日光の歴史を巡る:日光ウォーキングツアー
江戸幕府を築いた家康公。その静かな眠りを見守る日光の社を歩けば、四百年の時を越えて江戸の息吹が感じられます。このセルフガイドでは、家康公の足跡をたどりながら、日光東照宮や輪王寺など、歴史の香り漂う名所をゆっくり巡ります。ひとつひとつの社殿に込められた物語を感じながら歩いてみましょう。
旅の始まりは「東武日光駅」。そこから家康公を祀った壮麗な「日光東照宮」など徳川家康と縁深い史跡を巡り、再び「東武日光駅」へと戻ります。春は新緑、秋は紅葉。季節ごとに表情を変える日光の森を歩けば、家康公が築いた時代の息づかいが静かに伝わってきます。
- 🔹 ツアー概要
- 🗺 ルート詳細
- 東武日光駅(Tobu Nikko Station) – ツアーのスタート地点
- 天海像(Statue of Tenkai) – 徳川家に仕えた名僧
- 宝物殿(Treasure House) – 貴重な文化財を展示
- 一の鳥居(Ichi-no-Torii) – 東照宮への正式な入り口
- 五重塔(Five-Story Pagoda) – 東照宮の壮麗な塔(チケット購入)
- 表門(Omote-mon) – 東照宮の荘厳な正門
- 三猿(Three Wise Monkeys) – 「見ざる・聞かざる・言わざる」の教え
- 陽明門(Yomei-mon) – 豪華絢爛な東照宮の象徴
- 眠り猫(Nemuri-neko) – 平和の象徴とされる小さな彫刻
- 奥宮宝塔(Okumiya Hōtō) – 徳川家康の御霊が祀られている場所
- 日光東照宮 本殿・拝殿(Nikkō Tōshōgū Shrine – Honden & Haiden)
- 輪王寺薬師堂(Rinnoji Yakushido) – 薬師如来を祀るお堂
- 輪王寺大猷院(Rinnoji Taiyuin) – 三代将軍・徳川家光の霊廟 – 三代将軍・徳川家光の霊廟
- 旧奥社唐門・旧奥社鳥居(Kyūokusha Karamon & Kyūokusha Torii) – 東照宮の奥地に眠る歴史的遺構
- ゴール:東武日光駅
- ルートマップ
- 紹介した場所
🔹 ツアー概要
東武日光駅をスタートし、日光東照宮ゆかりのスポットを巡る歴史散策ツアー。徳川家康公が眠る荘厳な「奥宮宝塔」や、平和の象徴として知られる「眠り猫」、美しい「五重塔」、徳川家光公を祀る「輪王寺(家光公霊廟)」などを訪問します。歴史を感じる「一の鳥居」をくぐり、壮麗な「表門」や、貴重な文化財が展示される宝物館も見学。さらに「旧奥社唐門・旧奥社鳥居」など、知られざる歴史的遺構も訪れます。東武日光駅から徒歩で巡り、戦国から江戸へ繋がる将軍の足跡を辿ります。
ゴール:東武日光駅 所要時間:3~4時間(徒歩+観光を含む)
🗺 ルート詳細
東武日光駅(Tobu Nikko Station) – ツアーのスタート地点
🚉 アクセス:
・東京駅ルート:約2時間50分
東京駅から浅草駅(JRと東京メトロ)
浅草駅から東武日光駅(東武鉄道特急)
・羽田空港ルート:約3時間
羽田空港第1・第2ターミナル→京急蒲田→品川→泉岳寺→浅草駅(京急線→都営浅草線の直通もあり)
浅草駅から東武日光駅(東武鉄道特急)
🗺 住所:〒321-1406 栃木県日光市松原町4-3
📍 なぜここからスタート?
東武日光駅は、東京方面からの日光観光の玄関口。駅周辺には観光案内所やバス停があり、アクセスが便利です。
🚶 徒歩時間:次の目的地「天海像」までは約10分
天海像(Statue of Tenkai) – 徳川家に仕えた名僧

🏛 概要
天海(てんかい)は、徳川家康に仕え、江戸幕府の宗教政策や日光東照宮の整備に深く関わった名僧です。比叡山で修行を積み、家康公の没後には日光を「北方の鎮護」として位置づけ、東照宮の創建を支えました。
この天海像は、彼の功績を後世に伝えるために建立されたものです。天海が説いた「東照大権現(とうしょうだいごんげん)」の思想は、徳川家の精神的支柱として、今も日光の地に息づいています。
🗺 住所:〒321-1401 栃木県日光市上鉢石町
🚶 徒歩時間:東武日光駅から約23分(1.5m)
⏳ 見学の目安:5分
📍 見どころ
- 天海(1536–1643)は徳川家康の側近として仕え、東照宮創建に尽力。
- すぐ近くの輪王寺には、天海を祀る「慈眼堂(じげんどう)」があり、その功績を今に伝えている。
- 像は市街地の道路沿いに立ち、通りがかりでも気軽に立ち寄れる。
宝物殿(Treasure House) – 貴重な文化財を展示

