江戸城跡 皇居東御苑【第2回】富士見櫓エリア

大手門を抜け、江戸城の警備の要である百人番所を見学した後は、いよいよ本丸へと向かう「富士見櫓エリア」へと足を進めます。ここは、本丸の防御と統治の中心として機能していた重要なエリアであり、かつての城内の姿を今に伝える遺構が点在しています。

厳重な警備が敷かれていた中之門跡や大番所、将軍が居住する本丸へと続く中雀門跡。そして、天守に代わる象徴的な存在となった富士見櫓や、忠臣蔵で知られる松之大廊下跡など、幕府の歴史を物語るスポットが揃います。百人番所から続くこのエリアを巡りながら、江戸城の防御の工夫や幕府の権威を感じてみましょう。

富士見櫓エリア

中之門跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

江戸城の中之門跡は、かつて本丸への主要な出入口として機能していた門の遺構です。​この門は、江戸時代を通じて将軍や大名の登城時に使用され、その重要性から厳重な警備が敷かれていました。​現在では、石垣のみが残されており、当時の壮麗な構造を偲ぶことができます。​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

百人番所から徒歩1分(約0.05km)​

⏳ 見学の目安

短時間での見どころ:約5分​

じっくり観光するなら:約15分​

📍 見どころ

  • 石垣の技術:​中之門跡の石垣は、江戸時代の高度な石積み技術を今に伝えています。​
  • 周辺の歴史的建造物:​近隣には百人番所や大番所など、江戸時代の警備施設が現存しており、併せて見学することで当時の城郭構造を深く理解できます。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​中之門は、江戸城の防御上の要所として、特に厳重な警備体制が敷かれていました。​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​石垣には、修復時期や担当した大名の家紋が刻まれていることがあり、細部に注目すると新たな発見があるかもしれません。​

大番所

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

江戸城の大番所は、江戸時代における城内警備の要所として重要な役割を果たしていました。​大手中之門の内側に位置し、本丸への最後の関門として機能していたため、他の番所よりも位の高い与力・同心が詰めていたとされています。
現在の大番所は、昭和41年(1966年)に皇居東御苑の一般公開に合わせて復元されたもので、背後には15段の射撃用の石段が残されています。

🗺 住所: 東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

中之門跡から徒歩約1分(約12m)​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約5分​
  • じっくり観光するなら:約15分​

📍 見どころ

  • 大番所:​復元された建物で、江戸時代の警備体制を偲ぶことができます。
  • 射撃用の石段:​大番所の背後にある15段の石段は、当時の防衛施設の一部として興味深いです。​

📌 トリビア

  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​背後の射撃用の石段は、一般的には見落とされがちですが、歴史的価値の高いスポットです。

中雀門跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆

中雀門(ちゅうじゃくもん)は、江戸城本丸の正門として、将軍の居所である本丸御殿への最後の関門でした。​この門は、大名たちが登城する際の最終的な通過点であり、徳川御三家でさえもこの門前で乗り物から降りなければならなかったと伝えられています。 ​1863年(文久3年)の火災で本丸御殿とともに焼失し、現在は石垣のみが残されています。​焼失時の熱により、石垣の表面が劣化している様子が確認できます。

🗺 住所: 東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

大番所から徒歩約2分(約100m)​

⏳ 見学の目安

  • 短時間での見どころ:約5分​
  • じっくり観光するなら:約10分​

📍 見どころ

  • 石垣の遺構:中雀門の石垣が一部残されており、江戸時代の城門の構造を垣間見ることができます。
  • ケヤキの木:門柱のように立つ2本のケヤキの木は、かつての御殿の正面玄関の位置を示しています。
  • 季節限定の楽しみ方:春には周辺の桜が美しく、秋には紅葉が石垣を彩ります。

