦3年(1657年)の大火で焼失した後、万治2年(1659年)に再建されました。
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​多聞の内部は一般公開されることが少なく、その内部構造を目にする機会は限られています。​
  • 著名人との関係:​将軍がこの多聞から富士山や品川の海を眺めたと伝えられています。​

石室

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆
 体験的価値:​☆☆

🏛 概要

江戸城の石室(いしむろ)は、皇居東御苑内の蓮池濠沿いに位置する石造りの蔵です。​内部は約20平方メートルの広さで、伊豆半島産の安山岩(伊豆石)を用いた切石で隙間なく構築されています。

その用途については諸説あり、火災時に大奥の調度品や文書類を避難させる蔵として使用されたと考えられています。​また、江戸城の抜け穴や御金蔵とする説もありますが、場所柄から避難用の蔵であった可能性が高いとされています。

石室の表面には焼けた痕跡が見られ、過去の火災の影響を示しています。​現在もその歴史的価値から、訪れる人々に江戸時代の防火対策や建築技術を伝えています。​

🗺 住所

東京都千代田区皇居東御苑内

🚶 アクセス

富士見多聞から徒歩約1分(約0.05km)​

見学の目安

  • 短時間での見どころ:​約5分​
  • じっくり観光するなら:​約10分​

📍 見どころ

  • 石室の構造:​伊豆石を用いた精巧な石組みと、内部の広さを直接観察できます。​
  • 焼痕の確認:​石室の外壁に残る焼け跡から、江戸時代の火災の歴史を感じ取ることができます。​
  • 周辺の蓮池濠:​石室周辺の蓮池濠は、四季折々の風景を楽しめるスポットです。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​石室は、江戸城本丸御殿の大奥の脇に位置し、火災時の避難用蔵としての役割を果たしていたと考えられています。 ​
  • 知る人ぞ知る情報:​石室の石材である伊豆石は、伊豆半島から船で運ばれたもので、耐火性に優れています。 ​
  • 著名人との関係:​石室自体に直接的な著名人との関係は確認されていませんが、江戸城本丸御殿の一部として、歴代将軍や大奥の女性たちが関わった場所の近くに位置しています。

本丸跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆☆
 視覚的魅力:​​☆
 体験的価値:​☆

江戸城の本丸跡は、現在の皇居東御苑内に広がる広大な芝生エリアとして知られています。​江戸時代、この場所には将軍の居城であり、幕府の中枢機関である本丸御殿が存在しました。​本丸御殿は、表御殿・中奥・大奥の三つの区域に分かれ、表御殿は諸役人の執務や将軍の謁見の場として、最も格式の高い「大広間」では正月などに諸大名が参集していました。 ​
本丸御殿は、その壮麗さと規模から「天下の書院」と称され、江戸城の象徴的存在でした。​しかし、度重なる火災や地震により幾度も焼失と再建を繰り返し、最後の焼失は1863年(文久3年)で、その後再建されることはありませんでした。 ​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

石室から徒歩約2分(約0.2km)

⏳ 見学の目安

短時間での見どころ:約10分​

じっくり観光するなら:約20分

📍 見どころ

  • 本丸跡の芝生広場:​広々とした芝生が広がるエリアで、かつての本丸御殿が存在した場所です。​季節ごとに異なる景色を楽しむことができます。

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​江戸城の本丸御殿は、明暦の大火(1657年)など度重なる火災で焼失し、その後再建されましたが、最終的には1863年(文久3年)の火災で焼失し、その後再建されることはありませんでした。​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​本丸跡の地下には、かつての石垣や建物の基礎が埋まっており、考古学的な調査が行われています。​
  • 著名人との関係:​江戸城は徳川将軍家の居城であり、多くの歴史的な出来事の舞台となりました。​特に、三代将軍徳川家光の時代には、現在の天守台が完成し、江戸城の最盛期を迎えました。​

江戸城天守復元模型

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

江戸城の天守は、慶長期(1607年)、元和期(1623年)、寛永期(1638年)の3度にわたり築かれましたが、1657年の明暦の大火で焼失し、その後再建されることはありませんでした。​現在、皇居東御苑の本丸休憩所増築棟には、寛永期の天守を1/30スケールで再現した復元模型が常設展示されています。 ​

🗺 住所: 東京都千代田区千代田1-1

🚶 アクセス

本丸跡から徒歩約1分(約0.01km)​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約10分​
  • じっくり観光するなら:約20分​