🏛 概要
宝物殿は、日光東照宮に受け継がれてきた貴重な文化財や史料を収蔵・展示する施設です。館内では、徳川家康公ゆかりの武具や書状、工芸品などを間近で見ることができ、江戸初期の美意識と職人技の高さを感じられます。
現在の建物は昭和39年(1964年)に建てられたもので、東照宮の歴史や建築の背景をわかりやすく紹介する展示も充実。参拝の前後に立ち寄れば、社殿に込められた意味や当時の信仰の深さをより理解できます。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301
🚶 徒歩時間:天海像から約10分(700m)
⏳ 見学の目安:25分
📍 見どころ
- 家康公にまつわる武具や書状、工芸品など、東照宮の歴史を物語る展示が豊富。
- 展示内容は定期的に入れ替えられ、再訪しても新しい発見がある。
- 見学後に本殿を訪れると、建築や装飾の背景がより鮮明に感じられる。
一の鳥居(Ichi-no-Torii) – 東照宮への正式な入り口

🏛 概要
一の鳥居(いちのとりい)は、日光東照宮の表参道に立つ、神域への入り口を示す大きな石の鳥居です。参拝者はこの鳥居をくぐることで、日常の世界から神聖な空間へと一歩を踏み入れます。
元和4年(1618年)、黒田長政によって寄進されたもので、御影石造としては関東でも最大級の規模を誇ります。中央に掲げられた「東照宮」の扁額が堂々と輝き、これから始まる参拝の道のりを静かに見守っています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2281−3
🚶 徒歩時間:宝物殿から約2分(100m)
⏳ 見学の目安:5分
📍 見どころ
- 東照宮の参道の起点に立つ石造りの大鳥居。神域への境を象徴する。
- 黒田長政が寄進した御影石の鳥居で、重厚な存在感を放つ。
- 扁額に刻まれた「東照宮」の文字を見上げながら、いよいよ神の領域へと歩みを進める。
五重塔(Five-Story Pagoda) – 東照宮の壮麗な塔(チケット購入)

🏛 概要
五重塔は、日光東照宮の表参道を進むとすぐ左手にそびえる、高さ約36メートルの塔です。参拝者を最初に出迎えるこの塔は、東照宮の象徴のひとつでもあります。
最初の塔は慶安3年(1650年)に若狭国小浜藩主・酒井忠勝によって寄進されましたが、文政10年(1827年)の火災で焼失。現在の塔は天保2年(1831年)に再建されたものです。
各層は仏教の「五大(地・水・火・風・空)」を表し、中心には地面に固定されていない「心柱(しんばしら)」が通されています。宙に浮くように支えるこの構造は、日本の伝統的な耐震技術の粋を今に伝えています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301
🚶 徒歩時間:一の鳥居から約1分(10m)
⏳ 見学の目安:10分
📍 見どころ
- 天保2年(1831年)に再建された高さ36メートルの五重塔。
- 各層には十二支の彫刻があり、細部まで美しく仕上げられている。
- 塔の内部は特別公開時のみ見学可能。
- すぐ近くに東照宮の拝観券売り場があり、参拝の起点となる場所。
表門(Omote-mon) – 東照宮の荘厳な正門

🏛 概要
表門(おもてもん)は、日光東照宮の正面に立つ参拝の入口で、境内へと続く最初の門です。別名「仁王門(におうもん)」とも呼ばれ、左右には力強い金剛力士像が立ち、邪悪なものの侵入を防ぐ守護の門として知られています。
現在の門は寛永13年(1636年)の大改修で建てられたもので、東照宮の歴史を伝える重要文化財のひとつです。落ち着いた色合いの木組みに金具や彫刻が映え、門をくぐると正面にきらびやかな「陽明門」が姿を現します。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301−2
🚶 徒歩時間:五重塔から約1分(20m)
⏳ 見学の目安:10分
📍 見どころ
- 東照宮の入口に立つ重厚な門で、仁王像が力強く参道を守護。
- 寛永期の建築美が今も残り、装飾金具や彫刻の細工が見事。
- 門をくぐると、豪華絢爛な「陽明門」へと続く荘厳な参道が広がる。
三猿(Three Wise Monkeys) – 「見ざる・聞かざる・言わざる」の教え