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​中雀門の石垣には、1657年(明暦3年)の明暦の大火で焼けた天守台の石が再利用されていると考えられています。
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​石垣の一部には、火災の熱で変色し、表面が劣化した箇所があり、当時の火災の激しさを物語っています。​
  • 著名人との関係:​徳川家康をはじめとする歴代将軍がこの門を通じて本丸御殿に出入りしており、江戸幕府の中枢としての役割を果たしていました。

富士見櫓

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆☆
 視覚的魅力:​​☆☆☆
 体験的価値:​☆☆☆

富士見櫓(ふじみやぐら)は、江戸時代初期に建造された三重三階の櫓で、現存する数少ない江戸城の建築物の一つです。​その名の通り、かつてはこの櫓から富士山を望むことができたとされています。​徳川家康の命により築かれたこの櫓は、江戸城の防御と監視の要として重要な役割を果たしていました。​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

中雀門跡から徒歩約3分(約0.1km)​

⏳ 見学の目安

短時間での見どころ:約10分​

じっくり観光するなら:約20分​

📍 見どころ

  • 富士見櫓の外観:​白壁と黒瓦のコントラストが美しい三重三階の構造で、江戸時代の建築美を今に伝えています。​
  • 周囲の石垣:​櫓を支える堅固な石垣は、当時の高度な築城技術を感じさせます。​
  • 季節限定の楽しみ方:​春には周囲の桜が咲き誇り、櫓との美しいコントラストを楽しむことができます。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​富士見櫓は、明暦の大火(1657年)で天守が焼失した後、天守の代用として使用されました。​
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​櫓の名称は、かつてここから富士山が見えたことに由来しますが、現在は周囲の建物の影響で見ることは難しくなっています。​
  • 著名人との関係:​徳川家康の命により築かれたこの櫓は、江戸城の防御と監視の要として重要な役割を果たしていました。​

松之大廊下跡

⭐おすすめ度
 歴史的価値:​​☆☆☆
 視覚的魅力:​​☆
 体験的価値:​☆

松之大廊下(まつのおおろうか)は、江戸城本丸御殿内に存在した全長約50メートル、幅約4メートルの畳敷きの廊下で、襖には松と千鳥の絵が描かれていました。 ​この場所は、元禄14年(1701年)3月14日、赤穂藩主・浅野内匠頭長矩が高家肝煎の吉良上野介義央に斬りつけた「松之廊下刃傷事件」の舞台として知られています。​この事件は後の赤穂浪士による討ち入り、いわゆる「忠臣蔵」の発端となりました。​

🗺 住所:東京都千代田区千代田1-1​

🚶 アクセス

富士見櫓から徒歩約3分(約0.1km)​

⏳ 見学の目安

短時間での見どころ:約5分​

じっくり観光するなら:約10分​

📍 見どころ

  • 松之大廊下跡碑:​現在、皇居東御苑内の本丸跡地には、松之大廊下が存在した場所を示す碑が建てられています。 ​この碑を訪れることで、歴史的事件の舞台を実感することができます。​
  • 本丸跡地の散策:​広大な芝生が広がる本丸跡地を散策しながら、江戸時代の城郭の規模や構造を感じることができます。​

📌 トリビア

  • 意外な歴史的背景:​松之大廊下での刃傷事件は、将軍の御前での刃傷が厳禁とされていた江戸時代において、大きな衝撃を与えました。​この事件が後の赤穂浪士の討ち入りに繋がり、忠臣蔵として広く知られるようになりました。
  • 知る人ぞ知る歴史スポット:​松之大廊下の襖絵には松並木が描かれており、その美しさから「松之大廊下」と呼ばれるようになりました。​現在の跡地周辺には、当時の面影を偲ばせる植栽が施されています。
  • 著名人との関係:​浅野内匠頭や吉良上野介、そして赤穂浪士たちの物語は、歌舞伎や映画など多くの作品で取り上げられ、日本の歴史文化に深く影響を与えています。

江戸城跡 全体マップ

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