📍 見どころ

  • 天守復元模型:​寛永期の天守を精巧に再現した模型で、江戸時代の建築技術や天守の壮麗さを感じることができます。​
  • 本丸休憩所:​模型の展示場所であり、隣に休憩所があり休憩や資料閲覧が可能です。​​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​江戸城の天守は、明暦の大火以降再建されず、現在は天守が存在しません。
  • 地元の人しか知らない秘密:​復元模型は、2020年9月29日から一般公開が開始されました。 ​
  • 著名人との関係:​徳川家光が寛永期の天守を築き、その壮麗さは当時の権威の象徴でした。​

台所前三重櫓跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

台所前三重櫓跡(だいどころまえさんじゅうやぐらあと)は、江戸城本丸の東側に位置していた三重の櫓の跡地です。​現在、櫓自体は存在しませんが、石垣が残されており、当時の城郭構造を偲ぶことができます。​この石垣上は展望台として整備されており、二の丸庭園や白鳥濠を一望できるスポットとして人気があります。​訪れた方々からは、「都会の中で歴史と自然を感じられる貴重な場所」との声が寄せられています。​

🗺 住所: 東京都千代田区千代田1-1

🚶 アクセス

江戸城天守復元模型から徒歩約2分(約0.1km)​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約10分​
  • じっくり観光するなら:約20分​

📍 見どころ

  • 展望台としての石垣上:​石垣上に設けられた展望台からは、二の丸庭園や白鳥濠を一望でき、四季折々の景色を楽しめます。​
  • 季節限定の楽しみ方:​春には周囲の桜が美しく咲き、石垣とのコントラストが見どころです。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​台所前三重櫓は、江戸城の防御拠点として重要な役割を果たしていましたが、明暦の大火(1657年)以降再建されず、その跡地は長らく未使用のままでした。​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​現在の展望台からは、都会のビル群と歴史的な庭園が融合した独特の景観を楽しむことができます。​
  • 著名人との関係:​徳川家康をはじめとする歴代将軍がこの近くを通り、本丸へ向かっていたと伝えられています。​

天守台跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆☆

江戸城の天守台跡は、かつて壮麗な天守がそびえていた場所であり、現在は石垣のみが残されています。​この天守は、徳川家康が江戸城を拡張する中で築かれ、江戸時代を通じて三度の再建が行われました。​しかし、1657年の明暦の大火で焼失し、その後再建されることはありませんでした。​現在、天守台跡は皇居東御苑内に位置し、訪れる人々に江戸時代の壮大さを伝えています。​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

台所前三重櫓跡から徒歩約5分(約0.4km)​

⏳ 見学の目安

短時間での見どころ:約10分​

じっくり観光するなら:約20分​

📍 見どころ

  • 天守台の石垣:​高さ約11メートル、幅約41メートルの巨大な石垣は、当時の築城技術の高さを物語っています。​
  • 天守台上部からの眺望:​天守台の上に立つと、皇居東御苑や都心の景色を一望でき、歴史と現代が交錯する風景を楽しめます。​
  • 季節限定の楽しみ方:​春には桜が咲き誇り、天守台と桜のコントラストが美しい景観を作り出します。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​天守が焼失した後、再建の計画がありましたが、幕府の財政難や政治的判断により実現しませんでした。​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​天守台の石垣には、石を運んだ大名家の刻印が残されており、注意深く観察すると見つけることができます。​
  • 著名人との関係:​天守の再建計画時、幕閣の重鎮であった保科正之が「天守は必ずしも必要ではない」と進言し、再建が中止されたと言われています。​

北桔橋門

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

北桔橋門(きたはねばしもん)は、江戸城本丸の北端に位置し、北の丸との境界に設けられた重要な城門です。​その名称は、門前の橋が有事の際に跳ね上げられる構造であったことに由来し、「桔橋(はねばし)」と呼ばれました。​この門を入ると正面に天守閣があり、江戸城の北側防衛の要所として機能していました。 ​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

天守台跡から徒歩約3分(約200メートル) ​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約5分​
  • じっくり観光するなら:約15分​

📍 見どころ

  • 冠木門と橋の遺構:​現在、北桔橋門の冠木門と橋が残されており、当時の城門の構造を垣間見ることができます。 ​
  • 平川濠と乾濠の景観:​門前に広がる内濠である平川濠と乾濠の美しい景観を楽しむことができます。
  • 江戸城天守台跡:​門を入ると、かつて天守閣がそびえていた天守台の跡地が広がり、歴史の重みを感じることができます。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​太田道灌の時代、この付近が城の大手(正面)であったと伝えられています。 ​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​門の柱には、かつて橋を跳ね上げるための滑車を吊るしたとされる金具が残っており、当時の防衛体制の一端を今に伝えています。 ​

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