🏛 概要
三猿の彫刻は、日光東照宮の神厩舎(しんきゅうしゃ)に刻まれた、世界的にも有名な「見ざる・聞かざる・言わざる」を表す木彫です。神厩舎は、神馬(しんめ)をつなぐための厩で、東照宮の中でも特に親しまれている建造物のひとつです。
この彫刻は江戸時代の名工・左甚五郎の作と伝えられ、人生を段階的に描いた8面の連作の一部として配置されています。「見ざる・聞かざる・言わざる」は、幼少期に悪い影響を避け、素直な心を育むことの大切さを教えています。木の温もりとともに刻まれた猿たちの表情には、400年を経ても変わらない人の思いが込められています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301−2
🚶 徒歩時間:表門から約2分(100m)
⏳ 見学の目安:10分
📍 見どころ
- 「見ざる・聞かざる・言わざる」で知られる三猿の彫刻。
- 子猿の誕生から成長までを描いた8面の物語の一部。
- 東照宮の中でも特に人気の高いフォトスポット。
陽明門(Yomei-mon) – 豪華絢爛な東照宮の象徴

🏛 概要
陽明門(ようめいもん)は、日光東照宮を代表する門で、そのきらびやかな装飾と圧倒的な美しさから「日暮門(ひぐらしのもん)」の名で親しまれています。あまりにも見事な細工のため、眺めているうちに日が暮れてしまう──そんな逸話が残るほどです。
現在の門は寛永13年(1636年)、3代将軍・徳川家光の命によって建てられました。約500体におよぶ彫刻が施され、龍や麒麟、唐獅子、鳳凰などが神域を守護しています。2013年から行われた修復工事を経て、2017年に白と金の輝きを取り戻しました。晴れた日の陽明門は、まさに東照宮の象徴そのものです。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301 日光東照宮内
🚶 徒歩時間:三猿から約2分(100m)
⏳ 見学の目安:20分
📍 見どころ
- 東照宮の中でも最も有名な門で、約500体の精緻な彫刻が施されている。
- 「日暮門」とも呼ばれ、眺めていると時間を忘れるほど美しい。
- 黄金色に輝く装飾が印象的で、日光東照宮の象徴的存在。
眠り猫(Nemuri-neko) – 平和の象徴とされる小さな彫刻

🏛 概要
眠り猫は、日光東照宮の奥宮へ続く門の上部に彫られた、わずか20センチほどの小さな木彫です。江戸時代の名工・左甚五郎の作と伝えられ、東照宮の中でも特に有名な彫刻のひとつです。
目を閉じて穏やかに眠る猫は「平和の象徴」とされ、家康公が祀られるこの地が安寧であることを示しているといわれます。猫の裏側には二羽の雀が彫られており、「猫が眠るほど、雀が安心して遊べる平和な世」を表現していると伝えられています。小さくても深い意味を持つ、東照宮屈指の人気スポットです。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301
🚶 徒歩時間:陽明門から約2分(100m)
⏳ 見学の目安:5分
📍 見どころ
- 小さな猫が静かに眠る姿が印象的な彫刻。
- 背面には雀の彫刻があり、「平和で穏やかな世界」を象徴している。
- 名工・左甚五郎の作と伝わり、東照宮を代表する人気の撮影スポット。
奥宮宝塔(Okumiya Hōtō) – 徳川家康の御霊が祀られている場所

🏛 概要
奥宮宝塔(おくみやほうとう)は、徳川家康公の御霊が眠る、日光東照宮でも最も重要な場所です。家康公の遺言により、没後はまず静岡の久能山に葬られましたが、翌年の元和3年(1617年)に現在の日光へ改葬されました。
奥宮へは「眠り猫」をくぐった先から続く石段を登って向かいます。その数およそ207段。石段を登り切ると、静寂の中に「鋳抜門(いぬきもん)」が現れ、その先に家康公を祀る宝塔がひっそりと佇んでいます。緑に包まれた空間には、長い年月を経ても変わらぬ敬意と祈りが息づいています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301
🚶 徒歩時間:眠り猫から約10分(500m)
⏳ 見学の目安:15分
📍 見どころ
- 徳川家康の墓所であり、東照宮の最も神聖なエリア。
- 207段の石段を登った先にあり、厳かな雰囲気に包まれている。
- 家康公がここに眠ることで、日本全国の東照宮の中心となっている。
日光東照宮 本殿・拝殿(Nikkō Tōshōgū Shrine – Honden & Haiden)

🏛 概要
日光東照宮の本殿と拝殿は、徳川家康公を祀る東照宮の中心にあたる建造物で、日本独特の建築様式「権現造(ごんげんづくり)」の代表例です。現在の社殿は寛永13年(1636年)、3代将軍・徳川家光の命により大規模に改修され、極彩色の装飾と精緻な彫刻が施されました。
本殿には家康公の神霊が鎮まり、拝殿は人々が祈りを捧げる場として設けられています。両殿は「石の間」と呼ばれる空間でつながり、ひとつの建築として完成された美を見せています。金と朱が調和した社殿の輝きは、江戸の栄華を今に伝える東照宮の象徴です。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301
🚶 徒歩時間:奥宮宝塔から約10分(500m)
⏳ 見学の目安:30分
📍 見どころ
- 全国の東照宮の総本社にあたる、本殿と拝殿。
- 豪華な装飾と繊細な彫刻が見事な「権現造」の代表建築。
- 江戸時代の職人技が随所に光る国宝級の意匠。
- 春・秋に行われる「千人武者行列」では、往時の荘厳な雰囲気を体感できる。
輪王寺薬師堂(Rinnoji Yakushido) – 薬師如来を祀るお堂
🏛 概要
輪王寺薬師堂は、病気平癒や健康長寿を祈願するために建てられたお堂で、本尊の薬師如来が人々の祈りを受け止めてきました。日光東照宮のすぐそばにあり、江戸時代から続く信仰の場として今も多くの参拝者が訪れます。
堂内の見どころは、天井いっぱいに描かれた龍の絵「鳴き龍(なくりゅう)」。僧侶の案内に従って手を叩くと、音が天井に反響し、まるで龍が鳴くような響きが堂内に広がります。その澄んだ音は、訪れる人の心に深く残る体験です。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2301 日光東照宮 内
🚶 徒歩時間:日光東照宮から約8分(500m)
⏳ 見学の目安:15分
📍 見どころ
- 重要文化財に指定された歴史ある仏堂。
- 美しい天井画「鳴龍」が有名で、手を叩くと龍の鳴き声のように響く。
- 薬師如来が安置され、健康祈願の場として信仰されている。
輪王寺大猷院(Rinnoji Taiyuin) – 三代将軍・徳川家光の霊廟 – 三代将軍・徳川家光の霊廟
🏛 概要
輪王寺大猷院は、江戸幕府第3代将軍・徳川家光公の霊廟であり、日光山内にある荘厳な寺院のひとつです。家光公は、祖父・徳川家康公が祀られる日光東照宮を「恐れ多い」として、東照宮よりも控えめな霊廟を建てるように指示しました。
承応元年(1652年)に建立され、金色の装飾が施された華麗な建築様式が特徴です。奥院には家光公の墓所があり、歴代将軍の中でも特に格式の高い霊廟とされています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2300
🚶 徒歩時間:東照宮から約10分(600m)
⏳ 見学の目安:30分
📍 見どころ
- 徳川家光を祀る霊廟で、東照宮と同じく豪華な造り。
- 黒と金を基調とした落ち着いた雰囲気。
- 東照宮の荘厳さとは異なり、静けさの中に格式の高さを感じる。
旧奥社唐門・旧奥社鳥居(Kyūokusha Karamon & Kyūokusha Torii) – 東照宮の奥地に眠る歴史的遺構

🏛 概要
旧奥社唐門と旧奥社鳥居は、徳川家康公を祀る東照宮の奥社に属していた歴史的な建造物です。
元和7年(1622年)に木造で建立された後、慶安年間(1648~1652年)に石造へと改められました。しかし、その後の改修で唐門と鳥居は銅製のものに置き換えられ、旧奥社の西側の山中に埋もれてしまいました。昭和42年(1967年)に発掘され、現在の場所に復元・再建されています。
長年土の中に眠っていたこの遺構は、往時の姿を静かに伝えています。
🗺 住所:〒321-1431 栃木県日光市山内2300
🚶 徒歩時間:大猷院から約4分(350m)
⏳ 見学の目安:10分
📍 見どころ
- 唐門の設計には、江戸時代の宮大工として名高い大棟梁・平内応勝(1632-1683年)が関与。
- 鳥居と唐門は石造で、重厚感のある歴史的な雰囲気を味わえる。
- 日光東照宮の華やかさとは異なり、静かな空間で歴史を感じることができる。
ゴール:東武日光駅
🚶 徒歩時間:旧奥社唐門・旧奥社鳥居から約30分(2.3km)
📍 なぜここで終わる?
- ツアーの出発地点に戻ることで、旅の余韻を感じる。
- 駅周辺にはお土産店やカフェがあり、最後に休憩できる。
📍 歴史の旅へ一歩踏み出し、日光の魅力を存分に楽しみましょう! 🇯🇵✨

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